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コロナ禍で移動手段を見つめ直したら オランダからVanMoofが(巨大な段ボールで)やってきた

この度、自転車大国のオランダが生んだハイテクe-BikeのVanMoofX3を購入しました。購入を検討する上でまだ情報が少ないと感じたので、購入から納車までを記事にしてみました。購入を考えている方の参考になれば幸いです。(特に段ボールのでかさは知っておいて損はないかと。)

※2021年6月3日追記 先日VanMoofより紹介プログラムの案内メールが届きました。新規購入する際に、紹介コードを入力するとアクセサリーやPeace of Mind保証(メンテナンス・盗難保証)に使える¥12,500相当の「VanMoofクレジット」がもらえるそうです。紹介者にも同額のクレジットが付与されます。文末に紹介コードを記載しますので、ぜひお使いください。

■VanMoofとは

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購入したX3

VanMoofはオランダの首都、アムステルダムに本社を置く自転車メーカーで、タコ・カーリエとティーズ・カーリエというオランダ人兄弟によって2009年に設立されました。工業デザイナーの経験がある二人が生み出すシンプルでスタイリッシュな自転車は、ユーロバイクアワード、レッドドット・デザイン賞など数々の国際的な賞を受賞しています。

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兄のタコ(右)と弟のティーズ

自転車界のテスラとも言われるVanMoofが、デザイン以上にイーロン・マスクを彷彿とさせるのは、これまでの自転車の常識を覆す独自のテクノロジーやサービスです。例えば、VanMoofの自転車に乗る上で鍵を持ち歩く必要はありません。スマホの専用アプリで自転車を起動して解錠、施錠するのです。

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専用アプリの画面

今っぽくてかっこいい!とときめく一方で、それって簡単に盗まれやしないか?と不安になります。

VanMoofは盗難に対する考え方も独自路線を採っています。まず、アプリでアラート機能をオンにしておくと、施錠時にちょっと動かそうとしただけでフレームのマトリックスディスプレイに犯人を威嚇するドクロマークが出現し、虎の鳴き声を参考にしたという警報音が鳴り響きます。

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盗難防止機能のイメージ

万が一盗難の被害にあっても、同社のバイクハンターがGPSで追跡して取り戻してくれます。2週間以内に回収できなかった場合は、年式や状態が同等以上の車体と交換してくれます。※別途3年間の盗難保証(34,000円)の申し込みが必要。

※2021年6月3日追記 盗難保証は45,000円に値上がりしているようです。

創業から10年が経ち、東京、ニューヨーク、ロンドンなど8つの国と地域にブランドストアを展開し、全世界で12万人がVanMoofの自転車を利用しています。Bloombergの記事によると、今年に入って新型コロナウィルスの感染が拡がると世界中で自転車通勤のニーズが高まり、注文数は過去最高を記録。生産も数ヶ月で倍増しているそうです。私自身、コロナ禍で購入を決めた一人です。

■とにかくかっこいい

私とVanMoofの出会いは6年ほど前に遡ります。当時仕事でタイのバンコクに住んでいたのですが、休日に訪れたバンコクのショッピングモール「サイアム・センター」のお洒落なセレクトショップにその自転車はありました。

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バンコクで一目惚れしたVanMoof Tiny 2.2。素材や色はこっちの方が好きだなぁ。

一目見てその格好良さに衝撃を受けました。無駄を排除したシンプルなフレームと、Macbookを彷彿とさせるメタリックなボディ。思わず「欲しい!」と思いましたが、トゥクトゥクやバイタク、自動車が行き交い、もちろん自転車レーンなんて整備されていないバンコクの道路を自転車で走る自信がなかったのと、帰国時に荷物になるので諦めました。

■オートマ電動自転車

その後も、一目惚れの衝撃を忘れることができず、ふとした時に思い出してはウェブサイトをチェックしていましたが、緊急事態宣言下の4月下旬に発表された最新モデルのX3がついに決断させてくれました。

なんと「e-shifter」なる電動オート変速機能が搭載され、電動アシストに任せてペダルを漕ぐだけで、勝手にギアチェンジまでしてくれるというのです。しかも前モデル(X2・S2)の43万円から大幅に安い25万円(税込、送料別)での登場。

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「e-shifter」内部の様子

それでも決して安くはないですが、電車移動が嫌いの私が自転車通勤に切り替えを決めるには十分すぎる条件が揃っていました。

■購入はオンラインのみ、試乗はブランドストアで

VanMoofは基本的に公式ウェブサイトからしか購入ができません。ウェブサイトの情報だけで9割がた心は決まっていましたが、実物を見ずに注文する勇気はなく、原宿にあるブランドストアで試乗してから購入しようと思いました。

ところが、非常事態宣言下でブランドストアが無期限の臨時休業となっており、完全予約制で試乗の受付を再開したのは1ヶ月以上が経った7月初旬。再開されてすぐに予約しました。

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VanMoof Tokyo(渋谷区神宮前)

