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ライターにおすすめのタスク管理ツール3選:Trello、Asana、MeisterTask

最近、ライター仲間から「お仕事のタスク管理って、どんなツール使ってます?」と聞かれたので、オススメのツールを整理してみました。

実は私はタスク管理が大の苦手で、私の仕事人生はそのまま「タスク管理との戦いの歴史だった」と言っても過言ではありません。タスク管理ツールも、本当にいろいろなものを試してきました。

今回はその中から3つにしぼって「これは使いやすかったな」と思うツールをご紹介します。

※価格や機能などは記事執筆時点(2022年6月)のものです。


1. 無料でも機能充実!直感的に使える「Trello」

Trelloは「カンバン」という方式でタスクを管理するツールです。リリースは2011年で10年以上の歴史を誇るツールなので、名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。


Trelloでは、まず「ボード」と呼ばれるホワイトボードのような画面に、付せんを貼るようにペタペタとタスクを貼っていきます。この付せんは「カード」と呼ばれます。

カード(付せん)はグループ分けをして管理します。このグループ分けは「リスト」と呼ばれます。

このようにカードとリストを使ってタスクを管理することで「どの状態のタスクが、どれだけあるのか」を一目瞭然にできるのが特徴です。


実際の画面は、以下の動画をご覧ください。(Trelloの運営元企業である、アトラシアン社の公式YouTubeチャンネルです。)

1-1. メリット

  • 付せんを貼るように、直感的にタスクを整理できる。

  • 個人で使うなら無料版でも十分な機能なので、コストがかからない。

  • GoogleドライブやSlackなど、他のツールとの連携機能が豊富なので、やりたいことが増えたときにどんどん広げられる。


1-2. デメリット

  • タスクの分解が適切にできないと、画面がカードであふれかえってしまいがち→数が多すぎて管理しきれず挫折しがち。

  • 画面の切り替えや連携機能を使うときの動作が若干モッサリしており、待たされる感じがある。

  • カンバン方式以外のタスクの表示方法がない。※PREMIUM以上のプランなら表示の切り替えが可能。連携アプリを使うという方法もある。


1-3. 所感

「無料版でこんなに使えちゃっていいの?」と思うほど、基本機能は一通り使えますし、結構カスタマイズもできちゃうツールです。

付加機能を使うために有料版にしたとしても、STANDARDが月額6ドル、PREMIUMが月額12.5ドルなので、個人でも払いやすい金額です。


カードを並べて管理するので視覚的に分かりやすい一方、タスクが増えたときにはうまく管理しないと画面がすぐいっぱいになってしまうので、慣れるまでは結構苦労しました。

Trelloでは、タスクを以下の単位でまとめることができます。

1. チェックリスト(タスクをまとめたもの)
2. カード(チェックリストをまとめたもの)
3. リスト(カードをまとめたもの)
4. ボード(リストをまとめたもの)
5. ワークスペース(ボードをまとめたもの)

最小が1←→最大が5

Trelloの使い方を調べると「1タスク=1カード」で管理している例が多いのですが、それにとらわれず自分の業務に合わせてタスクの分解が適切にできるかどうかが、Trelloを使いこなせるかどうかのキモになってくると思います。

ちなみに私は以下のように管理していました。

・お客様ごとにボードを作る
・ボードの中で、記事の案件ごとにリストを作る
・リストの中で、記事制作の具体的なタスクをカードとして作る(例:構成案作成、下書き、推敲、キャッチ画像作成、WordPress入稿)

現在、お仕事の案件管理は次にご紹介するAsanaをメインに使っていますが、一部のお客様とはTrelloでやり取りをしており、今でもお世話になっているツールです。


2. プロジェクトをガッツリ管理・分析するなら「Asana」

AsanaもTrelloと同じく、タスク管理ツールの中では伝統的な部類です。

リリースは2008年でTrelloよりもさらに古く、当時は「Facebook社(現Meta社)の創業メンバーが独立して作ったタスク管理ツール」ということで脚光を浴びていました。


リリース当時はシンプルなチェックリスト方式のタスク管理ツールだったと記憶しているのですが、私が使い始めた2020年には大きく進化を遂げており、さまざまな機能が使えるようになっていました。

とは言えそこまで難しく考える必要はなく、

タスクをどんどん書き出して一覧を作り、それぞれのタスクに期限(締め切り)を設定し、期限が近いものから順番に処理する

という、タスク管理のベーシックな使い方がしやすいツールだと思います。


実際の画面は、以下の動画をご覧ください。(Asana公認のアンバサダーである萩原 雅裕さんの動画が分かりやすかったのでご紹介します。なおAsana公式のYouTubeチャンネルは英語版だけでなく、日本語版のチャンネルが別に用意されています。)

2-1. メリット

  • 動作が軽くサクサク操作でき、使っていて気持ちいい。

  • プロジェクトをさまざまな角度から分析できる。

  • 無料版でも、タスクが一覧になった「リストビュー」、Trelloと同じようなカンバン方式の見た目である「ボードビュー」、そしてタスクをカレンダー上で表示する「カレンダービュー」を切り替えて使うことができる。


2-2. デメリット

  • タスクの中に最大で5階層まで「サブタスク」を作れるが、こだわるとどんどん細かくなって、管理しきれず挫折しがち。

  • Trelloと比べると無料版でカスタマイズできる範囲が限られており、やりたいことが増えてくると有料版にするしかない。

  • チームで使うことが前提のツールのため、有料版が2名以上でないと契約できない。(1名で使うときにも、最低2名分の料金を払う必要がある。)


