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バリ島で学んだ Life tips 自然と一体になる音楽とは?

はじめまして。
夫と旅をしながら、水彩アート・絵本を創作しているyuucoです。

今回は、インドネシア・バリ島に訪れています。
バリ島には人生を健康に豊かに生きるためのヒントが溢れています。

みなさんは、何か楽器を演奏できますか?♪
私はお恥ずかしながら、特に何か演奏できるわけではないのですが、
楽器の練習は脳に良い影響があるらしいので、
これから何か始めてみたいなと思っています。

それはさておき、
バリの内陸部の街ウブドにある美術館、ARMAに行ってきました。
絵を見ていると、どこからか素朴な音楽が流れてきて、心地いいなと思っていました。

その建物からお庭に出てみたら、大きな緑色の実のたくさんなった木や、
象の石像、噴水のある楽園のような景色が広がっていました。

少し離れたところにあるオレンジ屋根の建物に目を移すと、
何やら楽器を演奏している男性の姿が見えました。
その音色はまさかの生演奏だったのです。

びっくりして近づいてみると、
そのお兄さんは私たちに気がついてニッコリ。

「よかったらやってみる?僕が教えるよー!カモン!」
と気さくに話しかけてくれました。
お言葉に甘えて、お兄さんのいる場所まで登ってみると、
床に楽器が双子のように2つ並んでいます。

その楽器の名前は、ガムラン。
竹を叩いて音を鳴らす伝統的な楽器です。
5つの音階が2オクターブ分で10本と、
おまけの一番高いドの音が加わった11本の竹が並んでいます。

日本から来ましたと伝えると、
「日本人はとっても頭がいい。でもね、この楽器を演奏するときは、頭じゃなくて心を使うんだよ。feelingが大切なんだ。」
とお兄さんは熱心に説明し始めました。

「あそこにある噴水から水が流れ落ちる音が聞こえる?
その音にもリズムがある。メトロノームみたいに。
そのリズムを心で感じ取るんだ。」

お兄さんは耳を澄ませながら、両手を叩いてリズムを刻み始めました。

私もじっと水の流れに耳を澄ませてみると、
ちょろちょろちょろちょろ…その音の中にも強弱があって、
確かにリズムが刻まれているような気がしてきました。

お兄さんは続けて、
「こんな風に自然の音にはどれもリズムがある。そして、僕たち人間にも鼓動というリズムがある。リラックスしている時は鼓動はゆっくりになるし、
緊張したらドクドクと速く打つ。
だから、自分のリズムを自然のリズムと調和させて、心を落ち着かせながらガムランを演奏するんだよ。」
と教えてくれました。

「最近の音楽には人工的なサウンドや激しくアップテンポのものも多いけれど、そういう音楽は、人間が寝る時や食事中に聞くにはあまり向かないよね。
オーガニックなガムランの奏でる音は、聞いていると心を落ちつかせる効果があるから、人間が気持ちよく寝たり食べたりするときに聞くには相性がいいんだよ。」

そこまで話し切ると、さあやってみよう!と実践へ。
基本は2回ずつ同じ音を叩きながら、一本ずつ隣の音へ移っていくこと。
叩いてみると、ぽん、ぽんという何とも響きがまろやかな音。
日本人に馴染みのあるししおどしの音を思い出します。

何回か11本の竹を行ったり来たりして練習しました。
叩くことに必死になって自然音が耳に入ってこなかったり、
気持ちが焦ってテンポが早くなると、お兄さんは必ず私たちを止めて、
「ほら、水の音を聞いて!」とアドバイス。

手を止めて水の音に耳を傾け、呼吸を整えてから叩いてみると、
音もなんだか優しくなるようです。
「そうそう!上手だね!」とにっこり褒めてくれました。
全て見透かされている。。笑

「じゃあ、今度はレベルアップしてみようか?」
と両手で違う動きをするバージョンを教えてくれました。
一気に難しくなって、また水の音を聞く余裕は無くなります。笑

何度かお兄さんのガイドに合わせてゆっくり練習を重ねていくと、
お、何だか水の音のリズムに合っていて、心地いい!
と思える瞬間がやってきました。

いい感じだね!お兄さんは褒めてくれて、こう教えてくれました。

「水の音の他にも、風の音や鳥や虫の鳴き声、色々な自然の音が加わってくるでしょう。ガムランを演奏している時は、あなたが自然の音の指揮者となって、自然を操るんだよ。」

ここまでくると、その境地に達しているお兄さんが
神様のように見えてきます。

でも、ガムランの奏でる素朴なぽん、ぽんという響きは本当に聞いていて
耳に優しいもので、『自然と一体になる』その感覚をつかみたくて、
私たちはそのあともしばらく練習させてもらいました。

叩いているうちに自然と心は落ち着き、耳も研ぎ澄まされ、
それまで聞き落としていた様々な音に気がつくことができそうです。

今回教えてもらったおかげで、豊かに生きるヒントをもらいました。

自分はこの地球で生まれ、死んだら自然に帰る。
それは事実なのに、自分と自然とのつながりはどこか観念的でした。
公園に出掛けて陽を浴びたり、木を眺めたり、鳥の声を聞いたりしても
実感を持てないでいました。

心を落ち着けて、耳を澄まして。。
自分が今刻んでいる鼓動は、この自然のリズムの一部であること。
そして、風や水の音、他の生き物たちの声、
そこにもまた、自然のリズムが流れています。

頭で考えないで、それを心で感じ取ること。
自然の鼓動と自分の鼓動を調和させて、
この大きな空間の小さな存在として身を置くこと。
それが大切なようです。

このtipsを東京に持ち帰って、
どんな新しい音やリズムが見つかるかな?
試してみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!😊



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