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推しシェフ語り~#リオレに夢中

私には推しシェフがいる。凡庸な私の人生にそんなことが起きるなんて思いもしなかったけれど、推しシェフの存在は素敵だ。特に私の推しはコロナ禍で様々な料理の作り方を教えてくれた先生でもある。

渋谷のお店の総料理長からフリーのシェフになられて、いろいろ渡り歩かれて、ポップアップレストランで楽しませてくださったり、そうかと思えば渋谷のチーズスタンドにスポッと収まられたかと思いきや、やっぱりポップアップレストランはやってくださる。それが「リオレに夢中」。
虎ノ門ヒルズの虎ノ門横丁での期間限定レストラン#リオレに夢中、2024年初場所で4回目? 5回目?
全場所制覇はしておらず、一昨年の夏と去年の夏に1回ずつ。今回は仕事の都合で絶対に行けないと諦めていたのに、お休みが降ってきたその日に空きが出ているという行幸に恵まれて、推しに会いに行けたのである。違うな、推しの料理する姿をしっかり見つめて、推しが作ってくださった素晴らしいお料理を堪能して、同時に教えて消費レシピやシェフレピで教えてもらったお料理の答え合わせもして……って、前置きが長いわーー! さっさとレポしろ―――!!

その前に、さらに前置きしておきたい。今回のリオレに夢中にどうしても行きたかった理由がもうひとつあって、入場料制度を導入されるとのことだったのでそれを体験してみたかったのだ。
詳しいことは関口シェフのポストに委ねるとして。

体験できてよかった。7000円という入場料は決して安くはないけれど、それが担保になっているから原価のようなお料理やドリンクを余すことなく、心に余裕を持って堪能することができたという印象。でも厨房が見えない構造のレストランだとまた印象が変わるのかな。虎ノ門横丁のようにオープンキッチンというか、カウンターを挟んでシェフと会話しながら進んでいくからこそ感じられるゆとりなのか。
ショミンな私にとってはたまの贅沢価格だけれど、贅沢だけどカジュアル、贅沢だけどお会計に不安がない、背伸びしないでいられる、そんな感覚でした。

と御託を並べるのはこれくらいにして。

入場券がまずかわいい。好き。

前菜は4品。

まず冬野菜のシャカシャカバーニャカウダ

シャカシャカしたら、自分で盛り付け

袋に葉っぱ入れてるからなにかと思ったら! バーニャカウダの素材をパウダー状にしてるからこそのシャカシャカ。バーニャカウダの概念が吹き飛んだ! そして野菜が美味しい。

続いて、鶏肉のインボルティーニ

これ、2021年のおせちの恵方巻であり、後に教えて消費レシピでご指南くださったあれですよね。恵方巻きは作り方をツイートしてくださってたからそれを元に作ったんだった。だからこれは答え合わせでもあった。あたりまえだけど、きれいに巻いてある。きっちきち。素人がやるとこうはならない。お肉だけで食べるとシンプルに美味しい。はるかを載せると爽やかさプラス。お初のタルティーボを載せると異国に行った気がする。おかわりしました。

お次は猪とアマゾンカカオのポルペッティ、放牧卵のオムレツ

ジビエ大好き! ここは昨日までは椎茸のポジションだったそうで、今日からのニューフェイス。というか、関口シェフの卵料理、物凄くレベル高くないですか。去年の夏場所のアスパラガスと卵のもそうだった。いいホテルの朝食で出てくるスクランブルエッグやオムレツはとろとろ過ぎて苦手なんだけど、関口シェフの卵はストライクど真ん中。ドロっとしてないけどふわっとしてて、いい焼き加減。好き。当然のごとくおかわりしました。

