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ABC理論とコーチング


現在、改めてコーチングをじっくり学んでいます。

皆様はコーチングに対してどのような印象をお持ちでしょうか。

実は、私もそうでしたが、コーチングをいくつかあるコミュニケーション手法の一つと捉えている人は多いように思います。
しかし、少し学んでみると、これは少しもったいない考えだったなと
思うようになりました。

私はコーチングとは、マネジメントを機能させるベースのコミュニケーションツールであり、チームで働く人なら全員がその概念とスキルを身に着けておくとよいものだと考えています。

というのも、コーチングのもっとも特質すべき点は、相手と意見が異なるときに、相手の納得感を引き出して、お互いに合意することにあると思っており、この手法は、どの職場でもとても有益なものだからです。

ポイントは「納得感」のある合意というところです。

日常のコミュニケーションでは、意識しなければ、
納得感を置き去りにした指示、命令、伝達となりがちです。

・部下が思ったように動いてくれず、強く言うと反発して距離ができてしまう

・上司が自分のことを理解してくれず、モチベーションが下がる

上記のようなマネジメントでよく起きる問題も、その原因に
納得感のある合意ができていないこともあるのではないでしょうか。

その意味でコーチングは広く組織のコミュニケーション問題の解決に
役に立ってくれます。

また、何か戦略や方針を進める上でも、日々の一つひとつの
コミュニケーションの質が変わることのインパクトは大きく、
本質的な組織の変化が起きます。

コーチングの基礎理論として一つご紹介したいのがABC理論です。

ご存知の方も多いと思いますが、

感情は出来事(A)そのものが起因するのではなく、各々の解釈(B)
によって生み出された結果(C)であるという考え方のことを言います。
ABCはそれぞれ以下の頭文字をとっています。

A:Activating event(出来事)

B:Belief(解釈、信念、固定観念)

C:Consequence(結果、帰結)

職場のコミュニケーションがうまく成立しないとき、
それぞれの個人が持つBを確認することが必要です。

例として、決算最終日で売上目標を大きく達成していない営業部に
2人の営業マン(鈴木さん、田中さん)がいるとします。

この出来事A(最終日に大きく目標数字が未達である)は事実として二人
にとって同じですが、

Bは2人の間で異なるかもしれません。

鈴木さんは、最終日に無理にお客様に受注をもらっても長期的な関係性を壊すだけだ。
お客様の都合を考えた方が将来仕事をもらえることにもつながる。

と解釈したとします。反対に田中さんは、

営業マンたるもの、最後の最後まで達成すべくなんとしても動くべきである。
無理にでもアポイントをもらい訪問するべきた。

と考えた(解釈した)とします。

この違いが結果として、二人の行動(C:結果)を変えることになります。

このような二人を見て、もし上司が指導するとしたら、変えないといけないのは、部下のCである行動ではなく、出来事の解釈の仕方であるBなのです。

行動だけを見て、いきなり「なぜそんなことをしたんだ」と指導してしまうと、そこに納得感は得られません。

もっというと、もしかしたら上司は相手からBの解釈を聞くことで、部下に対して先入観を持っていたと気づき、自分の考えの方を改める可能性もあるかもしれません。

こうしてお互いの解釈、信念をまず尊重するコミュニケーションが、マネジメントを機能させ、職場の活性化や業績の向上につながっていきます。

また来月もよろしくお願いいたします!

2018/9/30 VOL99                                                                                               sakaguchi yuto

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