ヴァイオリン試奏記(2020秋)

今年は弦楽器フェアこそ中止でしたがあちこちの楽器店で展示会があったので色々弾いてきました。

楽器

・オールド

ストラディヴァリは別格でした。他のオールドと根本的に鳴りが違うという感じ。でも他のオールドに絶対的に勝っているというよりは好みの問題でしょうか。かなりブライトな傾向で音量も凄かったです。

グァルネリ、グァダニーニがその後に続き、ガリアーノ辺りが続いてくる感じか。ただその下の価格帯になってくるとややソリストには弱い感じもしてきます。最近流行りのスーパー新作楽器に取って代わられそうな危機感がある感じ。

・モダン

モダンも1000万〜2000万オーバーになってきてしまいましたね。ファニオラ、ペドラツィーニ辺りは良いけど、骨董価値を加味しないとこの辺りの楽器を所有するのは微妙になってきてるかも知れません。

演奏家に絶対必用な道具では無くなってきてる印象。

・新作

上でも書きましたが相当良いものが増えてきています。(ただ値段も…)

見た目もオールドフィニッシュで雰囲気ある物も多いし音色も良いです。音量はもちろん健康的なものが殆ど。

一時期イタリア以外の楽器を使うのが玄人って風潮が有ったような気がしますがイタリア物も巻き返してきました。オールドの良い音色に近いのはやっぱりイタリアですね。

新作で400万以上の物を購入する場合は慎重になったほうが良いかなとも。先生に見てもらうとか、1週間くらい貸してもらうとか、広い部屋を借りて録音してみるとかしたほうが良いです。200万前後でも良いものはかなりあります。

ただイタリアは今厳しい状況みたいなので製作家の方々はくれぐれも元気で頑張って欲しい…

・オールド、モダン

正直良いと思うものが少なかったです。サルトリーも?って印象の弓も数本。もちろん良いサルトリーはかなり良いですがダメサルトリーもありますね。

やはり腰が弱くなってしまってる弓が多いし、あまりにも強いと逆に音色が良くない、荒い感じになってしまう印象でしょうか。

1000万オーバーの弓は触っていないので分かりませんが流石に良いのでは無いでしょうか。経験上ペカットでダメなのは無いですね。トルテは触ったこと無く…J・アンリとかP・シモンも1000万オーバーなんですね。一度は触ってみたい。

・新作

自分の好みもあると思いますが新作弓は今良いものが多い。30万前後でもかなり良い物がありました。

某大手楽器店が展開してるブラジルの弓も相当良かったです。

この間買ったアルシェの別個体も触りましたが大体同じような印象でした。個体差あまり無いのかな?

Guillaumeがシルバーとゴールドで結構違うのが驚き。シルバーはやっぱり強くて音もでかい、ゴールドは結構柔らかめでしなやか系で綺麗な音。自分のアルシェTourte Soloと似ていた傾向で嬉しかったです。

Grandchampが気になってるのですがタイミング悪く見ることが出来ず…


大体こんな感じでした。楽器、弓ともに新作が大分印象良かったです。

こんな時期ですがストラディヴァリを始めとする銘器を弾けたのはモチベーションアップに繋がりました。やっぱオールド楽器は良いな…



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