平成30年度秋季近畿大会の展望

どうもこんばんは遊撃です。

ツイキャス聞いていただいた方、ありがとうございました!話したことと被る内容ではありますが、こちらにもアップさせていただきます。観戦のお供にぜひ!

まず1回戦の組み合わせを整理しておきます。

10/20(土)
①天理(奈良①)-龍谷大平安(京都③)
②近江兄弟社(滋賀②)-市立和歌山(和歌山②)
③履正社(大阪①)-県立南部(和歌山③)

10/21(日)
①福知山成美(京都①)-神戸国際大附属(兵庫②)
②近江(滋賀①)-報徳学園(兵庫③)
③明石商業(兵庫①)-京都国際(京都②)

10/27(土)
①智辯和歌山(和歌山①)-大阪偕星学園(大阪③)
②橿原(奈良②)-大阪桐蔭(大阪②)
③ここから2回戦

となっています。

天理・龍谷大平安・近江兄弟社・市和歌山をAブロック
履正社・南部・福知山成美・神戸国際大附をBブロック
近江・報徳学園・明石商業・京都国際をCブロック
智辯和歌山・大阪偕星・橿原・大阪桐蔭をDブロック

とし、それぞれのブロックで見ていこうと思います。京都は実際に観戦しているので、情報が厚めかもしれません(笑)

今大会出場校に関連するこれまでの観戦レポートは以下に置いときます!

〇秋季京都大会2回戦「立命館宇治-龍谷大平安
https://note.mu/yuugekistyle_bb/n/nd15b80226974

〇秋季京都大会準決勝「福知山成美-京都外大西(ノーゲーム版)」
https://note.mu/yuugekistyle_bb/n/n207ac4d0c531

〇秋季京都大会準決勝「福知山成美-京都外大西」
https://note.mu/yuugekistyle_bb/n/n042d9a1da932

〇秋季京都大会準決勝「京都国際-龍谷大平安
https://note.mu/yuugekistyle_bb/n/n28dd0b1fae48

〇秋季京都大会3位決定戦「京都外大西-龍谷大平安
https://note.mu/yuugekistyle_bb/n/nf97249c9c14f

それではまずAブロックから。このブロックは天理が軸か。それを市立和歌山が追うという展開になりそう。ただ、やはり投打に天理が一枚抜けている印象。龍谷大平安はなんとか天理に食らいつきたい。近江兄弟社は持ち味の強打を発揮できれば可能性はある。

天理は奈良大会5試合で68得点。1試合平均で13点以上取っている計算になる。特定の試合だけで点を取ったわけではなく、全試合で二けた得点を記録している。正に「圧倒的」な力で県大会を勝ち上がった。準々決勝の智辯学園戦や、決勝の橿原戦で見せた1イニングの大量得点から「畳みかける攻撃」が出来ることも窺える。投手陣はエース左腕の桂田を中心に、5試合でわずか8失点。1イニングにおける最多失点も2と、大崩れもしなさそう。攻守にレベルが高く、上を狙える力は十二分にありそうだ。

龍谷大平安は、府大会では厳しい試合が続いた。準決勝の京都国際戦では5-0から逆転負けを喫するなど、例年と比べるとチーム力は落ちている。その要因は投手陣だ。府大会ではエースナンバーを背負った左腕の野澤がパッとしなかった。これといった特徴がなく、どの学校と対戦しても捉えられていた。そんな中、軸になりつつあるのが同じ左腕である⑩豊田だ。スローカーブを混ぜながら、緩急を生かして打たせて取る投球が持ち味。この豊田や1年生の橋本の頑張りで、失点をどこまで減らせるかがカギになりそうだ。
打線は5試合で45得点とまずまず。ただ、立宇治戦・京都国際戦と、左腕の前に打線が沈黙していたのが気がかりだ。左腕を苦にしていなかった2番の北村がポイントになりそう。1番中島、2番北村、3番多田の上位打線はかなり力がある。しかし、今夏もレギュラーだった4番の水谷は府大会を通して不調だった。彼がどこまで復調しているかも、勝負を分けそうだ。

