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コロナ禍中には常に顧客のロイヤリティーしきい値が変わってることに気がつき、行動経済学を正しく使って生き延びようという話をしよう。

まずはよくある「個人的な経験」から。最後に宣伝があります。

ちょっと前に近くにあるトレーディングカード屋さんにスリーブがなくなったので買いに行きました。ついでにシングルカード(カードのショーケースの単品購入)で子供たちのデッキ用のカードを仕入れてレジにいきました。すると「ポイントカードがあるのでよろしければ」といわれて、「まあ近くだしいいかな?」とおもって貰いました。よくあるポイントがつくらしく「いまさら物理カードはお財布の中パンパンになるから嫌なんだよなー」とおもいつつも入れておきました。

で、昨日3日に1回の買い出しの帰りにカード屋さんによって、やっぱりちびすけーずがほしがっていたカード(イラストレアとかほしがるので……)を買ってお会計の時に意気揚々とポイントカードを提示したら、「このポイントカード使われましたか?」と聞かれたので「先日貰ったのですか?」と言ったところ「登録されていませんでした。今回から登録しますね。」とさらっといわれたので「いやwwまってwwそんないい加減な運用されているんだったら要りませんわww」といってポイントカード突っ返してしまいました。つまりお財布の中に「1ポイントもたまっていないカードを数ヶ月」いれていたわけです。なんという無駄!というかムカツク!超ムカつく!

せめて「前回ポイントついてなかったので、レシートお持ちいただければポイントつけます」ぐらいないと「前回のポイントつけないとか、そんなずさんな運用してるぐらいなポイントなんて、いつ消えてもおかしくないからいらねーわ」と思ってしまった次第なわけです。

ここからの教訓。行動経済学においては「無料でもらえるものでも失ったことに対する喪失感を人は感じる」ということそのまんまなのです。ただ現在のコロナ禍中においては、心理的安全性などが失われている状態なのでこのようなことに過敏になっている可能性が高い(これは個人的な意見です)と考えます。端的にいえばワンミスで顧客のロイヤリティーを失いやすいということです。

というわけでわたしの仕事は通販をメインとした倉庫などのカイゼン(あえてカタカナのカイゼン)支援です。現場でマイナス30度にはいって一緒に作業したりします。

さて、最近ネット通販が盛んです。弊社の食品系クライアントに限っていうと昨年同月数百パーセントという脅威の受注数になっています。つまり完全に想定外の事象がおきています。

東京 豊洲市場では、飲食店の営業自粛の影響で取り引きが減っているマグロやメロンなどの高級食材の販路を広げようと、通販会社がインターネットで一般向けにも販売を始めたところ、注文が急増し発送作業に追われています。

急増ってレベルじゃないぞ、おい、ってのはいいとしても、いままで1日100〜200件だったのが、一晩明けて1000〜2000件とかになるとすべてがおかしくなってきます。出荷だけに目が行きがちですが、入荷処理、在庫の投入、保管場所の確保などすべてが異常値になってきます。

ECの売上画面しかみていない経営者が忘れがちなのが以下のポイントです。

・出荷するためには入荷しないといけない。
・売れた分の在庫を保管するための場所と作業場所がないといけない。
・出荷しないと売上が決済されない。

このポイントを無視してジャンジャン売上とろうぜ!!とかやると、いつまでのたっても出荷されない事態が発生します。すると、「いつ出荷されるんですか?」「出荷されないからキャンセルをお願いします」といったメールがコールセンターに来ます。さて、そもそも1日1000件を超えるような受注を想定していないので、コールセンターも破綻してます。すると、「返事はまだか!!」という二重三重クレームに繋がります。倉庫やコールセンターに無理させたら死亡します。そうすると出荷数はゼロになります。ゼロです。持続可能な状況で運用することが大事なのです!

するとどうでしょう。いままで「このお店が大変だから応援しようか」とか「美味しいから普通に買おうかな」とおもっていたお店が「このお店はいい加減だから買うの辞めよう」というのに簡単に変わってしまいます。

なので、無理な受注を辞めて、1日の出荷キャパの上限をきめて、適正出荷数範囲内で受注を受けるように在庫投入レベルから投入することをオススメしています。または精度の高い出荷日程を提案するののどちらかができない限りは「目の前の売上」をとる代わりに「顧客のロイヤリティー」を失うことになります。

はい、宣伝です。通販出荷についてコンセプトレベルでご相談したい会社さんがございましたら、フォームより御連絡ください。困ってる人はできるだけ支援できればとおもっています。いや困ってない人はクライアントじゃないんです。困った現実に向かわないととみんな変わろうとしないんです。



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