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The Doors「The Doors」(1967)

衝撃のドアーズ・デビューアルバム!

60年代後半に流行ったサイケデリック・ロック。その代表格がザ・ドアーズでしょう。ヴォーカルのジム・モリソンのカリスマ性、3人のミュージシャンの卓越した演奏力。その不思議なサウンドの魅力は、50年以上経った今でも色褪せません。
そのドアーズの記念すべきデビューアルバムが本作。

ドアーズというと「Light My Fire」があまりにも有名ですが、個人的にはこのデビューアルバムの1発目!①「Break on Through (To the Other Side)」が大好きだし、ホントかっこいい。

 Break on through to the other side 

このジム・モリスンの叫びを聴くと、震えが来ます。
しかもドアーズが只者でないのは、ドラムのロビー・クリーガー、ギターのジョン・デンズモア、キーボードのレイ・マンザレクが相応のテクニシャンであるということです。
ここではラテン系ドラミングが、一風変わった音に聴こえますし、ギターの歪み具合もいい。そしてドアーズサウンドの要、レイのキーボードもかっこいい。
デビューアルバム、しかもその1曲目にしてドアーズは頂点を極めた感があります。

そして不朽の名作⑥「Light My Fire」。7分8秒の大作ですが、その長さを感じさせない素晴らしい名曲。
スネア1発叩きからのイントロを聴いただけで、これぞドアーズサウンドっていう感じです。レイのキーボード・ソロ、そしておどろおどろしいギターソロ。最初聴いたときは衝撃的でしたね。今まで聴いたことのない音楽だったので・・・。
これを最初に聴いたポール・ロスチャイルド(プロデューサー)も衝撃を受けたんでしょうね。ジムは最初、音楽的教育を受けたことがなく、ヴォーカルさえも嫌がったらしいですが、実に個性的なヴォーカルです。また当時はサイケなんかがブームで、オカルト的に長々とインプロビゼーションをやるのが流行っていたと思われますが、この「Light My Fire」には全く無駄がないんですよね。あとこのスタジオ録音のベースはキーボードで著名なラリー・ネクテルとのこと。レイの弾くシンセ・ベースしか聞こえないのですが、どうもラリーのベースも収録されているようです。

本作中、一番ポップなのが⑧「I Looked at You」でしょうか?だってこのランニングベース・プレイ、これこそ当時流行っていたベースラインですね。

一番サイケチックな曲が⑨「End of the Night」でしょうか?
怪しげに始まるこの曲、ジムの作詞能力が堪能できる1曲ですね。

そして一番ドアーズらしさが出ている⑪「The End」。演奏時間11分41秒!アップしたライブ映像も長い!
アラビアンチックなイントロからこの曲の持つ不思議な魅力に引き込まれてしまいます。映画「地獄の黙示録」にも使われた名曲。
しかしアメリカン・ポップスを純粋に愛する私としては、この曲や⑨はどうしても受け入れ難いのです。もちろん芸術性の高さ、というか知的レベルの高い音楽というのは分かるのですが、なかなか単純に曲に感動するというところまでは・・・。

不思議な魅力を放ったドアーズ。このバンドを知った当初は、この怪しげな魅力が理解出来なかったのに、歳を取るにつれて、このバンドの魅力に取りつかれて行っているような気がします。

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