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[来日公演間近] (Interview)Tramhaus - 巨大な柱が地面に打ち込まれる音が4年間毎日僕のサウンドトラックだった -

本記事の最後にSchool In Londonが主催するTramhaus日本公演のサポートを募っています。もし宜しければ是非ご確認をしてください。
※終了しました。沢山のサポートの申し出をありがとうございました。

パンデミック禍の2020年に結成されたオランダ・ロッテルダムを拠点に活動するTramhausは日本ではまだ無名な存在ではあるが、結成から瞬く間にヨーロッパのインディーギターロックのシーンから注目される存在となった。実際に早くもThe Great EscapeやハンガリーのSziget Festival等のビッグ・フェスティバルにも出演している事実がバンドの成長のスピード感を物語る。2023年10月19〜21日の期間で彼らの本拠地ロッテルダムで開催されたサーキットフェスティバルLeft Of The Dialでのこの盛り上がりっぷりよ。

Viagra Boysのような荒々しいパンクスもあれば、メンバーとオーディエンスが一体となるフロアにはBlack Country, New Roadのような親近感のある俺たちのヒーロー感。

ここ数年、サウスロンドンのそれと共鳴/対抗するようにオランダのインディーシーンに大きな地殻変動が起きていると話題になることが多い。Personal TrainerやLewsbergを筆頭に豊富な人材とバリエーションに富んだ才能、そして僕らを夢中にさせる熱気がオランダの地で開花している。ギターを鳴らす若者がいて、フラストレーションを抱えた人々はその場所に集まり踊る。

そうした磁場の中で、ここ数年で急速に頭角を現してきたのがTramhausだ。勢いに乗る彼らは、日本ではまだあまりレコードも流通していない状況ではあるものの、早くも来日公演を行う。
そして、僭越ながら彼らのジャパンツアーの内の2公演を私が運営しているSchool In Londonで主催させて頂く運びとなった。

純粋に彼らを知ってもらい、ライブを観てもらいたい。今のタイミングで彼らのライブを観れる人はその事実をきっと後々に誇りに思ってもらえるはずだ。彼らを知ってもらい、一緒にドキドキしてくれる人が少しでも増えることを願いつつ、この日本公演をもっと盛り上げていきたいという狙いから彼らへのメールインタビューを実施し、フロントマンのLukasが回答をしてくれた。

──Tramhausはどのような経緯で結成されたバンドでしょうか?メンバーはこれまでにも音楽活動をされていましたか?

2020年後半にナジャ(Gt.)の発案で結成したんだ。メンバーのほとんどがサービス業や音楽関係の仕事をしていたから、新型コロナウイルスのロックダウン中、みんな時間を持て余してた。音楽の新プロジェクトを立ち上げるってナジャが思い立って残りのメンバーを集めたんだけど、メンバー全員ロッテルダムの音楽シーンを通じてお互いちょっと知ってたっていう感じかな。ジム(Drs.)とミシャ(Gt.)はGoodnight Moonlightで一緒にプレイしていたし、僕(Vo.のルカス)もミシャ(Gt.)とPig Frenzyってバンドをやっていた。ナジャは当時Vulva(女性二人組のエクスペリメンタル・パンク・デュオ)でプレイしていたし、ジュリア(Ba.)はよくライブの撮影をやっていた。ロッテルダムのシーンって小さいから知り合いになるのも早いし、よく顔を合わすよね。

──結成間もなくして注目度の高いイベントやフェスティバルに多く出演していますが、その躍進の要因を自分たちでどのように分析しているでしょうか?

ロックダウン中はどこもライブをやってなかったからサウンドや曲を完成させる時間があったっていうのはあるよね。で、ステージで人前に立つ前から既に40分ぐらいの曲のレパートリーが出来上がっていて、今でもライブで演ってるよ。あとライブができなかったから、20分のライブセッション「Roodkapje Sessions」の撮影をした。ロッテルダムにあるRoodkapje(「赤ずきんちゃん」の意)っていうヴェニュー、ギャラリー兼ハンバーガーショップみたいなところで撮ったんだけど、シーンのみんなから愛されている場所だよ。今言った2つの要因が僕らの「成功」とされるものに大きく貢献したと思う。僕らは何でも緻密にプランニングする方で、バンドとしてのサウンドを丁寧に作り上げてきたつもりだけど、何もかもがあり得ないスピードで進んでいて、実際それが全部素晴らしいっていうことが、まだときどき信じられないよ。

──出演したイベントやフェスティバル等で興奮したり交流を深めた共演者はいるでしょうか?

去年のとある週末、カナダのCrack Cloudと同じフェスで3回演ったんだけど、初日に知り合って、2日目にビールを飲んで、結局最終日は1日中一緒にいた。似たようなことが去年の夏、フランスのSLIFTともあったな。他のミュージシャンやバンドと出会うのは、特にフェスのときとか間違いなく楽しいよ。あと要チェックバンドなんだけどアイルランドのGurriersともマジでいい友達になった。最初に会ったのはLeft of the Dial(ロッテルダムで開催される新人バンドのショーケース的音楽フェス)だったんだけど、ロッテルダムでTramhaus史上最大のクラブショーをやったときオープニングアクトまで務めてくれたんだ。あれは最高だったな。彼らとは今年の夏、少なくとも5回(?)は会っているんじゃないかな。

──Biographyにはポストパンクを愛するというメンバーの共通点があると書いてあります。それぞれのメンバーが普段アクセスする音楽は近いのでしょうか?

