最適なディフェンスを行うために-Turbopolsaによる壁の活用ガイド

この文章は2019年3月26日に公開されたWolfiiによる"Optimizing Your Defense - A Guide To Wall Usage With Turbopolsa"を日本語に翻訳したものです。この文章の著作権はすべてDignitas eSportsに帰属します。
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ウォールショットvsグラウンドショット

 地面、天井、壁、ロケットリーグのマップのいかなる場所からでもプレイを始めることができる。ありがたいことに、だれもが簡単に壁を走り抜けることができる。しかし、どのようにすればこれを私たちの可能性を最大限に引き出すために利用できるのだろうか。そこで、私は3度のワールドチャンピオンに輝いた Pierre "Turbopolsa" Silfverに助言を求めた。
 そもそも、壁からのオフェンスは地面からのオフェンスと大差ないのではないかといわれている。このことについて尋ねると、Turbopolsaは以下のように答えてくれた。「それはかなり状況依存するでしょう。フィールドのどこに相手と味方がいるのかにもよりますが、地面からよりも壁から攻撃を仕掛ける方が効果的なこともあります。もしゴールキーパーがブーストを全く持っていないことが分かっているのであれば、7割方、壁にいってゴールキーパーが届かないくらい高いパスをする方が良いでしょう。」
ゴールキーパーの数やブースト量、味方のブーストの量やどうポジショニングしているかなど、状況に依存するからこそ、一般的に、壁からのオフェンスと地面でのディフェンスはどちらも同じくらい重要である。例えば、チームメイトがカバーに来れない時などは地面で時間を稼いだ方が賢明だろう。
 Turbopolsaが言うには、ボールを壁から高く打ち上げるのは攻撃をする上でとても良い方法で、特に、ディフェンダーがほとんどブーストを持っていないとわかっているときはなおさらそうであるらしい。これがそれほどまでに戦術的であるのは、ディフェンダーが簡単にはボールに触れないからであり、もしミスしてボールがバックボードでリバウンドしたとしても、カバーしてくれる味方がそこにはいつもいるはずであるからである。

基本的に、グラウンドプレイをしに行くときは:
・チームメイトがディフェンスにもどる時間を稼ぎたい場合
・ブーストがほとんどなく、より有効なドリブルもしくは近くの味方へのパスをする場合
一方で、ウォールショットに行くときは:
・ディフェンダーがブーストをほとんど、もしくは全く持っていないことを把握している場合
・フィールドの真ん中でパスを待っている味方がいる場合
 
 最後のポイントである壁からの味方へのパスに関してTurbopolsaはこのように裏付けをしている。「壁からの上手いパスプレイはディフェンスするのが難しいが、ハイリスクハイリターンです。というのも、空中でパスないしはシュートを空中で行うとその時間いわばゲームから離脱してしまっているようなものだからです。私はそれと同時に壁や地上から得点する機会もあるように感じます。」

速いプレイvs時間をかけたプレイ
 ご想像の通り、このディベートにおける両サイドに長所と短所がある。例えば、壁を利用しようとするとき、ディフェンダーがダウンしているときは素早く動き敵を捉えるか、もしくは、ゆっくり動きボールコントロールをより維持するか選択できる。
 これに対する答えを求めたところ、Turbopolsaは以下のように述べた。「チームメイトがブーストをかき集める時間を稼ぎたい場合などは、思いっきりクリアをして、その後すぐにボールがまた戻ってくることを想定したほうが賢明です。しかし、もし全員のブーストが満タンで適切なポジショニングにいるのであれば、ボールをフィールドの端から端まで思いっきり飛ばすようなことをするよりかは、速度を落としてゆっくりとスマートなプレイをするべきでしょう。」
 全体的に見ると、壁からボールを強く打つのはチームにとって有利に働くことは少ないようである。もしチームメイトが理想的な位置にいて、効果的なパスプレイができるにも関わらず、フィールドを横切るクリアするのであればそれば自分勝手なプレイと言わざるを得ないだろう。ロングショットを打つと、相手のディフェンダーにそれに反応しディフェンスする時間を与えることになる。一方でTurbopolsaが上で述べたように、素早いパスプレイをすればより相手が予想しずらくなる。

