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Earl Klugh & Bob James「Cool」(1992)

週初め、爽やかなアールとクールなボブのコラボをどうぞ

久しぶりのフュージョン記事です。実は私、かなりフュージョンが大好きで、とくにアール・クルーが大好きなんです。ガット・ギターで爪弾くアールのメロディは常に私を癒してくれます。
入浴中にも音楽が欠かせない私ですが、アール・クルーの音楽はその時の定番ですね。

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これは名手ボブ・ジェームスとのコラボで、彼とのコラボでは3作目にあたる作品です。個人的にはボブ・ジェームスのクールなピアノは時折無機質に聴こえ、それほど好みではありません。ところがそのボブと暖かみのあるアール・クルーのコラボは、意外にも聴きやすく、また2人の息もぴったりな演奏が楽しめます。

本作はアール・クルーが4曲、ボブ・ジェームスが5曲、2人の共作が1曲、外部の曲が2曲の合計12曲が珠玉の名演が収録されてます。

私はやっぱりアール・クルーの作品が好きですかね~。
①「Movin' On」はミディアムテンポのアールらしい楽曲。まぶしい日差しが差し込む午前中に聴いていたい曲。こうした楽曲でもクールなタッチのキーボードはボブとすぐ分かりますね。
タイトなドラムはハーヴィー・メイソン。全曲ハーヴィーが叩いておりますが、このアルバムが甘くなり過ぎないのは、ハーヴィーのドラムに寄るところが大きいと感じてます。

2人の共作は③「So Much In Common」。メロディをアールが弾くと、まるで彼のオリジナルのように聴こえます。ギターソロも爽やかですね~。
ソロデビュー以前はエレキギターも弾いていた彼ですが、ソロ以降は一貫してガット・ギターで通しています。そのガット・ギター、アコースティックな感じが聴く人を常にホッとさせてくれますね。ここでも癒されます。

所謂スムースジャズ的な⑥「Secret Wishes」。キーボードがソロを取ると完全にボブの世界。ところがアールがソロを取ると、今度はアールの世界。ムーディーで落ち着いた曲ですが、2人の対比が面白いですね。

出たっ! アール・クルーお得意のサンバ、⑦「New York Samba」。
こうしたサンバリズムに乗るアールのギターは最高に心地いいです。ボブのキーボードもいいですね。本作中一番好きな曲です。

珍しく4ビートジャズが炸裂する⑩「Terpsichore」。ここではベースがロン・カーターです。ロンの4ビートを刻むウッドベースが最高です。

2人のコラボの映像を捜したのですが、見当たりませんでした。その代わり大御所チェット・アトキンスとのコラボ映像がありました(本作とは関係ありませんが)。チェットはチェット・アトキンス奏法と呼ばれるギター奏法を編み出した人物で、エルビス・プレスリーのプロデューサーとしても有名です。残念ながら2001年に77歳で亡くなりますが、ギター界では大変偉大な人物です。
その彼とアールは、1978年発表のアルバム「Magic In Your Eyes」に収録されている「Good Time Charlie Got the Blues」という曲で共演してます。ちなみにこの曲、1972年のDanny O'Keefeの唯一のヒット曲で、エルビス・プレスリーやレオン・ラッセルがカバーしているカントリーの名曲です。
味わい深い名曲です。こんな渋い曲をカバーするアールもセンスがありますね。
それにしてもこの映像、2人が楽しそうですね。アール・クルーの世界を堪能してください。


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