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一般人アートバーゼルへ行く■初日チューリッヒ空港とチューリッヒ

まず日本からスイスに行くとなると、チューリッヒ空港が第一の選択肢となる。直行便も出ているのでとてもありがたい。

今回は、スイスで行われる世界的アートフェアのアートバーゼルに行くのがメインになるので、チューリッヒ空港からチューリッヒ中央駅へ行き、そこからバーゼルまで電車移動ということになった。

スイスエアーは、特に何も言わずにスーッと離陸した。
普通クルーが緊急脱出時のデモンストレーションをしたりしてから出るのに、そういうのナシ。「紙置いてあるから、読んどいてね」スタイル。

飛行機に乗る前から私のパニック発作がひどくなり、あきらかに挙動のおかしい感じで震えているし様子がおかしかった。
薬もいつもは2㎎のところ、医者が非常時を想定して3㎎を出してくれていたのに、いつもの2㎎を飲んでしまった。
搭乗時に日本語がわかるクルーを見つけて「パニック発作があるので、もしお呼びする時は日本語がわかる方に来ていただけると助かります」と先に泣きついておく。
クルーの人は「あら、震えてらっしゃる。わかりました」と座席番号をメモ。
そしてそこから地獄の14時間フライトです。
薬は2㎎では足りなくてフライト後半でもう一回2㎎。

パニックのあまり突然メモを書き始める
映画も見る気力がなかったけどリバーシをやった。毎回めちゃくちゃ勝たせてくれた。

チューリッヒ空港で案内人と待ち合わせなので、なんとか空港は突破して出口まで行かないといけない。
入国前にいつも飛行機内で紙を配られてなんか書いたりするけど、紙は配られない。特にそういうものは書かないらしい。
出口に向かう前に電車(モノレール)に乗る。
チューリッヒ空港、なんか今まで経験したアジアの空港と段取りが違う!

とにかく飛行機から降りて「バゲージ・クレーム(Baggage Claim)」という表記に向かって進むんだけど、段取りが全然わからないし、アナウンスもゼロだし、Wi-Fiがつながったので空港で待っている案内人に「これであってる??ほんとに??」と聞くしかない。
入国審査は、まずヨーロッパのパスポート持ってるレーンとそれ以外のレーンに分かれていて、バゲージクレーム、バゲージクレームと表記をたどっていた私はうっかりヨーロッパの列に向かってしまい、「そっちじゃなくてあっち」と戻される。
空港内ではパスポートの表紙を見えるように持っているのが安心だ!
その方が空港の職員さんの仕事がしやすくなる。

入国審査もあっさりしたもので、パスポートみせて「イエス!サイトシーイング!」。あと「ハウロング」って滞在期間を聞かれるので、ファイブデイズとかシックスデイズとか言う。
日本便が到着したタイミングだから、カウンターの人もたまに日本語であいさつ混ぜたりして和やかなものです。お気遣い感謝します。
私は相変わらず真っ青。

あれこれあっさりと手続きが終わり、とはいえまだ荷物を受け取ってないのでソワソワしながらバゲージ・クレームに向かう。その距離!
ベルトコンベヤーが見えてきて少し安心したら、私の目の前に私のスーツケースが!!1秒も待つことなく、ゲット。

機内で使ったかさばる荷物(クビに巻くやつとか、ダウンとか、機内用サンダルとか、重たいバッテリーやタブレットなど)をスーツケースに詰め替えて、着圧ソックスをひっぺがし、なんとかかんとか出口へアライバル。

時間は夜19時を回っているのに、夕方くらいの明るさ。
チューリッヒ空港からチューリッヒ市内の中央駅まで電車で9分くらい。
駅のホームは閉鎖的な感じがなく、壁にビビッドな色で絵があってかわいかった。たぶん毎日見ている人には普通なんだろうけど。
スイスの鉄道には改札というものが存在しない。チケットを買って乗る。たまにチケットチェックの人たちが回ってきて、そこで切符がないと罰金というスタイルらしい。

