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Free「Free Live!」(1971)

ここ数週間はフリーをよく聴いてます。昔、このライヴ盤を聴いたとき、ものすごい物足りなさを感じたものです。当時はディープパープルやZEPを好んで聴いていたので、この音のスカスカな音楽に肩透かしを食らった感じでした。
でも最近、改めてフリーを聴き、この音の空間に非常に緊張感を感じるようになったんです。ジャズのリリシズム、緊張感にも似ているような気がします。
ハードロックはヴォーカルとギターに興味が行きがちですが、ここではベースやドラムもしっかり自己主張しており、4人がとても生き生きとしているんですね。

この「Free Live!」は彼等の解散追悼盤として、1971年6月に発表されてます。4枚目のアルバム「Highway」まで、彼等は休みなく疾走し、特にギターのポール・コゾフはドラッグに溺れていくようになります。
1971年4月の初来日公演も大成功だったのですが、メンバー間の不協和音もあり解散の道を選びます(ただし直ぐに再結成するのですが)。
本作はそういった中で発表されたライヴ盤です。

私は所有しているアルバムは全8曲のオリジナル盤。しかもライヴ7曲に、なぜかスタジオ収録曲が1曲追加されております。

 1. All right Now
 2. I'm A Mover
 3. Be My Friend
 4. Fire and Water
 5. Ride A Pony
 6. Mr Big
 7. The Hunter
 8. Get Where I Belong

とにかくこのライヴ盤、音は荒削りです。なんせ超有名曲の①「All right Now」、イントロから肝心のポール・コゾフのギターリフが、コードの断線によるものなのか、音が途切れてしまってます。にもかかわらずシャウトしまくるポール・ロジャース。かっこいいです。
淡々とヘビーに叩くサイモン・カークのドラムも、昔はテクのないドラマーだと思っていたのですが、最近ではやっぱりグルーヴ感をうまく表す素晴らしいドラマーだと感心しております。
このライヴ盤に近い映像がありましたので、アップしておきます。

このライヴ盤での白眉はやっぱり⑥「Mr.Big」でしょうか。あのMr.Bigのグループ名の由来となった楽曲ですね。とてもブルージーにタメにタメまくるグルーヴィーな1曲。
特にアンディ・フレーザーのベースが素晴らしい。ポール・コゾフの素晴らしいギターソロに呼応するように、実に創造的なプレイを披露します。ちなみにこのとき彼は若干18歳!
ライヴ音源とは違いますが、これまた素晴らしい、ロックファン必見の映像をアップしておきます。この楽曲に何らかの反応をしない方はもはやロックファンとは呼べないかも??

フリー、最高ですね。本作ではシブいフリーなんかも味があります。
②「I’m A Mover」はデビューアルバムからの1曲。ブルージーなフリー…、ポール・ロジャースのヴォーカルがあまりにも素晴らしい。ポール・コゾフのギターも泣いてます。

私の好きな⑤「Ride On Pony」。4枚目「Highway」からの選曲。
リズミカルなギターに、これもポール節が堪能できる1曲。

ちなみに唯一のスタジオ録音の⑧「Get Where I Belong」は、バンドが崩壊に向かっているときに発表されたシングル「My Brother Jake」録音時に収録されたもの。そして「My Brother Jake」、フリーにしてはかなりポップなチューン。そして私のお気に入りでもあります。シブさはないのですが、70年代ポップスとしては実にいい味出してます。


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