待ちに待った試乗の日、楽しみすぎて早く着いてしまい30分ほど慣れない原宿の街を散策してから入店。念願のX3の第一印象は、「意外とでかいな」でした。大型のS3と並んだ写真の印象が強かったのと、バンコクで見たモデルが小さめだったこともあり、脳内で勝手に小型を想像してしまっていたのですが、普通にでかいです。

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S3(左)とX3

フレームも太く結構ゴツいです。バッテリーが内蔵されていることを考えると納得ではありますが。ウェブサイトや広告のモデルも、インスタなどにアップしている海外の購入者も体格の良い外国人なので、小さく見えていたというのもあると思います。ちなみにX3の推奨身長は155から200cm(S3は170から210cm)となっておりますが、推奨身長内の方であっても、実物見てからの購入をお勧めします。

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私(176cm)が乗るとこんな感じです。

■いざ乗車

試乗の持ち時間は30分です。まず注意事項や操作説明を聞き、サドルの高さを調整してもらったら試乗開始です。特にコースなどは決まっておらず、ブランドストア周辺を自由走行となります。

ワクワクと若干の緊張を感じつつ漕ぎ始めましたが、自転車に乗るのが自転車通学していた高校時代以来の十数年振りで、電動アシスト自転車に至っては初めてだったので、どれほど高性能なのかしばらく分かりませんでした。

次第にほとんど脚に力を入れずに漕いでいることに気付き、絶妙なタイミングでギアチェンジしてくれていることを実感します。電動自動車のようなウィーンというモーター音が心地よく聞こえ、その乗り心地の良さに思わずにやけていました。ブランドストアの周りは坂道が多いのですが、座ったままスイーッと登りきる感じは爽快でした。

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あっという間に時間となり、ブランドストアに戻ってスタッフさんに納車時期を尋ねると、海外で注文が殺到していて生産が追いついておらず、10月くらいになるとのこと。ある程度覚悟はしていたものの、3ヶ月も待つのかと若干テンションが下がりました。

■注文そして納車

試乗から数日後に、ウェブサイトからX3を注文。3年間の盗難保証(34,000円)を付けて、291,000円(送料込み)でした。当時は注文時に全額決済の一択でしたが、現在は予約金15,000円を注文時に支払い、残りは出荷時に引き落としという「後払い」も選べるみたいです。

※2021年6月3日追記 「後払い」は現在行っていないようです。また盗難保証は45,000円に値上がりしています。

注文後はウェブサイトのマイページから自分のオーダー情報を確認できるのですが、私の配送予定は2020年8月25日から2020年9月29日となっておりました。それからは毎日マイページを確認し、“Open”のまま変わらないオーダーステータスが変わる時を今か今かと待っていました。

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マイページのオーダー情報画面

注文からもうすぐ2ヶ月という9月初旬、出荷を知らせるメールが届きました。本文に記されているトラッキングナンバーをクリックすると佐川急便の荷物問い合わせページに飛びました。追跡番号を調べると、なんと家から車で10分ほどの配送センターに保管されているとのこと。

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出荷を知らせるメール

てっきり工場の最寄りの港から出港したくらいでメールが届き、船便で日本に届くのを「あと何日」とか言ってカレンダーに印でも付けて指折り待つものと思っていたのですが、まさかの配送工程の95%が終了した時点でのお知らせでした。

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オーダーステータスは「Done」になってました。

昼間に見知らぬフリーダイアルからの着信をスルーしていたことを思い出し、電話番号を検索すると佐川運輸系の引っ越し業者さんの番号でした。すでに営業時間を過ぎていたので翌日かけ直すと、配送日を指定してくださいとのこと。荷物のサイズが大きいので通常の荷物配送と違い、事前に配送日を決めてから搬入してくれるようです。その日は土曜日だったのですが、すでに週末の予約は埋まっていて最短で翌週の火曜日になると。

■軽い気持ちで引き取りに

VanMoofは完成した状態では発送してくれません。一部を自分で組み立てる必要があります。組み立て作業を考えると週末のうちに届けて欲しかったので、配送工程の残り5%、ラストワンマイルは自分で引き取りに行くことにしました。

ノリノリで車を運転し配送センターに到着すると、ひときわ存在感を放つ巨大な段ボールが待ち構えていました。やっと手に入るのだという実感と喜びに勝るとも劣らない、その大きさへの戸惑いを感じつつ受付を済ませると、優しいスタッフさんが台車に乗せて車まで運んでくださりました。

私の車はSUVで、後部座席を倒せばそれなりの積載スペースを確保できるのですが、あまりの段ボールのでかさに、車が近くにつれ「果たしてこれ入るのか?」という不安が私の頭を過ります。おそらくスタッフさんも同じことを考えていたでしょう。

運転席と助手席のシートを限界まで前にスライドさせて積載スペースを最大限に確保した写真がこちらです。

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ピッタリ感がお分かりいただけますでしょうか。この日のために私はこの車を買ったのだと思いました。

