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2022年決定版!絶対に成功する倉庫選びの方法!

「2022年決定版!絶対に成功する倉庫選びの方法!」として私の答えは次の1行に集約されています。

「必ずうまくようなそんなものは存在しません。残念でした。」

絶対に何かをしたほうがいい、とか絶対にこうしたほうがいい、という意見ほど分かり易すぎて危険だし、それを求めることはすでに危険な徴候に入っているということに気がつくスキルこそが一番失敗しない(あえて成功するとはいわない)方法である。

IT業界では有名な論文である「銀の弾丸などない」というのが何故かみんな都合よく忘れれてしまうようだ。


たとえばこの壺を買えば幸せになります、というロジックについては疑問を持つはずの人が「こうすれば、うまくいく」という断言に対して、信頼を寄せてしまう。そうじゃない可能性がある未来よりも、そうである未来を確率的に消滅させることが観念的に必要だからなのか?

「人間が水に溺れるのは彼らが重力の思想にとりつかれているからでしかないと思い込んだ。彼らが、たとえばこの観念を迷信的な観念、宗教的な観念と言明することによって、それを頭から追い払えば、彼らはすべての水難を免れるというのだ。生涯にわたって、彼は、重力の幻影とたたかったが……。このけなげな男こそが、ドイツの新しい革命的哲学者たちの典型であった。」(マルクス「ドイツ・イデオロギー」)

分かり易い言説という未来が訪れることを確信することによって、そうではない可能性を消滅させているということに気がつきたくない、むしろそういう洞察能力さは現代に置いて不要なスキルのではないかと思っている。

わかりやすさを求める指向は、一時的な解決にはなるが問題の本質にたどり着くケースがなく、次の問題が出てきたときには「新しい分かり易い意見」で、また穴の空いた壺にテープを貼ることになってしまう。

まったくもってちんぷんかんぷん(それはそれで問題だけど)だけど、「これが自分のために話かけられている言説だな」ということを頭の中においてあるところで、「なぜこのような言説が必要だったのか」というところについて自分の中に「保留」をしておくということが大事になる。

表題の問いに戻ると、倉庫を選ぶということについて出てくるのは「どうしたら上手くいくのか」という問いに還元することができる。問題がその上手くいくということ自体がすでに、上手くいかないというロジックにはまっていることなのである。

とはいえ、「こうやったうまくいった!」というEC事業者はよくみかける。しかし実態は「サバイバーバイアス」でしかない。戦争で生き残った人は「○○したから生き残った」ということではなく、「生き残った人が○○」しただけであって、「○○」をした人で爆死した何十万人の上に「たまたま生き残った」というだけの人である。だから「○○」は万能ではないし、万人に共通するものでもない。○○にはなんでもいれればいいとおもう。マグガフィン。

では、なにをすればいいのか。

「自分達がやっている業務すべてにやるべき業務か疑いを持って、一つ一つ重要な問題として取り扱う勇気を持つための方法を考える」ということである。しかもこれをやるかやらないかはあなたたちの自由だ。私がやっていることは「あなたたちが疑問すら思わない問題に疑問を持つ人間がいる」ということを言説を実行していることをみせているのである。

例えば「電話対応を何時までするべきか」という問題についてとあるコンサルタントは「長ければ長い方がいい」といい、別なコンサルは「不要だ」といった。私の答えは「電話対応が自社の向かいたい方向にどのような位置づけであって、それを達成するために電話対応が必要かどうか考える人はいますか?」という問いを発する。すべてに対して分かり易い問題とそれに答えなど存在しない。「ユダヤ人を殲滅したら世の中が良くなる」という幻想と一緒である。

とはいえ、「ユダヤ人を殲滅したら世の中がよくなる人」に対して「なんでそんなことをするんですか?」という野暮なことはしない。ただ、自分のクライアントに対して「銀の弾丸を売りつけよう」としている人に「鉛の弾丸を撃ち込まれる疑似体験をさせる」という仕事をするだけである。

こんなことをしているので外向きにお話できることは一つもありません。だって「あなたの言説はすべてあなたが感じ方の問題ですよね?」といったらセミナーもclubhouseも怒死しちゃうもんね。(だいたいセミナー開始3分で「今日私が話をした内容は、みなさん終わって立ち上がった瞬間に忘れる努力を始めます。そして話をした内容ができない理由を探し始めます」とかいう人嫌ですもんね。)気持ちよくなりたいんだったら、ホストクラブなりキャバクラにお金を払っていけばいいだければいいと思います。私はあなたたちに都合の悪い言説を語り続けますから。

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