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The Brian Setzer Orchestra「The Dirty Boogie」(1998)

今日も暑くなりそうですね。そんな暑さを吹き飛ばすようなロカビリーは如何でしょうか。本日はブライアン・セッツァー・オーケストラをご紹介致します。
そもそもブライアン・セッツァーって誰??って方も多いでしょう。ブライアンはエイティーズファンには御馴染みのストレイ・キャッツリーダーで、ネオロカビリー・ブームの火付け役となったキーマンです。

そのブライアン、1992年からはオーケストラを従えて頑張っております。ブライアンの音楽を初めて聞く方は、そのゴキゲンな内容にびっくりすると思います。恐らくこのnoteをご覧になって頂いている方々で、このアルバムの内容をご存知の方は、そう多くはないだろうと推測されますが、実に心がウキウキしてくるような作品ですので、おススメです。

ブライアン・セッツァー・オーケストラ(以下BSO)はブライアンがホーンセクションとのジャムセッションをべースに発展したもので、結成は1992年。当初はジャズを主体とした音楽で、デビュー、セカンドアルバムにおいては商業的な成功は納めることが出来ませんでした。
そしてこの3作目で見事にブライアンのやりたかったスウィングロックが結実。なんとグラミー賞まで受賞するに至ります。私は1,2作目は未聴ですが、確かにこの3作目、一回聴いただけで、そのほとばしるような熱気に圧倒されてしまいます。まさにスウィングロックですね~。

強烈にスィングする①「This Cat's On A Hot Tin Roof」からブライアンのオリジナルです。
このテの音楽は古臭くてどうかな~と思っていたのですが、エディ・コクランを尊敬していたブライアンらしいロックンロール風味が、また妙にスウィングとマッチしていていいんですよね~。アップした映像はちょっと太ったブライアンですが、彼のヴォーカル、そしてギターがこんなにも格好良かったとは、今更ながら新鮮な驚きでした。

そしてもっと驚いたのは、あのラリー・カールトンの名演でも有名な「Sleepwalk」が収録されていたことです。恥ずかし乍ら、「Sleepwalk」はラリーのオリジナルと思っていました。確か邦題は「夢飛行」だったような・・・
この⑤「Sleepwalk」の原曲は1959年にSanto & Johnnyがヒットさせたギターインストで、ラリーのオリジナルではないし、原曲はロッカバラード的な楽曲なので、むしろロカビリー好きなブライアンがコピーすることは全く違和感はないんですね。
それにしてもBSOの演奏もスウィートですね。見事なロッカバラードです。
アップした映像はブライアンのギタープレイが堪能出来ます。彼のギターテクは相当なものですね。前半1分30秒くらいはブライアンのカントリーギターソロですが、スゴイピッキングプレイです。そして「Sleepwalk」での甘~いギタートーン。このプレイだけでも大満足です。

強烈なジャイヴチューンの⑥「Jump Jive An' Wail」は1956年にLouis Primaがヒットさせた名曲のカバー。この曲はシングルカットされ、1999年の第41回グラミー賞の最優秀ポップ・グループの受賞曲に選ばれました。BSOが幸運の女神を掴まえるキッカケとなった曲かもしれません。

そして⑤「Sleepwalk」と同様に注目すべきは⑧「Rock This Town」ですね。ご存知ストレイ・キャッツの大ヒット曲のセルフカバー。途中に迫力あるドラムソロが収録されてますが、このBSOのドラマーはなかなか迫力があります。Bernie Dreselなる人物ですが、ブライアン・ウィルソンやリンゴ・スターとも共演しているようで、キャリアは相当な方のようですね。彼のドラムが軽快に曲をグイグイと引っ張っていきます。そして華麗なブライアンのギター。最高です・・・。
アップした映像、これはなかなかスゴイですよ。出だしはストレイキャッツスタイルの3人で演奏するスタイルで、ドラムもスタンディングスタイルです。ブライアンのギターソロは圧巻。弦をゆるめて、あのロカビリーの名曲のリフを弾いてますね。
そしてフルオーケストラに・・・。このノリについて来れなければ、BSOの音楽とは相性が合わないということになります。このライヴのドラムソロはどうなるのかあと心配していたら、おおーっ、なんとスタンディングドラムでのドラムソロ!!! これはなかなか見ものです。

ドラムが荒れ狂っている⑩「Switch Blade 327」。ドラムはツーバスを使っているのでしょうか? こうした楽曲をスウィンギーにやると実にカッコいいものです。

他にも素晴らしい楽曲が収録されてる「The Dirty Boogie」、実にいいです。またジャケもまたイカしてますよね。BSOは2000年に「Vavoom!」を、2009年に「SONGS FROM LONELY AVENUE」が発表されました。これもチェックしなくては・・・。

ちなみにブライアンはギターの名手としても有名。なんとエディ・ヴァン・ヘイレンやBBキング等々との共演映像もありました。


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