2018年 Collection of works

2018年も、フットボールには色々と楽しませて貰いました。ロシアW杯の予想も、優勝国が珍しく的中。

今回は、2018年の寄稿記事について、連載『Tactical Frontier』を中心に振り返っていこうと思います。

https://www.footballista.jp/column/45787

「ジャイアントキリングの起こし方」というテーマで、アイスランド代表とパナマ代表について取り上げました。日本の育成が学ぶべきものは、『小国の工夫』にもあるのではないでしょうか。ベルギー代表の育成コーチが「スペインやフランスのように、素材が溢れている環境ではないからこそ、アプローチを見直さなければならない」と語ったように。

「専門家チームのスカウティング法に学ぶ、分析的なサッカーの見方」というタイトルで、アナリストの分析法を取り上げた記事を寄稿しました。このような枠組みが徐々にシェアされるようになっていることで、分析を楽しむ人が増えているのだと思います。

戦術に特化した54号では、ポジショナル・プレーを解説したEric Tenllado Ortega氏の記事翻訳・編集を担当。


奈良クラブのGMに就任した林舞輝氏のインタビュー、ダビド・シルバの分析記事も寄稿しております。

Tactical Frontierでは、『ハーフスペースが生み出す、崩しの新境地』というタイトルで、具体的な崩しを例示しながら「ハーフスペース」の価値を考察。

『個人戦術』というテーマを掲げた55号では、レアル・マドリードの躍進で注目を浴びた「プレス耐性」という単語について、考察した記事を寄稿。プレッシングは緻密化する一途を辿っているので、そこを打破することが可能なプレイヤーは今まで以上に求められることになるでしょう。

W杯直前号では、「クロスボール戦術は死んだのか?」という記事を寄稿。ポゼッションが主体となっていく世界の潮流から、どうしても軽視されやすいクロスボール戦術ですが、未だに戦略的な武器としては重要だという事実も見逃せません。

第57号では、最新号のGK特集にも関連してくるテーマとして「緻密化するディストリビューション。攻撃の起点としてのGK」を寄稿。


W杯直前号では、短期決戦における「策」となる変化を加えた守備戦術について語った『「研究手順を外す」守備戦術は、短期決戦の切り札となる』を寄稿。


ロシアW杯の総括号では、最高レベルの戦術戦が繰り広げられた『ドイツ対メキシコにみる「トランジション・フットボール」の進化』を寄稿。カウンターの緻密化と、固定ポジションによって「マッチアップ」を工夫する策は今後も着目に値しそうです。

18-19リーグの展望になった、第60号。こちらでは、新たなフットボール統計学として注目される「パッキング・レート」を紹介。2019年は、更に新たな統計指標を取り上げていきたいです。

第61号では、CL参加チームの戦術分析がテーマ。連載では前号に続き、フットボール統計学をテーマに。興味深いテーマ「ゴール期待値」を今までとは若干異なった方向性から読み解きました。

また、ASローマの分析をイタリア人アナリストのニコブスキ氏、アトレティコの分析をスウェーデン人指導者ヤコブセン氏に分析依頼。また、PSGの分析をマックス・バーグマン氏に依頼しました。分析記事の翻訳・編集についても今年は、有難いことに一気に増えました。

第62号のテーマは、ポジショナルプレー&ストーミング。連載では、主にポジショナルプレーについて取り上げた『「枝葉」から「幹」へ。ポジショナルプレーの特異性』を寄稿。エバートンの指揮官マルコ・シルバが志向するフットボールについても、分析記事を寄稿しております。

ストーミングについても、自らの解釈を寄稿。「ストーミング」という概念自体が、今後どのようにフットボールの理解に役立っていくのか、は興味深いところです。

連載では、『南米サッカーに根づく「パンチ・フットボール」の概念』を寄稿。新たな概念として、イングランド人指導者が言語化した「南米サッカーの強み」を紹介しております。

クリスティアン・プリシッチの分析記事も寄稿しており、WEB上でも公開されております。

第64号は、GK特集号。スウェーデンの新世代指導者ドグラス・ヤコブセン氏にインタビュー。スウェーデン最年少で、UEFAのAライセンスを取得した若き有望株と「UEFAゴールキーパー指導者Aライセンスの全て」を語り尽くしました。

記事では「ボーンマスの先進的な育成」「欧州のGK育成を支える、1人のアイルランド人」という2つを寄稿。連載は「GKの心理学」を寄稿致しました。

2017年と比べても、2018年は広い範囲で活躍の機会を頂きました。引き続き、挑戦する心で2019年も活動していきたいと考えております。2019年も、何卒よろしくお願い申し上げます。








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