こういう質問っていつも答えるのが難しいんだよなぁ。個人的にはポストパンクって言葉がちょっと使われ過ぎてる気もするけど、メンバー全員オルタナティヴロックやポストパンクの新しめのバンドは大好きだよ。でも移動中のヴァンで何を聴くかって話になると、それはもう何でもアリなんだ。だけどそういうのが刺激になったり、クールに決まったりするんだと僕は思ってる。音楽をシェアするって最高なことだよね。特に、その音楽にあんまり興味ない人がいて、でも何でその曲が好きなのか解説したら突然ピンときて好きになるとか!数ヶ月前、僕の運転中にジムがYo La Tengoをかけていたとき、それが起こった。以前からYo La Tengoは移動中のヴァンでヘビロテされていたけど、突然ハマったんだ。今じゃほぼ毎日聴いているよ。Yo La Tengoって実は僕らと同じ時期に日本でツアーをしているけど、残念ながら観られそうにないんだ。

──日本からオランダの音楽シーンを知る上で良い方法があれば教えてください。オランダにはTramhausの他にもPersonal TrainerやLewsbergなど多くの素晴らしいアーティストが活動されていることを理解していますが、So Young Magazineなどイギリス経由で知る傾向にあり、もっと直接的に知る良い方法があれば提案して欲しいです。ちなみに、私自身はTramhausをBig Love Recordsの仲さんから教えてもらいました。

おお!Big Love Records、大好きだよ!機会があれば絶対寄ろうと思っている。オランダの音楽シーンについては、ちょっと難アリなところもあるかな。新しいバンドを発掘できるプラットフォームは限られていて、規模も本当に小さいから音楽シーンも小さいし、そういう意味ではつじつまが合ってはいるんだけど、良い音楽がこんなにあるのにどうしてそれがもっと大規模なプラットフォームに乗らないのか、残念ではあるよね。だからオランダのバンドはすぐ海外へ出たがるヤツも多いのが現状で、もちろんイギリスはライブ先として人気だね。あとオランダのクールな音楽をチェックしたければ、Søwt、Neighbours Burning Neighbours、Kalaallit Nunaat、Iguana Death Cult、Real Farmer、Library Card、Schau Schau、Marathonをチェックしてみて。たぶん今言い忘れたバンドがもっとあるだろうけど。

──例えば、同じくオランダのバンドであるPersonal TrainerはSports Teamが運営するHolm Frontからリリースをしたり、Pip BlomはNice Swan RecordsやHeavenly RecordsからのリリースがあったりとUKのシーンとの親和性を感じたりもします。そうした見解に対してどう思いますか?また、オランダのギターバンドのシーンについての考えがあればあわせて教えて欲しいです。

イギリスで彼らが成功したのはとても良かったと思う。どちらのバンドも本当によく頑張っていたし、その成果が出ている!当然の結果だろうね。でも、イギリスにフォーカスし過ぎたヴィジョンについては正直ほろ苦い気持ちになることもある。ときどき思うんだけど、僕らって自分たちのことをあまり良く言わないことが多いけど、もっと自分たちの周りのシーンに誇りを持つべきじゃないのかな。ロックダウン中はオランダでもたくさんの新しいバンドが出現したし、実際に僕が気に入ったバンドのほとんどがオランダ出身のバンドだったってこともあった。イギリス進出に関してしばらく待機していたのもそういうのが理由で、UKツアーをしようと躍起になるんじゃなくて何が来ようとただ流れに身を任せていたら、結果的にフランス、スペイン、ポルトガルや中央ヨーロッパになった。どの国にも素晴らしいシーンがあったし、みんなすごく親切でよくしてくれた。2月に初のUKツアーをやる予定で、それがどう転がるかすごく気になっているよ!

──あなたたちのクリエイティビティの源に音楽以外の要素があれば教えてください。

僕は詞を書くから、マジでどんなものからでもインスピレーションを得られるよ。でも社会情勢とか、人が人生でどう物事に対処するのかにインスパイアされることが多いかな。音楽面だと、道路工事のビートの繰り返しとかちょっと軋むような音だったり、街の喧騒からインスピレーションを得ることもできる。オランダには「heipalen」っていう巨大な柱があって、地面に打ち込んで超高層ビルの基礎として使うんだけど、12歳から16歳まで、通学で降りる駅のすぐそばに高層ビルが建設されていて、その巨大な柱が地面に打ち込まれる音が4年間毎日、僕のサウンドトラックだった。BPM90で鋼鉄がクラッシュするノイズですげーうるさい。めちゃインスパイアされたりもしたな(笑)、まぁほとんどの場合、迷惑でしかなかったけど。

──2023年2月から色違いなジャケットの7inchシングルを3作連続でリリースしましたが、この連続リリースにはどのような意図があるのでしょうか?