前菜4品めは、丹波黒枝豆のフムスと野菜のロースト

フムスが最高。口に含むとお豆とハーブの香りがふわあああっと顔中に漂ってきて、恍惚としてしまう。そんな最高のフムスをローストされた野菜に塗りたくりたいのに、野菜たちがまた! 調味料いらずの力強い選抜メンバーなんですよ。ヤーコンは特筆することない普通の味だなってずっと思ってたけど、ローストするとこんなに個性的なの?! と驚かされたし、芋類大好きマンではないので里芋もさつま芋も普段は食べるし嫌いじゃないけど、まあいっかって感じなのに、なんですか、関口シェフの手にかかったさつま芋の美味しさは。甘くてねっとりとしてて、東京都で焼き芋選手権やったら優勝するレベル。そしてスティック人参。85度くらいで6時間ローストしてるんですって。6時間! 柔らかくて甘くて、子供のおやつにもなりますね。そして忘れちゃいけない、プチヴェール、芽キャベツとケールの子。プチヴェールが焦げ目がつくくらい焼くと美味しいなんて知らなかった。丼山盛りでもイケる気がする美味しさ。苦味と焦げの香りに、葉っぱなのにムチッとした食感もあって無茶苦茶おいしい。最高×最高のお皿だから、当然おかわりしたよ。

あ、待って! 9日の16時回は皆さんおひとりさまだったのだけど、L字型の短い辺=実況席に案内していただいたら、お隣がこたろうファームの中の人で、生産者の方と同じテーブルについて同じものをいただくということになったのも嬉しい出来事だった。ていうか、時折お野菜のお話をしてくださって、すっかりファンになりました。推しシェフのお店に行ったら、推しファーマーと出会いました、的な。近々食べチョクさんで通販させていただきます。

メインのお肉料理は2種類。
仔羊ランプのロースト 飛騨高山ロメスコソース

羊大好きマンなんでいただけて本当に嬉しい。だって今日で最後だって聞いたから。今日まであってくれてありがとう。お肉だけでも美味しいけど、ロメスコソースとペペロナータと一緒にいただくと、これまた美味しさが増す。ペペロナータとロメスコソースは教えて消費レシピの答え合わせでもある。
このロメスコソースは生産者さんからいずれ販売されるそうで、私は迷わず買います。左手にロメスコソースのパッケージ、右手に野菜とか肉とか持ってかぶりつきます。

そして、甲州ワインオーストリッチのカツレツ 林檎モスタルダ

林檎のモスタルダ、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これぞ2020年の冬についったらんどで関口シェフと巡り会った、きっかけのお品。ツイートで作り方指南をされていて、たまたま見かけて興味を持ち、作りながらわからないことを呟いてたら、関口シェフがリプライで指導してくださって――林檎のモスタルダがなかったら、私の人生に推しシェフは生まれなかった。それくらい重要な存在。2年越しで答え合わせができました。今年もまた作ろう。
ダチョウも美味しいねえ。カツレツにすることで最高の状態になるということだけは覚えました。おかわりすべきだった……。

さあ、いよいよ炭水化物。

菜の花とアンチョビの自家製オリキエッテ

一足早い春を堪能。菜の花の苦味とアンチョビの旨味が奏でるハーモニーがいい。オリキエッテも消費レシピの答え合わせ。私いっつも茹ですぎてた気がする……。あの弾力は出せない。器の底に溜まったソースを舐めたかった。

お次は関口シェフの真骨頂、十八番! 特製ボロネーゼ 極太パスタ"ピゴリ"

待ってました! よ、関口屋! などと掛け声投げたいアレです。お肉ゴロゴロは通常運転ながら、野菜多めにブラッシュアップされてた。パスタもモチモチで美味しい。関口シェフには、いろんなパスタを教えてもらってるなあ。ボロネーゼは肉料理です。これもまたお皿を舐めたかったので、ナイフでこそげてはフォークに移してギリギリまで堪能しました。次回からスプーン持参すべきかもしれない。

そして大トリ。天使の海老のトマトクリームリゾット

シェフレピの答え合わせ!! だから今回はこれがわたし的目玉と言える。天使の海老さん、いい仕事するよね。ホントにいい仕事する。お肉も好きだしお魚も好きだし、お肉なら羊とジビエが特に好きで、海のものはお魚なら白も青も赤も全部美味しいし、貝類にはハズレなしだし、海藻もみんなでいい仕事するから誰が最高か決められないっていつも思うのに、海老が現れるとそのまんま優勝してしまう。自分で作っても美味しくて「自分が作ったなんて信じられない……」とほっぺた抑えたけれど、海老のリゾットってなんでこんなに幸せになれるんでしょうか。天にも昇る心地になるのは天使の海老だから?
当然おかわり!

