輝き人! NO.1 山崎あおい / aoi yamazaki

“二兎追うものは一兎も得ず”
ということわざがありますよね。
普段生きている中で時間も体力も有限です。
一日は24時間しかないし、夜になれば眠くもなります。
何気なく“取捨選択”に迫られ、何かを犠牲にしていませんか?
“二兎追って二兎得る”
そんなことができる人生って素敵じゃないですか?
今回は、「輝き人!」として
学業の傍らシンガーソングライターとして活躍する山崎あおいさんを紹介します。

-PROFILE-
山崎あおい
Yamazaki Aoi
1993年8月28日生まれ 北海道出身 O型
シンガーソングライター
慶應義塾大学環境情報学部4年
13歳からギターを始め、2012年夏にメジャーデビュー。
作った曲は多くのCM等で採用されるなど、業界注目の輝き人!。
今年からは楽曲提供にも挑戦し、マルチな才能をみせている。

interview

―まず初めに、山崎さんがご自身の曲に描いている世界観をお聞かせ下さい。

山崎:切ない感情が好きです。明るくて弾けちゃうとか、どんなに辛くてもどん底から這い上がれちゃうような感じでは無く、ちょっと可愛いぐらいの切なさを描きたいと思っています。
―音楽を通して、伝えたいものは何ですか?
山崎:メッセージというよりかは、普段感じたものを綺麗に残したいと思っています。
聞いた人がそれぞれの記憶の中で、BGMとして残ってくれる・・・そんな曲を書きたいです。
―そもそも、音楽を始めたきっかけは何でしたか?
山崎:中学1年生の時に見た『タイヨウのうた』という映画で、YUIさん演じる主人公の姿に憧れたのがきっかけです。
―14歳の頃から曲を書き始めたと聞いているのですが、その頃はどんな曲を書かれていたのですか?
山崎:恋愛経験は全く無いけど、ラブソングを書いていました。
―現在書かれている曲と違う点はありますか?
山崎:当時は曲を作り始めたばかりで、曲を曲らしくすることで精いっぱいでした。あと、歌詞を見ると「若いな~」と感じます。(笑)今は曲作りにも慣れ、歌詞と年齢が近付き、等身大の曲を書けるようになりました。
―音楽を始めてから、ずっとひとりで活動なさって来たのですか?
山崎:高校生の時に、バンドを組んでいました。でも、その時も「将来は独りでやっていくんだ!」と決めていました。

―どうして、ひとりでやっていこうと思ったのですか?
山崎:歌を一番にやっていきたいと思っていて・・・でも、バンドだとお互いの人生を背負わなくてはならないですよね?正直、他人の人生を背負うのは、自分には荷が重かったです。
―ひとりだと負担は多くないですか?
山崎:負担に感じたことは無いです。ひとりの方が気楽です。(笑)
―ひとりが好きな様ですね。
山崎:でも、友達と遊ぶことも好きです。(笑)音楽仲間と遊ぶことが多いです。
ディズニーランドが好きです。制服が無い高校だったので、制服ディズニーが出来ないのが残念です。(笑)箱根なども行きますね。
―どなたと遊ばれることが多いのですか?
山崎:良く遊ぶのは、AKBの中村麻里子さんです。ギターを持つ女の子同士が集まってライブをする機会が多いので、新山詩織ちゃんや同じ北海道出身の住岡梨奈さんとも仲が良いです。
―そういえば、山崎さんはAKBが好きだと伺っておりますが、どうしてですか?
山崎:単純に・・・かわいいからです。
―ご自身は、AKBに入ろうかとは思わないのですか?笑
山崎:思わないですね。真逆にいる人種だと思うので・・・(笑)
―山崎さんも素敵な方だと思います。
―ところで、いつ頃からプロとしてやって行くことを決めたんですか?
山崎:特に“この時期”というものは無いです。曲を書いているうちに、やるなら大きいフィールドでやりたいと思うようになりました。多くの人の前で歌いたいし、CDも多くの人に買ってもらって、たくさんの方に自分の曲を聴いて欲しいと思いました。そういう中で、必然と“ミュージシャン”というところに辿り着きました。
―高校在学時からミュージシャンとして活躍なさっていた山崎さんですが、大学に進学された理由は何だったのですか?
山崎:正直なところ、行く必要はありませんでした。しかし、大学という所に興味があって。くわえて、「大学生の目から見た社会ってどうなんだろう?」そんな疑問を抱いていました。私自身、勉強が大嫌いというわけではないので、”行ってみようかな”と思いました。
―加えて、環境情報学部に進学された理由をお聞かせ下さい。
山崎:まず、”慶應”という大学に惹かれていました。私の中では私大で凄いところというイメージがあって・・・それで、友達と説明会に行った時に、音楽や映像などのモノを創ることを専門にできる学部が湘南にあると聞いて、「ここに行けたらな~」と思いました。湘南という場所にも興味がありました。(笑)でも、全然受かるとは思ってなかったです。本当にラッキーでした。