すぐにチューリッヒ中央駅に着いたのだけど、車窓から見えるのは近代的なガラス張りのビルばかりで「えっ、ここ浜松町か田町??」ってなった。うそでしょ、14時間真っ青になって飛行機に乗ってきてそれはない。
「その発想はなかった」
「いや、浜松町とかオフィスビル街にそっくりです」
あとで見たらそこ一部分だけが浜松町だったようです。

駅すぐのホテルが取れていたので、チェックインなどをフォローしてもらいつつ、朦朧としながらホテルに行き、荷物を置いた。
14時間も狭い椅子に閉じ込められていたので、少し歩きたいと思って、着替えてチューリッヒの夜を散策することに。

「スイスの交通ルールは、信号のないところでも渡ります」
「えっ」
「トラムの前も横切ります」
「えっ」

外国に行って最初に困るのが、トイレのルール(どこを押して水を流すのか、トイレットペーパーは流すタイプかゴミ箱に捨てるタイプか)と、交通ルールだ。
トイレは比較的わかりやすく、交通ルールも都市部はスピードを出して走っている自動車は少ないので比較的緩やか。
ただ、昼間になって気づいたけど、自転車はばんばん行くので、自動車より自転車のほうが気を付けた方がいい感じだった。
あっちの国の人ってすぐに自転車のレースやるよね。

ホテルは駅の目の前の高級ホテルだけど、ドライヤーは使おうとするとなんかパーツが外れて転がっていった。そういうところは気にしないらしい。

ホテルセントゴッタート。ゴッタルド峠の名前
なんとなく奥ゆかしい内装

スイスはドイツ語とフランス語と英語が通じるらしく、チューリッヒは観光地でもありビジネスハブな街でもあるからさらにいろんな国の言葉か行き交っていた。日本語はない。

日没は夜9時半。
明るいうちに「あの時計はなに!?(聖ピーター教会だった)」「こっちの通りはなんで旗が?」と言いながらウロウロと歩いた。
そしていわゆる観光向けのビストロというかビアホールというかで、スイス料理を食べる。

古い武器庫だった建物らしい。スイスは傭兵の国

スイス料理。
それはジャガイモ。
機内食も、マッシュポテトで作ったラザニアみたいなグラタンみたいなやつにポテトサラダがついてた。
イモ&イモ。そしてチーズ。
芋の調理方法も、油であげて塩。以上。

芋、油、塩。あと肉。
奥はコルドンブルーというチーズカツレツみたいなスイスのフランス風肉料理

そういえば機内食で一番おいしかったのが、軽食に出たロールパンみたいな形の白っぽいパンにハムとチーズがはさんであって、飲み物は水。質素。
でもそれは美味しかった。

「スイスの人って質素だから、金持ってるんだろうね」と案内人が言ってた。

簡素な料理、いろんな味のビール、楽しそうな人たち。

スイスは傭兵の国らしく、今でも形式的にバチカン・スイス傭兵というポジションがあるという

夜の街を歩くと、常にトラムが走り、リマト川には眠りにつく白鳥が浮かび、大聖堂はほんのりと浮かび上がる。
街角からは日本では禁止されている植物の残り香。
平日の夜のせいか、羽目を外して騒いでいる人はあまり見かけなかった。

夏至の頃のヨーロッパは一番いい季節だという。
とにかく爽やかで、明るく、サラッとしている。

過剰に除湿や冷房をつかわなくていいし、私が滞在した約1週間、雨が降る気配はゼロだった。

夜の散歩がとても楽しかったので「ここは(特に女性が)ひとりで歩いても大丈夫な場所か」と聞くと「うーん……ほかのヨーロッパの地域と比べると断然安全だけど、東京よりは危ない」という感じらしい。

街を散策した後、ホテルに戻り、翌朝8時過ぎには荷物を全部持って予約した電車に乗らなくてはいけないので、その日はパッキングし直しとシャワーですぐに眠った。

睡眠薬はいらなかったし、すぐに眠ってしまった気がする。


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つよく生きていきたい。