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『NASUポスター展』制作経緯とこだわりを聞いてほしいぃ!!

はじめまして。
株式会社NASUの小野幸裕(おのゆきひろ)です。

今日はNASUで開催中の展示会『NASU POSTER展 クリエイティブ表現の探求』の僕の作品について、少し解説させていただきます。

というのも僕は普段、NASU 東京オフィスに勤めているので、作品についての解説をする機会がなかなかありません。でも、せっかく作った作品、ここがこだわりなんですよ〜!!!というのをしっかりと伝えたい。
だから今回このnoteを書こうと思いました。

もし「実際に見てみたい!」と思った方は、展示会は2023年6月16日(金)まで開催中なので、ぜひ足を運んでいただきたいです。遠方で「見に行くことができない!」という方は、数量限定で図録も販売しているので、ご検討ください!!


さて、まずは説明させていただく前に。

僕の作品を見てください!

これが展示している僕の作品です。
今回のポスター展は、NASUメンバー9人が仕事ではできない自己表現の追求にチャレンジし、それぞれの多様な視点からNASUの世界観を表現します。

今回、僕の自己表現テーマは『ステッカー』です。
ここからは、なぜこの表現をにしたのか。そして、それが形になるまでをまとめたので、ぜひ見ていただけると嬉しいです。


偏愛はふとした場所に

まず作業は自分の「偏愛」を探すところから始まりました。

いざ、あなたの「偏愛」って何?って聞かれた時にパッと答えるって難しいですよね。これがたまらなく好きで、愛してやまない。前田さんはよく口に入れたくなるくらい好きとも話しています。でも、偏愛って普段から意識しているものではないので、考えるだけでは、ろくな案も出てこず。

「はぁ〜」とため息をつきながら、パソコンを閉じた瞬間。
めちゃくちゃ偶然、僕の偏愛が雷鳴の如く脳みそに落ちてきました。

ん!?

めっちゃステッカー大好きやん!!!!

なんでこんなに目の間に合ったのに気が付かなかったのか…。
いやいや、でもまだ確定したわけではない。偏愛っていうのはずっと前から大好き〜とかそういう確証もないと。一時凌ぎの気づきで進めるのは良くない!と思い、過去の写真や思い出を振り返ってみました。

ふむ。

ふむふむ。

ふむふむふむ。

うん。僕はステッカーが大好きでした。
過去を振り返ってみて確定しました。

いやでも、自分から壁にペタペタ貼るなんてイタズラはしないでしょ〜親から好きなだけ貼りな〜と言ってもらっていると思い、念の為に母に当時のことを聞いてみると。

ごめんなさい。

やっぱり犯人は僕でした。
そして、僕がステッカーに魅力を感じていることを確信しました。

考えてみれば、中学から高校にかけてよく聴いていたThe Clashのジョーストラマーのギターに憧れて、テレキャスターを選んで同じようにシールを貼っていたことも思い出してきました。

引用元:https://guitarmagazine.jp/news/2022-0921-fender-joe-strummer-telecaster/

こうして、クリエイティブ表現のテーマが「ステッカー」に決まりました。


形にする苦悩

クリエイティブ表現のテーマは無事「ステッカー」に決まりました。
ただここで「偏愛を表現する」という大きな壁にぶつかりました。

ステッカー好きを実際にB1ポスターに表現するとしたらどんなものになるのか、全くもって想像することができなかったんです。

そして、このポスター展には「テーマ」「キーワード」が決められていました。ここもかなり僕を悩ませるタネであったことはまちがいないです。

ポスター展の企画が決まった時のアナウンス。

ステッカーでどうやって「NASU」を表そう…。
いつの間にか、僕の頭はそこばかりになってしまいました。

NASUの5つのバリューをステッカーにして貼る?
Nassu Bookという架空のパソコンを作って、そこに張り出す?
既存のステッカーをNASU版にパロディしてみる?

などなど。

考えれば考えるほどわからなくなるし、逆に時間が1ヶ月ほどしかない(しかも他の仕事も並行してこなしていく)中で、えげつない量をデザインしなくてはならないのか…と少し絶望していました。

そんな僕に前田さんから一言。

「ゆったんが考えているのってすごい仕事的だよね?」

没頭していると意外と気がつけない。
客観視できていない点を指摘されて「うっ!確かに!?」となりました。

今回のポスター展は“自己表現の追求”。
まずは自分が好きなものをつくって、後からNASUのことを考えればいい。

こんなにも自由に作れる環境なのに、いつの間にか“自分が作りたいもの”より、“NASUをどうやって表現しよう”と目的が逆転してしまっていたんです。

目的がずれてしまっていたことはショックでしたが、落ち込んでいる暇はありません。「ステッカー偏愛」を伝えるために、どういうものを作ればいいのか。
さらに悩んでいた時に前田さんから頂いたアイデアが「丸・四角・三角のステッカーによくある形のものをNASUのオブジェに貼りまくる」というものでした。