―大学進学と同時に上京されましたよね.
北海道から東京にくる時に不安とかはありましたか?
山崎:ゴキブリが怖かったです。北海道ではゴキブリはでないので。あと、東京の人は怖いという勝手な先入観がありました。実際はそんなことはなかったです。
―北海道と聞くと寒いイメージがあるのですが、北海道出身の山崎さんにとって東京は暑くないですか?
山崎:そうですね。東京は暑いです。今にでも、北海道に帰りたいです。(笑)アスファルトによる暑さが苦手です。
―沖縄には行ったことはありますか?
山崎:はい、あります。沖縄くらいにもなると、逆に吹っ切れちゃいます。(笑)
―それは意外ですね。
山崎さん自身は、故郷である北海道の魅力をどのように感じていますか?
山崎:皆さん、ゆったり生きていると思います。時間にルーズでもあったりするのですが。(笑)あとは、地元があったかいです。家族や友達など、多くの方々が寄り添ってくれている感じがあります。
―多くの方に支えられるというのは幸せですよね。
―山崎さんの大学生としての側面が気になるのですが、大学では主に何を勉強していますか?
山崎:大木聖子先生のゼミに所属し、防災について勉強しています。地層を見に行ったり、幼稚園や小学校で防災教育を行っています。
―山崎さんも授業をされたことはありますか?
山崎:はい。東北の小学校で授業をしました。
―高校と大学の違いをどのように感じていますか?
山崎:高校は狭い場所だったと思います。大学では、英語を話せる人がいたり、常に面白いことを求めている人がいたりなど色んな人々が集まっていて広い場所であることを常々実感しています。
―テスト前は勉強に追われる一方で、音楽もやらなくてはいけないですよね。
―そんな時に音楽をやっていなければ良かったと思う時はありますか?
山崎:SFC自体にテストというものは、全然無くて。小テストやレポートがメインですかね。レポートが積み重なった時は大変ですが、「音楽をやっていなければ良かった」とは思いません。むしろ、「この授業を取らなければ良かった」と思います。(笑)
―ズバリ、勉強は好きですか?
山崎:好きでは・・・ないです。(笑)でも、興味のある科目は楽しいです。ゼミがそのうちの一つです。でも、プログラミングの授業が必修だったのですが、パソコンを使うこと自体が苦手な私にとっては苦痛でした。(笑)
―でも、作曲なさる時にパソコンは使いますよね?
山崎:一応、作曲のソフトはあるのですが、基本的にはアコギ一本で作っています。アナログな感じでやっています。(笑)

