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H30/10/8「京都外大西-龍谷大平安」試合レポート

どうもこんばんは遊撃です!

今日は午前中、近畿大会への最後の切符を懸けた京都府大会の3位決定戦を見に行ってました。

ノーゲームを含め2日間に渡る戦いの末、福知山成美に敗れた京都外大西と、京都国際に競り負けた龍谷大平安の一戦。確かに両校に力の差はあったが、序盤にあった1つのプレーが、早い段階でのコールドに繋がった。

平成30年度秋季高校野球京都府大会
3位決定戦(わかさスタジアム京都)
京都外大西2-14龍谷大平安(5回コールド)

龍谷大平安 313 43 計14 H16 E1
京都外大西 101 00 計2 H4 E1

龍谷大平安スタメン
1中 中島⑧△
2二 北村④
3捕 多田②
4右 水谷⑨
5三 奥村⑯
6一 三尾③△
7遊 羽切⑥
8左 半保⑦
9投 橋本⑰

京都外大西スタメン
1中 山﨑⑧△
2左 加藤⑰
3二 吉田④△
5三 山下⑤
6捕 藤井②
7右 井口⑨
8遊 中村⑮
9投 上羽⑩△

(○数字は背番号、△は左打者)
龍谷大平安の先発は⑰橋本。右のオーバースローで、小さなテイクバックから投げるストレートは結構走っているように見えた。球速は130キロ台中盤ぐらいか。ただ、球は軽そうな印象。変化球はカーブとスライダーは確認できた。個人的な印象としては、2016年の秋季大会で見たときの小寺(当時1年、現3年)に近いなと感じた。ただ、選手としてのスケールは小寺の方が上。
京都外大西の先発は今日も⑩上羽。寸評は前回の記事を見ていただきたいが、今日は落ちるボールを投げていたのが確認できた。それがフォークなのか、チェンジアップなのかまでは判別できなかったが…。連投の疲れからか、ストレートの走りは昨日の方が良かったように思えた。

【試合の振り返り】
試合は初回から動く。1回表、平安は1死から2番北村、3番多田が連続安打。4番水谷は死球で1死満塁のチャンスを作った。

この直後に冒頭で述べた「早い段階でのコールドに繋がった」場面が訪れる。

5番奥村の打球はピッチャーの右へ飛び、⑩上羽が捕球した。いわゆる「ゲッツーコース」。しかし⑩上羽は、一瞬どこに投げるのか躊躇したように見えた。また、打球が速かったこともあり、少しバランスを崩す。その結果、捕球から送球まで少し時間がかかり、結局ホームでのアウトしか取ることが出来なかった。

直後、6番の三尾に走者一掃となるライトフェンス直撃の適時三塁打を浴び3失点。さっきの場面でしっかりと併殺が取れていれば、防げた3点だった。

上羽のフィールディングについては、ノーゲームになった試合、そして昨日の試合とずっと指摘し続けてきた(記事参照→「福知山成美-京都外大西試合レポート」「ノーゲームの記事」)。
結局3日間通して修正はできず、勝敗を分けることにも繋がった。良いストレートを持っているだけに、ここはしっかりと冬場に鍛えて欲しい。

その裏京都外大西は、2死から3番吉田の左前安打、ボークの後、4番山下の三塁線を破る二塁打で1点を返す。

2回表、平安は2番北村のしぶとく右前に落ちる安打で追加点を挙げる。なおも1死満塁のチャンスで打席には4番の水谷。しかし、打球はセカンドの正面に転がり併殺打に。追加点のチャンスは生かせなかった。

水谷に関しては、立命館宇治との試合から指摘し続けている課題が一向に改善されない。近畿大会に行って、さらにレベルの高い投手との戦いとなると、今の状態だと全部差し込まれる。しっかりとトップを作り、そこからバットを出して欲しいのだが、いかんせんトップを作るのが遅いし、トップが動く。だからタイミングは遅れるし、合ったとしてもミートポイントがズレやすいため、ゴロになったり、高いフライになったりで、良い角度の打球は出にくい。打てるのは緩いボールだけだ。
守備に関しても肩は強いのだが、一歩目のスタートが悪い。こればかりはすぐには改善できないので、冬場に沢山ノックを受けて感覚をつかんで欲しい。

3回表は、1死2塁から6番の三尾が左前安打を放つ。レフトは浅く、打球が速かったため、2塁走者は止まるかな…と思ったが、3塁ランナーコーチの下野(かばた⑭)は思いきって回した。実はレフトの加藤は、ノックのときから送球が今一つだった。恐らくそれをしっかりと見ていたのだろう。案の定送球は逸れて、走者は生還。ランナーコーチのファインプレーだった。

平安の下野は試合前ノックでも存在感を見せていた。レギュラー陣がポロポロする中、ノーミス。基本に忠実な守備は本当に見ていて唸る。セカンドには北村がおり、試合に出る機会はないかもしれないが、近畿大会では試合前ノックでの彼の守備にも注目して欲しい。