滋賀2位の近江兄弟社は県大会5試合で38得点と、打線に力がある。しかし、決勝の近江戦で林に11三振を奪われて1点しか取れなかったことからも分かる通り、レベルの高い投手からでも、どんな形でも点を奪える、というほどではない。準々決勝の高島戦でも、相手投手の低めに丁寧にボールを集める投球に決定打が出ず、延長12回を戦った。逆に言えば、しっかりと低めにボールを集めれば、そこまで恐れるほどの打線ではなさそうだ。投手陣では、1年生から投げている左腕の菊地が軸。4~5点以内に抑えれば、打線が何とかできそうな雰囲気。

市立和歌山は、春・夏に続いて、またしても智辯和歌山の前に苦杯を飲んだ。しかし、その決勝も途中までは6-0でリードしており、力があることは間違いない。智辯和歌山相手の1イニングの大量失点は「流れ」というか「雰囲気」のようなものに持っていかれる部分があるので、あまり参考にならないところがある。2次戦の初戦は延長戦でサヨナラ、準決勝も終盤に一挙5点を奪って勝利するなど、粘り強く戦えるチームだ。岩本柏山奴田の投手陣が最少失点に抑え、接戦に持ち込みたい。

続いてBブロック。「負けない強さ」が出てきた履正社を中心にした戦いが繰り広げられそうだ。対抗は神戸国際大附属。投手陣が粘って接戦に持ち込みたい。南部は序盤で失点を最小限にし、終盤勝負に持ち込めると面白い。福知山成美はエース小橋の投球にかかる。

履正社は決勝で宿敵大阪桐蔭を下し優勝。公式戦の直接対決で大阪桐蔭に勝利したのは2016年の秋以来。ちなみにその後、両校は選抜の決勝の舞台で顔を合わせることになる。
エースは左の清水。チェンジアップをうまく使える投手だったと記憶している。大阪桐蔭戦で2失点完投と好投した⑩植木も控えている。この投手陣の活躍が、府大会での安定した戦いぶりに繋がった。とはいえ、楽な試合ばかりではなかった。3回戦の山田戦は5-3、4回戦の阪南大高戦は3-2、5回戦の星翔戦も3-0と、決して圧倒的な力で勝ち上がってきたわけではない。しかし、そういう試合を制する中で、「負けない強さ」が付いてきているように感じる。大阪桐蔭の前チームなんかは正にこれだった。こういうチームは強い。優勝も視野に入っているはずだ。
打線の力も申し分なさそう。1年生の小深田は先輩でもある現ロッテの安田尚憲を彷彿させるような力強さと懐の広さがある。近畿大会でも注目したい。

南部は県大会こそ準決勝で智辯和歌山に敗れ、3位での通過となったが、その前に行われた新人戦では、準決勝で智辯和歌山を2-0で下し、そのまま優勝している。敗れた試合も、6回終了時点では3-2でリードしていた。しかし、7,8回と智辯和歌山の猛打の前に4点ずつを失い、逆転でコールド負け。
チームの中心は双子の鎌倉バッテリーだ。エース左腕の鎌倉海斗は新人戦の智辯和歌山戦勝利の立役者であり、力はあるはず。履正社の打線も強力だが、丁寧に低めを突くピッチングを展開したい。打線も振る力がありそう。甘いボールを見逃さずにどんどん振って、相手バッテリーにプレッシャーを与えたい。どこまで履正社に食らいついていけるか、楽しみだ。

福知山成美は圧倒的な力を持っているわけではないが、接戦をものにして京都大会を制した。2次戦の4試合で19得点、8失点というところからも分かる通り、何かがずば抜けているわけではない。
エース小橋は最速は130キロ中盤ほどだが、丁寧にコーナーを突く投球が光る。右打者の内側にスライダーを臆せずに投げ込めるのは、制球に自信のある証拠。打たせて取る投球で、失点を減らしたい。
打線では1番の佐藤と4番を打つが中心。勝負強さもあり、準決勝の京都外大西戦ではともに4安打。彼らの前にいかにして走者を溜めるかという所がカギになりそう。接戦に持ち込みたい。

