『熱冷え6』
背中に当たったのは、落ち葉でよろけた拍子に藁を掴もうとした拳。何とか堪えた体勢で見上げる目と、驚いて見下ろす目が交差する。「大丈夫ですか?」かけた声に「ああ、ごめんなさい」と拍子抜けするほど感情のこもらない謝罪。思わず硬くなる己の表情に、容赦なく照りつける熱の視線。

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