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John Legend「Get Lifted」(2004)

アメリカでは2004年、日本では2005年に発売された本作。ジョン・レジェンドのデビュー作です。当時⑧「Ordinary People」がヒットしていたような記憶があります。後追いでこの曲を聴き、昔のスティーヴィー・ワンダーの作品ではないかと一瞬疑ってしまうくらい声が似ており、以前から気になっていたアーチストでした。

私はヒップホップ系は全くの門外漢で、彼の存在は知らなかったのですが、以前からプレイヤーとしては著名な存在だったようです。
音楽プロデューサー/ラッパーのカニエ・ウェストの片腕として活躍。満を持してカニエの主催するレーベルからの待望のデビューとなったもの。
また驚きなのはジョンの経歴。学生時代から勤勉で、ペンシルベニア大学へ進学。大学卒業後に就職したのが、なんとボストン・コンサルティング・グループ。そのボスコンをあっさりと退社して、音楽活動を開始したのですから、スゴイ自信というか・・・。

アコースティックな「Ordinary People」しか知らなかった私にとって、ピアノをバックとした①「Prelude」はともかく、ヒットした②「Let's Get Lifted」には驚きでした。
もちろんカニエとの親交なども知る由もなく、このヒップホップ的な香り漂う楽曲に戸惑ってしまいました。ポップス好きな私はヒップホップなど好きなわけがなく、当然このジョン・レジェンドもそういった情報が先行していれば聴いていなかったのですが、でもこのサウンド、よく聴くとどこか70年代ソウル感も漂い、決してヒップホップが全面に出ている訳でもないんですね。新しいソウル感覚なのかもしれません。

⑤「She Don't Have to Know」のイントロのギターには、スライ・ストーンっぽい70年代ソウルフレイヴァーを感じますね。ちょっとメロウだけど、微かにヒップホップ感覚もあったりして。ドラムはボッサのリズムだし、ジョン流のソウル・ボッサかも。

⑥「Number One」は私の好みです。
バックのオーケストラシンセはフィリーソウルですね。ただループ音もなっており、これまた斬新なサウンドです。作曲者にCurtis Mayfieldの名前が見られますが、カーティスの曲をアレンジしたものなのでしょうか? どなたかご存知な方がいらっしゃればご教示頂ければ幸いです。
アップしたRoyal Albert Hallでのライブ映像、ピアノマンのジョン、かっこいいですね。途中でカニエが登場します。ラップとフィリーの融合。やっぱり面白い。

美しい⑧「Ordinary People」は前述の通り。シンプルな楽曲だけに、ジョンのライティングセンスがよく分かります。

⑪「So High」のジョンのピアノもリリカルでいい。
ヒップホップ系のジョンもいいのですが、やっぱり私はこうしたゴスペル感覚たっぷりの美しいジョンが好きですね。この曲、ライター陣にLeon Wareが名を連ねてます。

この鮮烈なデビューから、以降ジョンは数枚のアルバムを発表してます。久しぶりに他のアルバムもチェックしてみようかな。


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