メンヘラのひとりごと 290

わたしは、この火を消す。

わたしたちは早い段階で仲良くなったよね。色んな話をしたよね。それを聞いてくれたよね。否定しないでいてくれたよね。

わたしはあなたの書く小説が好きだった。頭の良さがわかる精巧な字が並ぶ姿が好きだった。

わたしは馬鹿なことにあなたに近づく度に感じる気持ちを恋情と勘違いしてしまって、口を滑らせて告白した。その時も彼氏がいるから気持ちには答えられないと優しく振ったよね。

今考えられたらブスなキモオタクなんかキモいって言われてブロックされた方がマシだったと思うよ。

その中途半端さでかえってわたしはあなたに執着したよ。あなたの為ならなんだって我慢したし、なんだってした。

あなたの読みたい内容の小説を書いた。あなたが興味のありそうな話題を振った。

あなたを想って泣いた夜だっていくらでもあるの、一生あなたに伝えるつもりはないし、伝えたって無駄だってわかってる。

最初はよかった。全てが変わったのがあなたが就職してTwitterで連絡取れなくなるのが怖いからLINEを交換してからだったね。

何日も既読も返事もないLINEを見ては愕然として。本人は言う、私はLINEを返すのが苦手だと。

だから必死に早く返事が欲しいのを飲み込んで耐えた。家族に愚痴ったりしてやりすごしていた。

あなたに会いに新幹線に乗ったのに、結果は裏切られるような形になって、早く新幹線に乗せられたわたしはただ泣くしかできなくて。行きはあんなにも遠かった場所は離れるとあっという間だった。

わたしは喜んでもらえるようにたくさんお土産も用意したし、渡す手紙もたくさん書いて渡した。小説も書いてデータで見せた。

だけど、向こうから貰ったのはこう言っちゃ悪いけど中身の薄い手紙だけだった。お土産は買ってあげるよと言われてその場で買った。

わたしにはLINEを返さないくせに平気で近くの友達と遊んでいたし、新しい彼氏もちゃっかりできて普通に生きていた。わたしにはあなただけだったのに。

はぁ?

わたしがこの数年間でどれだけ時間と労力を割いてあなたを好きだったと思ってるの?どれだけ我慢したと思ってるの?

今日も通話する予定だったけど、平気で通話の予定を忘れる人だから(こっちから今日やるよと言わないと平気で連絡してこない)、連絡が来なかったらこっちも無視してフェードアウトしようと思ったらご丁寧にできない連絡はできるんだから面白いよね。馬鹿にしてんの?

わたしはあなたが好きだから本当は緊張して苦手な通話も声が聞きたくて毎月してた。リスケも何度頼まれたことか。本当に申し訳なく思ってたんだろうか。文面じゃそれが伝わらないから難しいよね。

でももうわたしも限界だよ。わたしを大切にしてくれない人にこれ以上わたしの時間と労力をかけられないよ。

さよなら。もう無理。



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