輝き人! NO.3 坂口佳穂 /Kaho sakaguchi

“今は頑張っていきたい、ビーチも勉強も!”
多くの紆余曲折を経て、今の自分の居場所を見つけた彼女。
学業に練習に明け暮れる毎日。大学生らしいことはできない。
でも、それが私のやりたいこと。
今回は「輝き人!」として、
ビーチバレー選手の坂口佳穂さんを紹介します。

―PROFILE―
坂口佳穂
Sakaguchi Kaho
ビーチバレー選手
武蔵野大学2年/川崎ビーチスポーツクラブ所属
大学からビーチバレーを始めるも、
その才能と実力から、多くのメディアから注目されている。

interview

―坂口さんは、プレーを通して見ている方に何を伝えたいですか?
坂口:見ている人を楽しませたいです。でも、今の私にはそこまでの力はないのが現実ですね。
―「私のここを見てくれ!」というポイントはありますか?
坂口:得意なのはオーバーセットです。みんな褒めてくれます。(笑)
あとは、勝った時の笑顔です。(笑)
―そもそも、小学校の時にバレーボールを始めたきっかけは何だったのですか?
坂口:父が小学校のバレーボールの監督をやっていて、保育園の年長の頃よく手伝いに行っていました。そんな流れで、自然と小学校に入ったらバレーボールを始めました。
―その時の練習は厳しかったですか?
坂口:厳しかったです。中学に入学するのと同時に東京に上京してきたのですが、中学校では初心者の人が多いこともあって、怒られることは無かったです。
―どうして、高校でバレーボールを続けなかったのですか?
坂口:中学の時にバレーが楽しくなくなって、他の分野に挑戦しようと思いました。
―そんな坂口さんですが、大学入学と同時にバレーボールの世界へ戻ってきましたよね。
なぜ中学までやっていたバレーボールでなくビーチバレーにしたのですか?
坂口:大学でバレーボールをやるとなると、強豪校と言われるくらいのレベルの学校に行かないといけないですよね。高校生の時にやっていなかった私には大変だと思いました。たまたまご縁があって出会うことができたビーチバレーに魅力を感じ、こっちの道を自然と選びました。
―大学生としての顔も持つ坂口さんですが、大学に進学した理由をお聞かせください?
坂口:もともと、高校3年生の時には受験勉強をしていまして、その年の11月に初めてビーチバレーに出会ったんです。そして、大学に入ったら、ビーチバレーという形で、もう一度バレーボールをしようというと思いました。なので、受験することは前提であって、後からビーチバレーというものがついてきた感じです。
―大学ではどちらの学部に属していますか?
坂口:法学部政治学科です。
―どうして政治学科に進まれたのですか?
坂口:宮崎で父が市議会議員をやっていて、政治というものが身近にあったのと、通っていた予備校の先生と世界史の事柄について話し合う中で、政治関係に興味を持てたからです。
―単位は落としますか?
坂口:憲法を落としました。でも、選択科目だったので大丈夫でした。(笑)
今受けている行政学は情報量が多くて苦労しています。(笑)

