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第95回箱根駅伝予想~各チームのエントリー選手の想定区間記録、上位10人の平均による予想~

お久しぶりです、遊撃です。

今回は来年の1/2,3に開催される第95回箱根駅伝の予想をしていきたいと思います。

予想方法

まず予想の方法について説明する。各チーム16人のエントリーメンバーの1万m・ハーフマラソンのベストタイムと、今年の箱根駅伝の記録を参考にして、全員の1~10区の想定区間記録を算出し、各チーム各区間の上位10人の平均を取って、比較した。

1つの想定区間タイムを出すにあたって、2つの視点×2(1万m・ハーフマラソン)で考えた。

1つ目は、今年の箱根駅伝各区間の上位10選手(5,6区は20選手)の区間記録の1kmあたりのラップタイムと、その10選手の1万m・ハーフマラソンのベストタイムの1kmあたりのラップタイムの「差」を出し、10人分(5,6区は20人分)の「差」の平均値をとる(1~4区であれば、1万mのベストタイムに1kmあたり+5秒、ハーフマラソンのベストタイムに-2秒だった)。それで出た1kmあたりのラップタイムに、各区間の距離をかける。1万mとハーフマラソン2つの記録があるので、これで2つの予想タイムが算出される。それぞれを予想タイム①②とする。

(例)○○大学A選手、1区の場合
1万mベストタイム:29分18秒→1kmあたり2分55秒
ハーフマラソンベスト:1時間3分28秒→1kmあたり3分00秒
・1万m換算→2分55秒+5秒=3分00秒
3分00秒×21.3km=1時間3分54秒・・・予想タイム①
・ハーフ換算→3分00秒-2秒=2分58秒
2分58秒×21.3km=1時間3分11秒・・・予想タイム②

2つ目は、今年の箱根駅伝の各区間の上位10選手の1万m・ハーフマラソンのタイムをそれぞれの選手の区間記録で割り、その値の平均を算出する(1区であれば1万mが0.46、ハーフマラソンが1.01だった)。各選手の1万m・ハーフマラソンのベストタイムを、そこで出た値で割ることで予想タイムを算出する。1つ目と同様に、1万m・ハーフマラソン2つの記録があるので、2つの予想タイムが算出される。これを予想タイム③④とする。

(例)○○大学A選手、1区の場合(上と同様)
1万mベストタイム:29分18秒
ハーフマラソンベスト:1時間3分28秒
・29分18秒÷0.46=1時間3分41秒・・・予想タイム③
・1時間3分28秒÷1.01=1時間2分50秒・・・予想タイム④

こうして出てきた4つの予想タイムの平均を、想定区間記録とする。○○大学のA選手であれば、

①1時間3分54秒
②1時間3分11秒
③1時間3分41秒
④1時間2分50秒
(①+②+③+④)÷4=1時間3分24秒

1時間3分24秒が想定区間記録となる。

この2つの計算の意味だが、1つ目は走力を揃えるための計算(1kmあたりのラップのズレを減らすため)で、2つ目は各区間の難易度を考慮するため(3区は比較的フラット・8区は遊行寺の坂など、各区間によってコースに特徴があるので、ラップタイムに特定の秒数を出すだけでは不完全)の計算です。

そして、もう1つ。今年の箱根駅伝を走った選手に関しては、その経験を考慮した予想タイムを、走った区間のみプラスで算出した。先ほどの○○大学のA選手を例に出し、具体的に説明する。

(例)○○大学A選手
今年の箱根時点でのハーフベスト:1時間4分1秒
今年の1区区間記録:1時間3分55秒
現時点でのハーフベスト:1時間3分28秒

(今年の区間記録÷今年の箱根時点でのハーフベスト)×現時点でのハーフベスト=来年の箱根1区の想定区間記録

(1時間3分55秒÷1時間4分1秒)×1時間3分28秒=1時間3分22秒・・・想定区間記録②

これでA選手は2つの想定区間記録が算出された(①1時間3分24秒・②1時間3分22秒)が、これについてはよりタイムが良い方を採用した(A選手であれば②を採用)。以上の方法で各学校16人の各区間の想定区間記録を算出し、各区間の上位10人の平均値をとった。

この予想のメリット・デメリット

この予想を行うことによるメリットは、各大学の走力にどれくらいの差があるかがはっきりと見える点である。単に1万mの平均タイムで比較を行っても、果たしてそれが箱根でどれくらいの差になるのかはイメージしづらい部分がある。それを箱根の距離に置き換えて算出することで、具体的にどれくらいの差があるのかが分かりやすくなる。

また、ロード(ハーフマラソン)とトラック(1万m)の両方の側面から予想しているため、スピード面・スタミナ面の両方から各大学の力を測ることが出来る。

デメリットは、あくまでも平均タイムであるため、いわゆる「大砲」がいるチームはその力が反映されにくい点である。例えば、法政大学で5区を走ることが予想されている青木涼真の5区の予想タイムは1時間11分44秒だった。だが、法政大学の5区の想定区間記録平均は1時間14分18秒である。これだけで2分半ほどの差が出てしまう。

そのため、この予想はあくまでも「チームとしての力」を見るためのものだと思っていただきたい。個人の力を反映させたものは、区間エントリーが発表された後、各選手の想定区間記録をもとに「レースシミュレーション」という形で発信できれば・・・と思っている。

それでは前置きはここまでにして、早速予想の結果を見ていく。

予想結果

各チームの想定区間記録上位10人の平均を算出し、比較した表が以下のものになります。小さいですので、拡大しながらご覧ください!

