①STP②マーケティングミックス(4P)について【マーケティング戦略】

 まず、マーケティングにおいて、「作ったものを売る」という製品コンセプトではなく、消費者のニーズを掴み、「売れるものをつくる」というマーケティングコンセプトの考え方が求められる。
 消費者のニーズは、一様ではない。「消費者」と一括りにしがちだが、実際消費者というのは一人一人の人間によって成り立っているからだ。だからといって、一人一人のニーズに合わせて一個一個製品開発をしていてはキリがないため、ニーズが似通った消費者のグループに分ける「セグメンテーション」が第一歩となる。
 セグメンテーションの次は、似通ったニーズのグループのうち、どのグループに自社の経営資源を集中投下するかという「ターゲティング」を考える。
 そして、資源投下のターゲットが決定したならば、次は消費者に、自社ブランドが他の競合ブランドと「違う」と認識してもらうために、マーケット内での自社の立ち位置を決定する「ポジショニング」をする。
 セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、この3つの言葉の頭文字をとって、「STP」と表現する。

 STPが決定したならば、実際に商品価値を消費者に届けていく、伝えていく作業に移行する。
 まずは「製品(プロダクト)」を決める。製品は当然、消費者にとって魅力的なものでなくてはならない。また、消費者にとって、この製品はどんなベネフィットを得られるのかという「便益の束」という考え方が重要だ。
 次に「価格(プライス)」を決める。消費者にとって魅力的な、かつ妥当な価格を付ける必要がある。また、自社商品を売ってもらう流通業者にとっても、この製品を取り扱えば売れると思ってもらえるような価格設定が求められる。
 次に「流通(プレイス)」を決める。自社製品を消費者に買ってもらうために、どこで売ればよいのか。どこで、どのように売ってもらえば、自社製品の価値が最も高く見えるかを考え、流通経路を決定する。
 最後に、「プロモーション」を決める。いくら商品価値のある製品を作り、妥当な価格を付け、自社製品が魅力的に見える流通経路を辿っても、消費者に自社製品が認知されていなければなんの意味もない。「消費者の頭の中に無い価値は、存在していないのと変わらない」のである。そのため、いかにして知ってもらうか。興味を持ってもらうかが、プロモーションをしていく上で重要だ。
 これら、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの頭文字をとり、4P、またはマーケティングミックスと表現される。

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