2-3. 所感

Trelloと同じく、自分一人で使うなら無料版でも十分に使えてしまうツールです。ただ直感的にすぐ始められるTrelloと比べると、チュートリアルがやや複雑で、取っつきにくい印象を受けるかもしれません。


個人的には、Asanaはタスク管理ツールというよりも、ExcelやGoogleスプレッドシートのように、「タスク」というデータを用いて、あれこれ分析するためのツールとして使うことで真価を発揮するのではないかと思っています。


Excelやスプレッドシートは、入力されたデータの一覧を元にさまざまなグラフを作ったりデータを集計したりすることができます。

これと似たように、Asanaは入力されたタスクの一覧を元に、以下のような分析を行うことができます。


私は複数のプロジェクトをマルチタスクで効率良く進めるためにAsanaを使い始めました。そのためには「ワークロード」や「ポートフォリオ」の機能が必須だったため、最上位のBusinessプランを契約しています。

ただデメリットで書いたとおり、1名で使うときにも最低2名分の料金を払う必要があるため月額6,600円かかっており、あまり万人にオススメできる使い方ではありません(笑)


以前はTrelloといくつかのツールを連携させてプロジェクトを管理していたのですが、設定が面倒だったり動きが遅かったりするうえ、個々のツールの料金を積み重ねていくと結局それなりの金額になっていました。

であれば、サクサクと気持ちよく使えて、一つのツールで完結できた方が良いのではと考えて、今のやり方になっています。


3. 記事の構想からタスク管理まで一気通貫「MeisterTask」

最後にご紹介するMeisterTaskは、Trello、Asanaとはちょっと違う視点からのおすすめしたいツールです。

このツールよりも、マインドマップツールのMindMeisterの方が名前を聞いてピンとくる方が多いかもしれません。

MindMeisterは2005年のリリースで、マインドマップツールとしてはかなりの老舗。そのマインドマップと直接連携してタスク管理ができるのが、2015年にリリースされたMeisterTaskです。

Trelloと同じカンバン方式で直感的にタスクを管理できます。画面のデザインがオシャレで、今回ご紹介した3つのツール中では個人的に一番好みです。

実際の画面は、以下の動画をご覧ください。(MeisterTaskの運営元企業である、Meister Labs社の公式YouTubeチャンネルです。英語版しかありませんが、日本語字幕が付いています。)

3-1. メリット

  • 見た目がポップで分かりやすく、Trelloよりもさらに直感的に使える

  • マインドマップツールと直接連携してタスクを管理できる。(この後「3-3. 所感」で詳しくご紹介します)


3-2. デメリット

  • カンバン方式以外のタスクの表示方法がない。※ビジネス以上のプランなら「タイムラインビュー」が使えるが、それ以外のビューはない。

  • 無料版では他のツールとの連携機能が使えないため、GoogleカレンダーやSlackなどと連携したければ有料版にするしかない。


3-3. 所感

実は「ライターが記事制作の案件を管理する」のに一番いいのではないかと思っているのがこのツールです。理由はメリットでもご紹介したように、マインドマップツールのMindMeisterと直接連携してタスクを管理できるからです。

連携機能の実際の画面は、以下の動画をご覧ください。(MeisterTaskの運営元企業である、Meister Labs社の公式YouTubeチャンネルです。マインドマップの解説動画ですが、動画の6:56以降でタスク管理の連携機能について解説されています。)

私はマインドマップを使って記事の構想を練ったり骨子を作ったりしています。

マインドマップはアイデアの深掘りがしやすく、アイデアを出した後に全体を見渡して整理するのにも向いています。それまでは付せんやアウトライナーなどいろいろ試してきたのですが、マインドマップが一番しっくりきています。

MindMeisterとMeisterTaskを連携すれば、まずマインドマップで記事の構想・骨子とともにやるべきタスクを書き出し、そこから直接タスク管理ツールへと連携して管理することができるので、とてもスムーズなのです。

現在、私はプロジェクトの管理・分析を結構マニアックに行っているのでAsanaを使っていますが、もし「これからタスク管理を始めたい」というライターの方にどれか一つタスク管理ツールをオススメするのなら、MeisterTaskが一番良いのではないかと思っています。


4. まとめ:自分に合った仕事道具を見つけよう

カオスマップを見ても分かるとおり、タスク管理ツールは本当にさまざまな種類があり、どれを使ったら良いのかお悩みの方も多いことでしょう。

私もこれまでに数多くのツールを試してきました。何回も挫折を味わいましたし、ときにデジタルツールを使うことに疲れて、手帳や付せんでアナログに管理してみたりもしました。

画像引用元:【2020年度版】タスク管理ツール全まとめ│タスク管理大全|https://task-management-compilation.com/toollist/


私は現代のビジネスマンにとって、タスク管理ツールはまさに仕事道具だと思っています。

大工の七つ道具のように。
漫画家や小説家がこだわりのペンを持つように。
プロ野球選手が自分に合ったグローブやバットを追い求めるように。

タスク管理ツールも試行錯誤して、自分の手になじむものを見つけることが大切ではないでしょうか。

ライターの皆さんが自分の手になじむ仕事道具=タスク管理ツールを見つけられるよう、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

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