母がやってみたかったこと。

前回、髪をピンク色染めた話を投稿したが、
ピンク色に染める前、数年ぶりにずっとロングだった髪をボブまでバッサリと切った。

ある日、職場のある駅の商業施設に貼られたポスターに写っていたボブ姿のモデルさんが、足を止めて見てしまうほど魅力的に見え、それに憧れて髪を切りたいなという気持ちが湧き上がってきたのだ。

しかし長い間ロングの髪型を守り続け、以前好きだった人にもロングが似合うと言われた記憶が残っていたので切ってしまうのに抵抗があり、思い切れずにいた。

それでも職場に行くときにポスターを見ては、思いだけを募らせていた。

そんな中その年の秋、突然姉から母の写真が送られてきた。

その写真に写った母は

なんと

金髪の刈り上げ姿


であった。

、、、、

今までボブかおかっぱで、髪色も黒か染めても茶色、
そんな母しか知らない私はめちゃくちゃ驚いた。

そしてなぜこの髪型に至ったのか気になった私は、すぐに母に連絡をした。

電話で母は
「実はずっと前からやってみたいという思いはあったんだけど、
金髪の刈り上げは体が細い人じゃないと似合わないと思っていて、痩せたらやろうと思っていたら、いつのまにかおばあちゃんになっちゃった。
だからもうやるなら今しかないと思ったの。」
と言っていた。

母は自分の姿に、やりたいことができたことに満足げな様子ではあったが、

「〇〇ちゃんもやりたいと思うことがあるなら、若いうちにやった方がいいよ。その時と、後では変わっちゃうこともあるから。」

とも言っていた。


そんな母に後押しされて、やりたいことをやろうと、
ロングだった髪を切ってボブにしようと思い切れたのも、
髪色をピンク色にするときに迷いがなかったのも、
この母の言葉のおかげである。

ちなみに父に母の髪型の感想を聞いたら、母から事前に何も聞かされていなかったらしく、
「(美容室から)帰ってきたら、もうこの姿になっていたからな〜。
びっくりはしたけど、もうやってしまったからなぁ〜。」
とこともなげに言っていた。

それからは髪を切ることもやりたいと思ったどんな色に染めることも、抵抗がなくなった。
気分の切り替えのために髪を伸ばしてからバッサリ切るのも楽しい。
そんなふうに自由になれたのも母のこの言葉の力である。





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