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7月29日


7月29日(土)
昨夜は地検に行って疲れていた事もあり、わりかしよく眠れた。
外は晴れているが、土日は外気に触れる機会がない。
建物内の中庭のようなほとんど喫煙所みたいなスペースが唯一の外気に触れられる場所だ。と言っても日陰だが。
朝食の後15分ほどその場所で佇んだりヒゲを剃ったり爪を切る事ができる。
『運動の時間』と呼ばれている。
便所サンダルで運動もクソもあるかい。
と毎回思うがその運動の時間が土日は実施されないのだった。
朝からとても憂鬱だった。憂鬱ではない時間などないのだが、今この瞬間にも相手は悩み苦しんでいる。俺のせいだ。だからと言ってできることは何もない。
活字を読もうとしたが頭に入って来ないので朝食の後寝てしまった。
目覚めそうになっても逃げるように瞼を閉じて夢の続きに没頭した。
なぜかあしたのジョーの丹下段平のお姉さんを名乗る人物の店の掃除をしていた。
丹下段平のお姉さんはロベルトバッジョが好きだった。だからジョーなんですか?と尋ねた所で昼食の合図に起こされた。
コロッケとパン。ソースをダボダボにかけて食べた。パンは二つあるが一つで限界だった。二つも食うとおそらくカロリー過多だろう。暇だから食べているだけだ。
1番さんは今日も現金で購入できる自弁と呼ばれる美味しいお弁当を食べていた。
同棲していた彼女にお弁当を作っていた事を思い出した。少ない人間の部分だ。

昼食後は朝刊をじっくり読んだ。ビッグモーターと大谷がすごい。外に放置してしまったギターが心配だ。1番さんに漢字を教えてもらいながら友達への手紙を書いた。
ねじさん、じんぐうさん本当にすみません。
来てくれると言ってくれた友達も本当にごめん。また歌える日が来るかな。世界中に嫌われて歌う意味ってあるかな。おれは歌いたいけどおれの歌はどこまでも自己満足でしかないんだな。
心の整理術という本を読んだ。

夕食はメンチカツ、がんも、オクラ、米、つけもの。
ここ最近は人にご飯を作る事が生きがいだったので質素で悲しい。
夕刊の1ページに季節のオススメレシピのページがある。名のある料理人が考えたレシピだ。以前は食い入るように見つめたものだが、今となっては辛いページになっていた。
どうしてこうなってしまったのか考えるのを辞めない。忘れない。思い出す。
何度でも、同じ事を繰り返さない為に。

疲れた。外に出ても苦しい。ここにいても苦しい。真っ当に人を傷つけた人間の辿る人生。
1番さんが風邪をひいたみたい。
1番さんには感謝している。

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