三尾のタイムリーのあと、京都外大西は⑩上羽から⑪原にスイッチ。

平安は替わった⑪原から、8番半保と1番中島がタイムリーを放ち更に2点を追加。この回3点を奪い7-1とした。

その裏、2番の加藤が左前安打を放つ。2盗と3番吉田の四球で無死1,2塁とし、4番の山下を迎える。このとき2走の加藤が3盗し、無死1,3塁。山下は二ゴロ併殺に倒れるも、その間に加藤が生還し1点を返す。その後、ショートは羽切の失策などで2死1,3塁としたところで、平安は⑰橋本から⑩豊田にスイッチ。後続は抑えた。

4回表、3番多田の中前安打と4番水谷の死球で無死1,2塁としたところで、京都外大西は⑪原から⑱東原にスイッチ。続く5番奥村のバントを⑱東原が一塁へ悪送球(記録は内野安打と悪送球)し、8点目が入る。6番三尾に四球を出したところで⑱東原から①田辺に交替。

①田辺は平安の流れを止められず、7番羽切は中前2点適時打、8番半保の内野ゴロの間にも3走が生還し、この回4点を追加。この時点で11-2とした。

尚も2死1,2塁で2番の北村は中前安打。センターは浅く、2走は投手の豊田だった。3塁ランナーコーチは回した。が、本塁は楽々アウト。これには平安の原田監督もかなり怒っていた。

3塁ランナーコーチの下野は、3回は好判断だったが、これは勇み足。続く打者が力のある3番の多田であったことからも、無理をする場面ではなかった。この試合は点差が付いていたため、このプレーは試合には大きく影響しなかったが、これが1点を争う場面で出ていたらどうなったか。原田監督もその思いから声を荒げたのだろう。冷静な判断を心がけて欲しい。

5回も、平安は1死満塁から7番羽切の左越3点適時二塁打で追加点を挙げ14-2に。羽切はこの試合5打点と大活躍だった。

平安の2番手⑩豊田は結局一本もヒットを許さなかった。試合終了。

試合終了
京都外大西2-14龍谷大平安(5回コールド)

投打に差を見せ付けた龍谷大平安が、近畿大会の最後の切符を手にした。

【投手成績】(△は左腕)
○龍谷大平安
・橋本 投球回2と2/3 球数67 被安打4
与四球3 与死球0 奪三振1 失点2 自責点2
・△豊田 投球回2と1/3 球数32 被安打0
与四球1 与死球1 奪三振1 失点0 自責点0

○京都外大西
・上羽 投球回2と0/3 球数60 被安打6
与四球3 与死球1 奪三振1 失点6 自責点6
・原 投球回1 球数29 被安打3
与四球0 与死球1 奪三振1 失点3 自責点3
・△東原 投球回0/3 球数8 被安打1
与四球1 与死球0 奪三振0 失点2 自責点2
・田辺 投球回2 球数33 被安打6
与四球1 与死球0 奪三振1 失点3 自責点3

【雑感&まとめ】
今回の雑感の多くは試合の振り返りと一緒に載せているので、そちらをご覧下さい。

その上で1点だけ。
平安の守備時の「2塁走者のケア」が気になった。今日は序盤から点差が開いていたため、平安の二遊間は2塁走者をノーマークにすることが多かった。これは打者に集中するという意思表示がしっかり出来ており、悪くはないと思うのだが、流石にノーマークはマズイのではと思う。これが7点差の9回とかであれば、この回に1点取られようが、3アウトを取れば試合は終わる。ただ、序盤であれば、ノーマークにすることで簡単に与えた1点が、後々大きく響いたり…なんていうことも有りうるかもしれない。そういうことを考えると、やはりノーマークは怖い。

平安の1番中島、2番北村、3番多田の上位打線はかなり強力だと思う。今日も3人とも3安打。だからこそ4番が重要になるが、今の状態の水谷ではキツイ。強く振れている6番の三尾と入れ換えるのもありだと思う。

投手陣は、近畿大会では⑩豊田が軸になりそう。ただそこまでストロングポイントが見えづらい投手なので、①野澤や今日先発した⑰橋本らの奮起も欠かせない。橋本はもう少し自信をつければ良い投球を見せそうな気もする。

京都外大西はノーゲームになった試合も7回途中まで戦っており、実質三連戦となった。そのため投手陣を中心に疲れが見えた部分はあった。ただ、近畿大会に行くにはまだまだ力が足りないということを、選手たちは分かったはず。3番の吉田ら良い選手も居り、ポテンシャルは高いからこそ、この冬にしっかりと鍛えて欲しい。打撃も守備も。

この結果、京都から近畿大会へ出場するのは「①福知山成美②京都国際③龍谷大平安」の3校となった。他県の状況を見ている限り、現状の力では3校ともに、どこと対戦するにしても苦しい戦いを強いられることになるだろう。

だからこそ、もちろん選抜というところは目標にして欲しいが、仮に負けたとしても、高いレベルの相手と戦えたことを糧に、冬以降の成長に繋げて欲しい。まだまだ道の途中。

P.S.今日のスコアを添付しておきます

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