これだったら幾何学的な形であればデザインをする必要もないし、無地のステッカーとしてデザインすることもできる。

僕が作るべきものが定まった瞬間でした。

ここからは、すごくペースが早く進めることができたと思います。
作るべき道が開けたので、あとはひたすらまっすぐ作品を作ることに専念することができました。


経年劣化というこだわり

制作を進めていて、偏愛の意味合いが深まったこともあります。

それは僕はただステッカーが貼られたものが好きなのではなく、貼られてから数年、数十年経った経年劣化が激しいステッカーとその上から新しく貼られたステッカーが共存する時間の経過を感じることができるステッカーが好きだということに気づいたんです。

ステッカーは経年劣化が激しいアイテムなので、汚れて剥がれて印刷が薄くなっていきます。けど、その劣化は貼られている対象物に触れる時間が長かったということを表していると思うんです。

つまり、「ステッカーの劣化=愛情」なんじゃないかなと今回の作品作りを通して新しい解釈に出会うことができました。

僕が専門学校から愛用しているMacはもうボロボロ。
でも、デザイン勉強もDJも一緒に歩んできたのが感じられて愛着があります。

またテーマでもある「NASU」に置き換えると、絆創膏のように何枚も重ねられたステッカーは、何度も何度も試行錯誤を繰り返して良いデザインを作り上げていく様を具現化しているようにも見えてきます。

ステッカーひとつで色んな考え方ができて、想像力が膨らんでくるのを感じました。作品作りの中で、自分と向き合う時間を過ごすことができたのが、僕にとってすごく良い体験でした。

ちなみに掠れている部分の配置にもこだわりがあります。

NASUオブジェを持ち上げるなら、どこを持つんだろうということを想像しながら、持ちやすい位置を中心に劣化させてるんです。
すでに関わりのある人から、これから出会うかもしれない人たちまで。NASUのオブジェを全員が持ち上げて笑顔になっている様子を想像しながら最後の劣化部分のブラッシュアップを行なっていきました。

ぜひ会場で作品を見る時には、そういった視点でも見てもらえるとすごく嬉しいです。


改めて、ポスター展について

さて、ここまで僕の作品について説明させていただきました。
この作品は6月16日(金)まで、大阪 天満橋にあるNASUギャラリーで開催している『NASU POSTER展 クリエイティブ表現の探求』にて展示されています。

この作品以外にも、NASUの全クリエイター9名が、個人の探求したいテーマと共通のテーマ「NASU」を掛け合わせたポスターを制作しています。仕事ではできない自己表現の追求にチャレンジしているので、ぜひ見にきていただけると嬉しいです。

僕も普段は東京オフィス勤務なのですが、6月14日(水)〜6月16日(金)は大阪にいるので、ぜひ関西のみんなに会いたいです!!

関西圏外だから、見にいくことができないんだよね〜。という方は、冒頭にも書きましたが、数量限定で図録も販売しているので、ご検討ください!!

メンバーの作品だけでなく、自分のクリエイティブ偏愛を探求するヒントもついてきます。ぜひクリエイティブや自分の感情を見つけ出すヒントとしてご活用ください〜!

さらに、最終日の16日(金)には、今回のポスター展を行うきっかけになった北海道の寺島デザイン制作室の寺島さんをゲストに迎え、交流会+トークイベントを開催します。

オンライン参加も可能です。
会場参加・オンライン参加も両方チケットの購入が必要になりますので、参加を希望される場合はお申し込みだけはお忘れ無く!!


おわりに

正直、作り上げられるか不安でしかなかったのですが、なんとか仕上げることができました。
そもそもB1サイズなんて大きな制作物をほぼほぼ作ったことがなかったので、サイズや背景色などもここには書いていませんが、色々試行錯誤はしていました。
でも無事に展示できてよかったです。

B1サイズはパソコンやスマホから感じることのできないサイズ感になっているので、ぜひ生で見にきていただきたいです。

またこのポスター展を通じて、自分自身を改めて見つめ直すことができた気がします。偏愛という自分らしさは仕事の中で全面に出していくものではありませんが、いくら消しても滲み出てくる根っこの自分らしさとして、役立てていければと思います。

ポスター展も残すところあと3日。
ギリギリの駆け込みも大歓迎です。
会場でお待ちしております。

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