―山崎さんは大学4年生ということで、大学生生活も残りわずかとなって来ました。
卒業までにやりたいことはありますか?
山崎:大学生っぽいキラキラしたキャンパスライフに憧れています。ドラマの『オレンジデイズ』のような。なので、ドライブなど行きたいです。
―ドライブがお好きなんですね。
山崎:はい。もっぱら、私は運転する側ですが。都会を運転するのは怖いので、田舎の方ばかり行ってました。(笑)
―音楽以外の分野で挑戦したいと思っていることはありますか?
山崎:英語が喋れるようになりたいです。高校までは筆記テストがメインですよね。その時はそこそこ出来たのですが、大学に入ってから英語を話せる友達がいるのに自分は全然話せなくて、コンプレックスを感じちゃいます。(笑)
―英語力を伸ばすには英語に触れることが大事ですよね。
洋画を見たり、洋楽を聞いたりしますか?
山崎:しますね。洋画はE.T.が特に好きです。ハリウッド全般はよく見ます。曲は、ジャンルにこだわらず何でも聞きます。
―幅広いですね。
さて、ここからは山崎さんの更なる内側に迫っていきたいと思います。
まず、アーティストとして心掛けていることをお聞かせください。
山崎:きれいなメロディーと分かりやすい歌詞は、常に意識しています。ポップな曲を作って行きたいです。
―尊敬するアーティストは誰でしょうか?
山崎:スピッツの草野マサムネさんです。母もすごい好きなんです。私達の世代にも受け、母世代にも受けていて、いつの時代でも新しいと感じられる曲を作っていらっしゃると思います。そのような、いつの時代でも普遍的に人の心に響いたり、グッとくるような“時代の名曲”を書くことが私の夢です。
―音楽をやっていて良かったと思う瞬間はありますか?
山崎:私自身、出来ないことが多い人で・・・たとえば、授業などで人前で話す機会で失敗したりします。でも、そんな時に、「私には、音楽がある!」って思えるんです。何か辛いことがあっても、自分には音楽があって、曲にすれば報われるって思えることですかね。
―逆に、今までで一番辛かったことは何ですか?
山崎:特に”これが辛かった”というものはありません。曲を作って歌っていれば、いつでも楽しいです。「毎日、最高!」という感じです。(笑)

―音楽が本当に好きなんですね。
アーティストとしての成功を感じる瞬間はありますか?
山崎:まだ無いです。でも、ワンマンライブだと、私の曲が好きな人しか来ないですよね?私の曲が好きな人がたくさん集まって、私もそんな人々の前で歌うことができる。それって、中学生の時に夢にみた光景だと思います。
―ご自身に点数をつけるとしたら、何点ですか?
山崎:5点くらいです。
―5点ですか?
山崎:自己評価は、いつも低めなんです。(笑)
―どうしたら、100点になると思いますか?
山崎:良い歌詞を書けて、納得のいくレコーディングができて、その曲を聞き直した時に「やったな!」と思えれば、100点になると思います。
―曲は何回も聞き直すんですね。
山崎:そうですね。“ここのギター、すごくいいな!”とか思いながら、聞いています。
―シンガーソングライターならではの悩みとかはありますか?
山崎:ムダに感傷的になってしまうところですかね。辛いことや悲しいことなどがあった時に、その感情を歌詞っぽくしてしまい、気分が沈んでしまうことはよくあります。あとは悩みではないのですが、ちょっと上手いことを言うと「さすが、シンガーソングライターだな!」って言われちゃいます。(笑)
―生きていく上で、心掛けていることはありますか?
山崎:まっすぐに生きていきたいです。でも、逸れるなら、全力で逸れたいです。また、色々なものを詰め込みすぎて訳の分からない人生に憧れています。何かをするために何かを犠牲にするのでなく、取り敢えず全部やってみたいですね。それでもって、出来なかったら、やめてもいいと思います。
―ズバリ、将来の夢は何ですか?
山崎:誰でも口ずさめる曲を作ることです。
―最後に、記事を見ている学生にメッセージをお願いします。
山崎:スタートダッシュが肝心だと思うので、早い時期に友達をたくさん作って下さい。
あと、ライブに遊びに来て下さい。CDも是非買って下さい。(笑)
編集後記:
“両立”というワードがぴったりな方だと思います。でも、これって一番難しいですよね。“自分の軸というものをしっかり据えて、本気になれるものをストイックに求めていく。全部やりたいなら、全部やればいい。”そんなことを教えられた取材でした。

取材協力:株式会社 ヤマハミュージックパブリッシング
山崎あおいオフィシャルウェブサイト  http://yamazakiaoi.jp/


取材:梶裕太  高橋祐貴

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