―大学生生活の楽しみは何ですか?
坂口:“大学生”ということはあまりしていません。授業が終わってすぐに、練習に行っていますから。
―普通の大学生に憧れたりしませんか?
坂口:たまに・・・ですかね。友達のSNSなんか見て、「いいな~」と思います。
でも、私は今頑張って、将来の自分を輝かせたいです。具体的には、大学4年間のうちにビーチバレーで結果を残したいです。仮に、ビーチバレーがダメになってしまっても困らないように、今は勉強も頑張っています。
―さて、ここからはアスリートとしての坂口さんに迫っていきたいと思います。
―アスリートに欠かせないのは第一に練習ですよね。
―坂口さんは日々、何を意識して練習していますか?
坂口:“今日はこれ”というのを決めています。“これ”って決めたものは、その日のうちにはできるようにしています。1日、1日、1個ずつステップアップしていきたいです。
―練習を積み重ねていく中で、誰もがスランプに直面すると思うのですが、坂口さんなりのスランプの脱出方法を教えてください?
坂口:スランプというよりかは、モチベーションが下がってしまうことはたまにあります。
そういう時は、負けた試合を思い出して、「負けたんだから、頑張らなくちゃ!」と自分に発破をかけます。
―体が資本だと思うのですが、身体のケアに関してはどのようにしていますか?
坂口:練習前後のストレッチと、お風呂上がりのストレッチです。あとはアイシングと、たまに整骨院の先生にマッサージをしてもらっていることですかね。
―技術と同じくらい大切なのがメンタルですよね。
坂口さんは、どのように精神面の強化をなさっていますか?
坂口:まだ、メンタルの強化までは達してないです。技術力をあげる練習と学校で精いっぱいです。
―坂口さん自身に関して言えば、メンタルは強いですか?
坂口:私は乱れやすいです。サーブは、よく狙われるのですが、それで失点が重なった時は立ち直れないです。下を向かないようにはしていますが、向いちゃいます。
―坂口さんの試合となると多くの方が見に来られると思うのですが、見られていることへのプレッシャーは感じますか?
坂口:感じます。プレッシャーがあるからこそ、もっと練習して上手くなりたいと思えます。でも、試合中は気にしないようにしています。両親には「別に誰もお前をみていない」といわれるのですが、「たしかに」って思います。(笑)
―スポーツをやっていて、良かったと思う瞬間はいつですか?
坂口:考えたことないです。(笑)逆に“やっていなきゃ良かった”とは思わないですから、良いこと尽くしであることだと思います。
今思い出したのが、いくら食べても太らないことです。(笑)あと、自慢できます。
そして、高校とかだと、体育祭で俗に言う“使えるやつ”になれます。(笑)
―逆に、スポーツをやめたいと思う瞬間はありますか?
坂口:まだ2年目ということもあって、嫌になったことはありません。
でも、初めて間もないころは、試合にも勝てなかったり、ミスを連発したりな  どあって「センス無いな~、私」なんて思っていました。
講師の方や先輩の選手に「そんな簡単にできるスポーツじゃない!」って励ま され、今は練習に一生懸命取り組んでいる感じです。
―ビーチバレーを通して得られたものは何ですか?
坂口:最初は試合中にすぐネガティブになってしまったんですが、今ではポジティブにやって行けています。むしろ、試合中はポジティブにならないといけないですね。
あとは、ビーチバレーを1年間やってきましたが、「継続は力なり」と感じます。それは学業についても同じですね。

―尊敬している方はいますか?
坂口:溝江明香さんです。
―どうしてですか?
坂口:溝江さんは、今の私と同じ19歳の時に、大学生ながらJBVツアーで最年少優勝を果たしたんです。しかも、大学にもしっかり通ってです。
―どうしたら、溝江さんに近づけると思いますか?
坂口:練習あるのみです。たどり着けるように頑張ります!
―今の自分に点数をつけて下さい。
坂口:50点くらいです。まあ、普通という感じです。
―どの部分を評価して50点ですか?
坂口:練習に真面目に取り組んでいるところです。
―残りの50点はどのようにしたら取れますか?
坂口:もっと実力をつけて、勉強もしっかりやって、サボらないようにすることですかね。私は、結構プレー中サボってしまうことが多くて、膝を曲げればとれる球なのに曲げなかったりして・・・・・そこは私の課題です。
―もし、明日からビーチバレーができなくなってしまったら、どうしますか?
坂口:いつか、またビーチバレーができることを信じて、トレーニングはします。
あと、バイトです。
―興味のあるバイトはなんでしょう?
坂口:今まで、うどん屋とカラオケ店で働いたことはあります。カラオケ店では、お客さんが入ってきた時に「いらっしゃいませ~、アロハ~」と言っていました。ホントですよ。(笑)アパレル関係に携わってみたいです。
―1人の人間として坂口さんの生きていく上でのモットーとは何ですか?
坂口:常に笑っていたいです。笑っていた方が、自分自身が楽しいです。
中学生の時にテンションが上がらなくて、無理やり口角を上げてみたんです。
そうすると、不思議なことにハッピーになったんです。それは、今でも実践しています。(笑)
―どんな人生を送って行きたいですか?
坂口:キラキラしている人生です。どういう意味かというと、常に自分のやりたいことをやって、それに対して一生懸命取り組んでいきたいです。
―座右の銘を教えてください?
坂口:“可能性は無限大”です。何事もやればできると思っています。
―読者の方へのメッセージをお願いします。
坂口:ビーチバレーはとても楽しい競技なので、ぜひ興味を持って試合を見て下さい。
学生の皆さんは、しっかり学校に行って勉強してください。これからの日本の為に一緒に頑張りましょう!


編集後記:
一生懸命に生きることは素晴らしいことです。でも、本当に好きなことじゃないとそうはなれませんよね。ぜひ、みなさんも自分なりの夢中になれるものを見つけてください。

取材協力:一般社団法人川崎ビーチボールクラブ http://www.kawasaki-beach.or.jp/
有限会社オフィスプライヤ
取材:梶裕太 編集 高橋祐貴

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