表を見ていただくと分かる通り、総合1位は東海大学だった。エントリーメンバー上位10人の1万mの平均が28分43秒、ハーフは1時間2分47秒と、これはいずれも出場校中トップ。各選手が実力通りの走りが出来れば、優勝は手の届くところにあるということが証明された。しっかり調整ができるかどうか、山(特に上り)でどこまで青山学院に離されないか(差を縮められないか)がポイントになりそうだ。

2位は駒澤大学。駒澤大学も、エントリーメンバー上位10人の平均タイムが1万mは28分57秒で出場校中4位(1位東海大学、2位青山学院大学、3位明治大学)と高く、ハーフに至っては東海大学と同タイムで1位。ロードに強いことが分かる。このチームは全員が高いレベルで走れるが、山や2区で爆発力を持った選手は居ない。じわじわと貯金を作り、他チームの爆発力をかわして逃げていく駅伝が出来れば、優勝の可能性もありそうだ。

3位に青山学院大学が入った。言わずと知れた優勝候補の筆頭だが、この予想では3位となった。しかしながら、このチームの調整力や安定感は本当に素晴らしく、全員が高いレベルで走れるので、やはり優勝に一番近いと言っていいのではないだろうか。また、この予想では、5区を予定している竹石と、6区を予想している小野田のタイムがあまり反映されていない(青山学院の5区想定平均は1時間13分00秒、竹石の5区想定タイムは1時間11分54秒。6区は58分38秒、小野田の6区想定タイムは58分3秒。2人で1分41秒詰める計算)。そのあたりは、後日のシミュレーションで詳しく見ていきたい。

4位に入ったのは帝京大学。伝統的にロードに強い学校だが、今年は特にハーフマラソンで強さを見せている。エントリーメンバーの16人のうち、一番ハーフのタイムが遅いのが小野寺で、そのタイムは1時間4分31秒。これは決して遅いタイムではなく、誰が走ってもレースを作れるだけの力を持っていることが分かる。ちなみに小野寺は5区を走ることが有力視されている。小野寺の走り次第では往路3位以内でのフィニッシュというのも現実的になってきそうだ。復路でも走力は落ちなさそうなので、総合3位というのも目指せる順位だと思う。今年の帝京大学はそれだけの力を持っているのではないだろうか。

5位は東洋大学。エース格の選手(山本、相澤、西山、𠮷川)の力で言えば出場校中トップクラスだと思うが、中間層の薄さが5位予想の要因となった。今年は攻めの駅伝を展開して往路を制したが、その再現はなるか。出雲・全日本で思うような結果を出せなかった西山の復活に期待したい。エース格の選手が逃げる展開を作れると、他校の焦りを生んで思い通りのレースを展開できそう。2009年以降、箱根駅伝でトップ3を逃したことがない(3位も一度だけ)安定感を見せてほしい。

優勝争いに絡んできそうなのはこの5校か。このあと6位には2年ぶりに箱根路に帰って来た明治大学、7位には学生最強ランナー塩尻和也擁する順天堂大学が続いた。

また、8位の城西大学から14位の中央学院大学までのタイム差がわずかに1分25秒であることからも分かる通り、例年以上に中間層に力の差がなく、シード争いも混沌としそうだ。9位は留学生主将ワークナー・デレセ・タソが引っ張る拓殖大学、10位は今年ここまで駅伝で苦しんでいる早稲田大学が入った。早稲田の躍進には1年生の活躍が欠かせない。カギを握るのはやはりスーパールーキー中谷か。

11位は國學院大學。昨年は1区で浦野が好走を見せたが、土方らも力をつけてきている。初の一桁順位は手の届くところまで来ている。12位は中央大学。中山の成長が著しい上に、今年の経験者が山を含めて8人残っているのはかなりプラスになりそうだ。シード権復帰なるか。13位は日本体育大学。パワハラ問題でチームが揺れ、出雲・全日本と結果を残せていないが、距離が延びるほど力を出せるチームだけに、なんとかシード権を死守したい。

15位に神奈川大学、16位には国士舘大学、17位には大東文化大学、18位には東京国際大学、19位には山梨学院大学が入った。19位の山梨学院大学と10位の早稲田大学との差は2分54秒と大きく水を開けられているわけではないので、シード争いに食い込む可能性はある。

法政大学は20位となっているが、5区に青木が控えているのはチームにとって非常に大きい。青木に過度なプレッシャーを与えるのは良くないが、青木の存在は1~4区の選手に必ずいい影響を与えるはず。何とか粘って、前が見える状態で青木に襷をつなぎたい。山下りのスペシャリスト佐藤がどの区間にエントリーされるかも、法政の浮沈のカギを握りそうだ。

21位の日本大学と22位の上武大学は苦しい戦いを強いられそうだ。粘りの駅伝を展開したい。関東学生連合は20位相当だが、「タツヤを漢に」を合言葉に士気が高まってきている。

まとめ

上でも書いた通り、これはあくまでも「チームとしての力」を測るための予想なので、参考程度に見ていただけると幸いです。また、駅伝は「流れ」が本当に大事です。自分の持っている力の120%を出せる選手もいれば、60%しか出せない選手もいます。持ちタイムだけで順位が決まるわけではありません。だからこそ、駅伝って面白いですよね。

さて、所々で予告した通り、区間エントリーが発表されたら「レースシミュレーション」を行いたいと思います。当日までにまたみなさんに発信できればと思っているので、こうご期待ください!

それでは失礼します。

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