神戸国際大附属は、準決勝の報徳学園戦では9回2死から2点差をひっくり返して逆転サヨナラ勝ちを収めている。決勝は明石商業にサヨナラで敗れたが、やはり力があることは間違いない。
打線は畳みかける攻撃ができ、松本などの投手陣も枚数がそろっている。県大会は6試合で33得点、13失点。序盤から競った試合が多く、コールドは準々決勝の六甲アイランド戦のみだ。しかし、準決勝の報徳学園戦の土壇場での逆転勝ちも含め、接戦をものにしているという経験は大きい。今年の夏の大阪桐蔭なんかもそうだったが、「一度死ぬ」という経験は以降の躍進につながることが多い。報徳学園戦の経験を生かして上位に進出することができるか。

続いてCブロック。ここは最激戦。抜けるのは近江か、明石商業か。ただ、林という存在の大きさが近江の突破を後押ししそう。いずれにしても接戦になるのは間違いない。得点力の高くない報徳、京都国際もロースコアの接戦に持ち込みたい。どの試合も接戦になりそうだ。

近江は滋賀県大会では圧倒的な力を見せつけ優勝。他の追随を一切許さなかった。夏の甲子園ベスト8の前チームからのレギュラーである捕手有馬、遊撃土田、中堅住谷に加え、甲子園で好投したがエース、途中出場で甲子園の土を踏んだ見市がセカンドを守り、センターラインは甲子園経験者で固められている。これが近江の完成度の高さを生んでいる。
エース左腕のは、直球は140キロに満たないものの、チェンジアップの切れ味は抜群。緩急をうまく使い、相手打線に狙いを絞らせない。有馬の好リードも光る。
注目は土田。1年生ながら甲子園ではショートでスタメン出場。守備も打撃もとても1年生とは思えない。特に守備では、ベテランのように落ち着き払ったプレー、仕草がみられる。球場に足を運ぶ方はぜひその辺にも注目してもらいたい。県大会5試合で43得点8失点。正に圧倒的だ。今大会優勝を狙えるチームの1つ。

報徳学園は伝統的に守りの堅いチームだが、今年もそれは健在のようだ。そして、その守りの堅さが生む競り合いでの強さを、勝利へ直結させたい。準々決勝の東播磨戦は1-0、準決勝の神戸国際大附属戦は4-5×(9回逆転サヨナラ)、3位決定戦の社戦は延長13回で4-3と、準々決勝以降は全て1点差。粘り強く、簡単には崩れない。
エースのは今年の夏の甲子園でも好投した。1年生の坂口も含め、いかに失点を減らして接戦に持ち込み、自分たちの戦いができるかどうかがポイントになりそう。県大会は5試合で34得点、8失点。唯一コールド勝ちした初戦の姫路東戦(21-1)を除くと、4試合で13得点、7失点になる。接戦必須。

県内では公式戦27連勝と、もはや無敵状態になりつつある明石商業。その要因は完成度の高さにある。この学校の野球は本当にソツがない。ただ、無敵状態とはいえ、決して「圧倒的」ではない。実際この秋もコールドゲームは0だ。しかしながら、この完成度の高さゆえに勝負所で崩れることが少なく、「負けない」のだ。
1年生エース中森は甲子園で鮮烈な印象を残したが、その力は本物。140キロ中盤に迫る直球で、相手打線を押し込む。同じく1年生ながら甲子園で活躍した来田にも注目したい。そのバットコントロールはおおよそ1年生とは思えなかった。明石商業も、優勝を狙えるチームの1つ。だからこそ、近江と同じブロックに入ったことが本当にもったいない。

近畿大会初出場となる京都国際。決勝では福知山成美に競り負けたが、準決勝では龍谷大平安相手に0-5からの逆転勝利を挙げた。
チームの軸となるのはエース左腕生駒と⑩酒井の2人の投手。生駒はテンポよく投げ込み、制球力も〇。スローカーブで緩急をうまく使いながら、力のある速球で相手打者を押し込む。酒井は制球力には若干不安があるが、簡単に四球を出すタイプではない。最速は140キロ近く出ており、球威があるので、そのストレートを生かせるようなピッチングをしたい。
打線では8番を打つ捕手の谷口に注目したい。準決勝の龍谷大平安戦では1-5、満塁の場面から1点差に迫る3点タイムリーを放つなど、勝負強さが光った。しかし、打線は全体的に非力。府大会ではベンチの雰囲気が非常に良かったので、劣勢になっても最後まで見守りたい。