技術的なシュート
 これまで見てきたように、壁には見栄えのよい技術的なシュートを打つためのポテンシャルがかなりある。数例挙げるとすれば:
 ・エアドリブル
 ・シーリングショット
 ・ダブルタッチ
 プロプレイヤーであるMariano "SquishyMuffinz" Arrudaは彼の技術力の高さに定評がある。これはRocket League World Championshipsにおいて彼が壁を駆使して行った素晴らしいプレイをした好例である。彼がどうのように壁に上り、天上に着きフリップリセットをしたのかに着目してもらいたい。ブーストを使って壁に上ることで、天井にいく勢いを得ている。

https://www.youtube.com/watch?v=5kD0k1zEukM&feature=youtu.be


 もし上手くエアドリブルをする方法を理解していれば、それも同様に素晴らしい。どの技が一番難しいのかTurbopolsaに聞いたところ、彼はこのように答えてくれた。「何に最も力を注いできたかにもよりますが、一般的に、エアドリブルはするのは難しいが、同時に他よりもディフェンスしやすいです。」
 このことはおそらく、エアドリブルをわずかに有効でなくしているだろう。エアドリブルをしても、ディフェンダーはボールの軌道を読むことができ、そうすることでシーリングショットを守るよりも簡単にディフェンスしやすくなる。上で見たようにシーリングショットをすることで、フリップを再び得ることができる。これはつまり、好きなタイミングで空中でもう一度フリップを使うことができるということである。
 そのため、ディフェンダーはどのタイミングでシュートを打ってくるのか全く分からないのである。そもそも彼らはあなたがフリップできる状態なのかどうかも分からない。これはつまり、このようなタイプの技術的なショットがいかに予想しづらく、また、どれほど素晴らしいかを表している。
このような壁からのシュートを練習する最も良い方法をTurbopolsaに尋ねたところ、このような回答を得た。「エアドリブルやシーリングショットを練習する一番簡単な方法は、カジュアルに言ったり1v1に行くことでしょう。上手くそれらに持っていくようにすることで、ゴールキーパーに対してそれをどのようにするのかという感覚を掴めるでしょう。」
 スキルを使う実際の環境に身を置くことが一番の練習法なのだ。

欠点
 これだけ聞くととても素晴らしく有用性が高いように聞こえるが、壁を使うことの欠点もいくつかある。例をあげるとすれば、パスを壁で待つことである。これはプレイヤーが壁に待機して味方からのパスを待つようなオンラインマッチでよく起こる。
 しかし、Turbopolsaはこのように論じている。「ただ壁に待機してパスを待つのはかなりリスキーです。チームメイトからクリアパスを得たとしても、それに対して相手は何のプレッシャーも感じません。」
 また、壁にいる人にパスすることはより一層難しい。求められる難易度は割に合わないだろう。またもしこのようなミスが起これば、2人のプレイヤーが完全にプレイの外に置かれてしまう。パスを地上で待った方が幾分かましであるし、地上へのパスの方が味方もやりやすいだろう。
 壁を使うことのよく言われている欠点は使いすぎることである。壁はさまざまなタイプのシュートで攻撃を繰り出す絶好の場所である。しかし、使いすぎないように努めるべきである。これについてTurbopolsaは同様の意見を持っている。「そうですね。ディフェンスの際バックボードばかりに行く人がいますが、そのようにディフェンスするべきではありません。ええ、もちろん味方がすでにゴール前にいるのであればバックボードに行くのも悪くありません。もし相手チームがパスのためにバックボードに頻繁に当てるようであれば、ディフェンスの際、壁にいつも以上に行くのは良い選択でしょう。試合に応じて状況は変わります。そのため、1つのことだけ練習するのは難しいでしょう。」
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【出典情報】
原文:Optimizing Your Defense - A Guide To Wall Usage With Turbopolsa
著者:Wolfii
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