『熱冷え5』
熱い──色と視線だった。決して互いにひと目で戀に落ちた、等と言う事ではない。その身の周りに纏う何か、その目から溢れる何かが、自分には酷く熱を帯びて見えたと言うだけ。今にして思えば、それは己の中で消却出来ない物を、誰かに肩代わりして欲しいと言う願いだったかも知れない。

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