最後にDブロック。ここを抜けるには打ち勝つのが絶対条件。となると智辯和歌山が有利か。大阪桐蔭も打力では負けていないが、投手陣と野手の経験不足への不安が大きい。大阪偕星は打力が持ち味だが、智辯和歌山のフィールドである「打ち合い」に持ち込んだ時にどう転ぶか。橿原は、エースの西川が粘り、大きく離されないようにしたい。

智辯和歌山の終盤の集中力はさすが。2次予選の準決勝・決勝はいずれも中盤以降に集中打で逆転勝利。特に決勝の市立和歌山戦は0-6からひっくり返した。このあたりは本当に見事。
東妻黒川西川細川と前チームの中心選手がそのままセンターラインに残っているのは強みだ。西川の遊撃の守備には「うまさ」が光る。その他にも前チームからのレギュラーで勝負強い根来や、綾原らもおり、打線は今大会ナンバーワンと言っても良いだろう。
だからこそカギを握るのは投手陣だ。早いイニングで失点をして追いかける展開が多いので、継投もうまく使いながら、何とか最少失点で抑えていきたい。投手陣次第ではあるが、優勝を狙える位置にあると思う。

大阪偕星学園も打力が持ち味のチームだが、そこに坪井という軸が出てきた。エースで4番、投げては140キロ台の直球に、キレのあるスライダーで打者を打ち取る。智辯和歌山との初戦はおそらく打ち合いになることが予想される。だからこそ、この坪井がどこまで粘れるかというところがカギだ。智辯和歌山打線は低めのボール球に手を出さない傾向があるので、その辺も踏まえてどういった配球をしてくるのかにも注目したい。
府大会は8試合で52得点、23失点。ここからも、打線に力があることは窺える。智辯和歌山相手には、何点リードがあってもいいと思う。序盤から畳みかけていきたい。

橿原は秋の近畿大会は17年ぶりの出場。今夏を経験した主力が多く残っている。決勝こそ天理に2-15と大敗したが、5回の一挙10失点は流れでいかれた感があったと思うので、点差ほどの差はないはずだ。大量点は流れもあるので、あまり実力として考えないほうがいい。
打線はランニングスコアを見る感じ「畳みかける」というよりは「小刻み」に点を取っている印象。下位でチャンスを作ってエースで4番の西川に回したい。
その西川は、緩急をうまく使いながらボールを低めに集めて、大阪桐蔭打線が「打たされる」ような投球を展開してほしい。個々のポテンシャルに差はあるかもしれないが、チームとしての成熟度合は負けていないはずだ。

大阪桐蔭は前チームから主力で活躍していた選手はいないが、個々のポテンシャルの高さを見せつけた。昨年の徳山や、今年の根尾・柿木のような絶対的な存在がいない中、府大会では打線が力を発揮。その中でもひときわ存在感を放っているのが、西野船曳の1年生コンビだ。西野は府大会で3本塁打をマークしている。
今年のチームは、ここ最近甲子園で見せていた「総合力の高さ」というよりは、ひと昔前の大阪桐蔭の野球(個々のポテンシャルを存分に発揮させる野球)を展開しているイメージがある。それが通用している間はいいが、個々のポテンシャルではどうしようもなくなった時に、このチームがどうなるのかというところは気になる。そういう時に「経験の差」が出そうな気もする。しかし、府大会では8試合で74得点と圧倒的な打力を持っていることは間違いない。その打力は、十分優勝を狙えるレベルにあるだろう。

ここまで各ブロックを見ていったが、優勝戦線に絡みそうなのは天理履正社近江明石商業智辯和歌山大阪桐蔭の6校か。ベスト4は天理履正社近江智辯和歌山で、決勝は履正社-近江、優勝は近江と予想する。

実際に見れていない学校もあるので、また球場で見て印象が変わるかもしれません。そのときはnoteやツイートでいろいろ思ったことを書いていきたいと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。いよいよ明日から始まりますね!熱戦に期待したいです・・・!

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