帰路の途中、今度は「果たして私はこれをひとりで部屋まで運べるのだろうか」という新たな不安が頭を過りましたが、ここまで来たらもう後には引けません。

最悪の場合、部屋に運び入れるのは諦めて住民の皆さまのご迷惑にならない共有エリアで組み立てることも選択肢にいれつつ、マンションに出入りする引っ越し業者さんの導線と運搬風景を思い浮かべてイメトレしていました。

イメトレが奏功し、なんとか我が家の前まで運び入れることに成功しました。ドアの前に置くとこんな感じです。

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でかい。

幅168cm、高さ88cm、奥行き26cm、シングルベッドくらいあります。車体の重量は約19kgですが段ボール自体が重いため、総重量は20kgを余裕で超えています。取手はありますが、なにせこの長さなので一人で運ぶのは結構しんどかったです。

ワンルームなどでは家まで配送してもらっても、室内に組み立てスペースを確保できないかもしれません。室内で作業できない場合の組み立て作業場を事前に決めておくと良いと思います。

■開封、そして組み立て

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作業場を決めたら開封します。

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こんな感じで格納されていて、黄色い紐を引っ張ると車体が出てきます。

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マニュアルとツールボックス。必要な工具は全て入っています。

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工具に紛れて、ピロピロ笛(吹き戻し笛)が入っています。ダッチスタイル?のシャレが効いていてほっこりしました。ちなみにこいつの出番もマニュアルに書いてあります。どこで使うかはお楽しみです。

マニュアルは日本語とイラストがあるので、分かりやすいです。「自転車を箱から出す」から数えて、タイヤやペダルの取り付けなど10の工程で完成します。

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私の場合、じっくり作業して1時間半くらいかかってしまいましたが、工程やパーツの少なさでいうとオンラインで注文して家で組み立てる系の家具より難易度は低いかもしれません。

また、組み立て自体は女性の力でも問題ないと思いますが、最も力を要する作業が組み立て後に控えていました。タイヤの空気入れです。ツールボックスの中に、小型の空気入れが入っているのですが、かなり全力で押し込まないと空気が入りません。

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同封されていた空気入れ

また、タイヤのバルブが米式(アメリカンバルブ)というやつで、私が高校時代に通学で使っていたママチャリのそれとは形状が異なり、空気入れ側のアダプターも初めて見る形状でそもそも取り付けに苦戦しました。汗だくで前後輪の空気を入れ終えましたが、空気圧が適正値なのかよく分からなかったので、近所の自転車屋で防犯登録時に調整してもらいました。

無事組み立て作業が完了したら、充電ケーブルを差し込むとシッピングモードが解除され、起動音とともに立ち上がります。VanMoofは起動時や、充電ケーブル挿入時など効果音が鳴るのですが、音量が結構大きいです。音量は変更できないので、アプリ側で消音設定にできるものはオフにしています。オフにできない効果音もあります。数少ない欠点の一つですが、声の大きいロボットみたいで次第に可愛く思えてきます。

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アプリの音関係の設定画面。充電ケーブル挿入時のサウンドは消音設定できません

また、バッテリーはフレームに内蔵されており、取り外して充電ができないのでマンションの場合、充電の度に駐輪場から部屋まで持っていく必要があります。二つ目の欠点です。

アプリをスマホにインストールして、マニュアル裏表紙のFrame NOなどを入力し簡単な登録設定を済ませたら、アプリと車体の同期が完了します。充電が完了すればいつでも街へ繰り出せます。

■【番外編】防犯登録

防犯登録は、身分証明書と自転車の購入証明書を持っていけばどこの自転車屋さんでもやってもらえるのですが、肝心の購入証明書が見当たりません。マニュアルの裏表紙にそれっぽいシールが貼ってあったので、それを見せたら処理してもらえました。登録料は地域によって異なるようですが、東京都は500円でした。

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マニュアルの裏表紙に貼られている、所有を証明してくれる情報たち

ここまでで結構長くなってしまいましたので、走行編は別途まとめようと思います。一つ言えるのは、まだ乗り始めて2週間ほどではありますが、最高の移動手段を手に入れたと思っています。コロナ禍が続いていますが、外出が楽しいです。

ちなみに巨大な段ボールはおままごとに最適で、しばらく2歳の娘の家になりました。

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※2021年6月3日追記 最後まで読んでいただき有難うございます。冒頭に記載したアクセサリーやPeace of Mind保証に使える¥12,500相当の「VanMoofクレジット」がもらえる紹介コードは以下になります。私は購入時にケチってメンテナンス保証をつけずに、若干後悔しています。保証は購入時のみで後から付けることができません。同じく金額で保証を迷っているかたのひと押しになれば嬉しいです。紹介者にも同額の「VanMoofクレジット」が付与されますので、遠慮なくお使いください。

紹介コード【VRR#UCHE-A47V-I917】

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