肝心要のリオレは2種類のソースでいただきました。きなこキャラメルソースも美味しいけど、私はベリーベリーソースが好き! なんせいちごが美味しい。

虎ノ門横丁でのポップアップの位置が角っぽいからなのか、16時から始めてるから会社帰りに飲みに来た人の目に奇異に映るのか、通りすがりの方々にめっちゃ見られるんですよね。満席で大盛況だからか? そんな中で関口シェフの鶴の一声。

「リオレのお持ち帰りはどうしますか?」

みんな一斉に荷物を探って、カウンターに次々に載せられるタッパーの数々。急に「ヤベェモンの売買始まった」みたいになったから吹いちゃった。オレ、500と赤キメたから、週明けくらいまでは朝からリオレキメて出勤できるぜ。

楽しくて美味しかった!
ご一緒した皆様、ありがとうございました。

そうそう。ワタクシ、リオレに夢中合わせで朝ごはんにおかゆを食べたきりで臨んだんですよ。そしたらシェフが完璧じゃないですかって。
日本的お粥で朝を始め、リゾットで区切られ、リオレで〆るなんて日仏伊のお粥三昧。確かに!

大事なことが最後になりましたが、シェフが夢中になっちゃってポップアップレストラン始めたリオレ。お米を牛乳とバニラビーンズでことこと煮込んだ、甘いミルク粥、お米のお菓子です。日本人的には「え、お粥が甘いの? お菓子?? キッモ」とか言いそうだけど、騙されたと思って食べてみて。私も最初はそう思ったの。手塚治虫の『ブッダ』にもミルク粥が出てくるけど、えー―お米とミルク??? うへえーって思ってたし。
でも固定観念ひっくり返る。美味しいから。

もうひとつ。
リオレに夢中は、今回だと16時と19時開始の1日2回、9席同時スタート制。おひとりさまかグループか関係なく、前菜からリオレまで全員一緒に順々に提供される。1品の量としては、一般的なイタリアンでシェアした際の1人分くらい。だから、すべてのお料理を制覇することが可能でもある。
これってお店側とお客側でウィンウィンの状況だよなーと今回しみじみ感じた。お料理のタイミングがお店のペースだし、作るのに適切な量なのも一番いい状態を作りやすいのではないかなと。例えばパスタ。調理しやすい大きさの調理器具で作りやすい量は決まっているのだから、1人前100〜120gの一般的な1人前で考えると1度に作れる量には限りがあって、お客さんの自由なタイミング作るとなるととても慌ただしいことになるのは簡単に予想できる。リオレに夢中の9席同時スタートではお店のペースでお任せだから、対面式で会話も楽しみながら食だけでなく関係性まで濃い時間を楽しむことができる。しかも、おひとりさまでも隣り合わせた人と会話が弾むことにもなり、ますます充実した時間になる。この回では3人並んだ女性たちが徐々に親しくなっていて、最初から3人で来店したかのように仲良くなっていた。素敵だった! 私自身、近い席の方々とお話しできて楽しかった。
また、実況席は長い辺に座る皆さんのお顔が見えるので、食べて幸せな顔をするのがしっかり見える。おかげでますます幸せになれる。
いいこと尽くしの#リオレに夢中なのだ。

それと、思いついたこともあるんだけど、私の力で実現できるかわからないことで、そんな企画をどう立ち上げたらいいのか悩ましいので、私の中でこねくり回して関係各所に相談してみようと思います。

関口シェフ、スタッフの皆様、ありがとうございました。
すっかり幸せです。
明日からの修羅場、13連勤乗り切るだけの力をいただきました。
初場所千穐楽まで幸あれ!!!

千穐楽は14日。現在は完売しているようだけど、キャンセルが出るとXで関口シェフが発表してくださる。今回が無理でも興味を持った方は次のチャンスを虎視眈々と狙って、いつかきっと体験してほしい。だって最高だから!

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