EP「ロッテルダム」をリリースした後、手元にまだ数曲残っていて、すぐに新作をリリースできる状態だった。でもメンバー全員まだデビューアルバムを出すタイミングじゃないと感じていたから、残りの未発表曲を7インチのディスク3枚に分けてリリースして、白紙の状態でデビューアルバムを制作することにしたんだ。そういうふうにしたことにはとても満足している。去年の夏にデビューアルバムを書き上げ、レコーディングして、それが他の作品から全く独立したものになっているから。

──バンドの今後の展望について答えられる範囲でよいので教えてください。

来年はイギリスとアメリカに行って、ヨーロッパでとても楽しいフェスの夏を迎える予定。そのあとデビューアルバムを発売して、リリース記念にヘッドライナー・クラブツアーを大々的にやるつもり。具体的なプランはまだちょっとはっきりしてないけど、間違いなくヨーロッパとイギリスは回るだろうね。もしかするとアメリカ、それにアジアも?この二つの初めましてがどうなるかに注目しよう!(笑)

──現状では日本でTramhausのレコードはまだなかなか流通していないので、今回のジャパンツアーはかなりチャレンジングな試みにも思います。私も東京と大阪での2公演をサポートさせて頂きますが、そもそもこのタイミングで日本でライブをしようと思ったきっかけはあるのでしょうか?

実は1年前、とあるインタビューで僕らにとって最大の夢は何かって聞かれたんだ。日本でプレイすることっていうのがバンドの最終的な答えだったんだけど、そしたらアジアでかなりアクティブに活動しているMentha & Partnersのドンにパリで出会って、突然その夢がそれほどクレイジーなものじゃなくなったんだ。そして、真面目に考え始めたら何とかなった!あとジムは日本語が話せるし、もう何回か日本に行ったことがあるから、バンドには専属ガイドも付いている(笑)休暇だけを楽しむためにちょっと長めに日本に滞在するつもりだよ。

──ジャパンツアーを発表後、Tramhausを知った人や好きになった人は日に日に増えていると思います。日本でのライブに向けての意気込みがあれば教えてください。

日本に呼んでくれて本当にありがとう。メンバー全員ライブでみんなと会えるのを楽しみにしているよ。ライブに来て気軽に声を掛けくれよな!今回の旅を僕らはとてもとてもとても楽しみにしているし、きっと僕はジャパンツアーのことを、この先そう簡単には忘れないはずさ!

Tramhaus Japan Tour 2023

( 9th November at Private Show )
10th November at 月見ル君想フ TICKET
★11th November at Circus Osaka TICKET
12th November at Alffo Records Door Sale Only
(Tramhaus DJ Set / OSAKA AFTER PARTY)
★14th November at 下北沢BASEMENTBAR TICKET

※★マークがSchool In Londonの主催公演となります

■Tramhaus Member
Lukas Jansen  (vocal)
Nadya van Osnabrugge (Guitar)
Micha Zaat (Guitar)
Julia Vroegh (Bass)
Jim Luijten (Drums)

■HP:https://tramhaus.com/
■X(旧Twitter):https://twitter.com/TRAMHAUSrtm
■Instagram:https://www.instagram.com/tramhaus.rtm/

School In Londonが主催する11月11日(土)のCircus Osakaでの大阪公演と11月14日(火)の下北沢BASEMENT BARでの東京公演のチケットはこちらからご購入ください🙏


是非、皆さまお待ちしております!

下記のサポート募集は終了しました。沢山のサポートの申し出をありがとうございました🙏

当日、School In Londonの主催公演にこの記事を読んで来た、や、Big Love Recordsの仲真史さまのTALK ROOMや記事を読んで来た、と私に言ってくれた方には上に掲載したTramhaus Japan Tourのポストカードを進呈しますので是非声をかけてください!

また、来日公演に行きたいけど行けない方の中で「おまえらのサポートをしてやろう!」という方には仲真史さまのTALK ROOM内で提案いただいたようにチケット代と同額の4000円のサポートにて...

すでにレーベルサイトではソールドアウトとなっているTRAMHAUSのレア7インチ!

にメンバーのサインを入れ(+マル秘ブツ)送付させていただきます。ただしこちらはメンバーが提供してくれたすでに完売している7インチのため数に限りがあります。予定枚数を超え次第募集を終了させていただく場合がございます。ご了承ください。

7インチは全3種ありますがランダムにてのご提供となります。でももし「全種欲しい!」という方が無謀にも3口サポートくださった場合はもちろん3種送らせていただきます!(マル秘ブツももちろん3倍です)
サポート後に当方から送付先など確認の連絡をさせていただきますので何卒よろしくお願いいたします。


以上、ありがとうございました!!

村田タケル


翻訳協力:
(Never Get) Lost in Translation 様 🙏
HP: https://musicarticlestranslationjp.blogspot.com/
X(旧Twitter): https://twitter.com/voices365jp

サポートは全てSchool In Londonの活動(ブッキング費用、遠征費用)に使用致します。