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安業桜のレタッチ

はじめに

こんにちは。
3.11を検索してスクリーンショットを送ってくれた方が100人を超えたので
ちゃんと無料の記事を書きます。
105人くらいまで頑張って数えたんですけど、何人かとやりとりがちょっと続いたり、ツイッターの方からも来たりで最終的な人数は分かりませんでした。
なにはともあれ多くの方が検索してくれてよかったです。
たぶん150人くらいはいるはず、全員に返信したと思うんですが、もし返信してない方いらしたらごめんなさい、あとでもう一度確認します。

100人としてもせいぜい1000円ですけど、ゼロよりは絶対良いですよね。

SONYストア大阪で開催させて頂いたトークショーでも少しだけ、自己紹介で触れましたけど、カメラにハマる前はサーフィンに熱中していました。
全く才能なかったので下手でしたけどね。いまもたまに友達と行きます。

で、震災当時、お世話になってた先輩の地元が被災したのでボランティアに行ったんですね。

あの時はガソリンが買えなくて、前日に友達がなんとかスタンドをまわってかき集めてくれて、物資を積めるだけ積んで行きました。
水とか着替えとかカップ麺とかなんか思いつく限りいっぱい。

あの時、被災地を目の当たりにした光景って多分一生忘れないと思います。
家がみんな斜め向いてて、なんかおかしいなと思ってよくみると基礎から剥がされてるんですね。
交差点には津波で運ばれて来た車が重なってて、建物のガラスが軒並みなかったり、街中にぼくの頭より高い茶色っぽい線があって何かと思ったら、このラインまで海が推し寄せて来たとか教えられたり。

言葉にするとあんまり伝わらないかな。でも自分にとっては衝撃でした。
映画のセットかなってくらい、本当めちゃくちゃで、現実なのか疑うくらい、今でもあの光景は嘘だったのかなと思うくらい色んなものが壊れて散乱してました。
人間許容量を大きく超える光景を前にすると生で見ても信じられないんですね。


とにかく砂が至るところに詰まって排水が出来なかったので最初の数時間はずっと砂掃除してました、でたまたま仕事柄解体作業ができたので、ボロボロになって崩れ落ちそうな小さめの建屋をバラしたり、一生懸命動いていたら1日が終わって、みたいな感じでやる事が無限にあってどうしようって感じでした。



震災通して自分が一番衝撃を受けたのは、被災地の方々がすごく優しいんですね、一人のおばあちゃんがぼくにこう言いました。
『自粛なんて風潮があるけどあれが一番私たちは辛い、被災者がかわいそうだから
楽しい思いをしちゃいけないなんてそのことの方が私たちは心底辛い。楽しく過ごしてください。』と笑顔で言われました、本当みんな優しくて、僕らご飯とかも自分の分は持って行ってて、もちろんお世話になるつもりなんてないので、でもお昼休みとかすごいもてなしてくれるんです。助けに行ったつもりなんですけどね。
なんか受け取ったものの方が多くて、ぼくの価値観ひっくり返すに値する出来事で、悲惨な出来事のはずなのに前を向けるエネルギーをくれたあの方々には本当に感謝しています。



今となってはぼくがいった地域は普通の生活に戻っていますけどね、そのことは素直に嬉しいです。まだまだの地域もありますし、小さい額でも、年に一度でもちょっとした貢献でも良いから何かできればなと思って今回ストーリーズでやったら思ったより反響いただいて検索してくれた人がいて、写真を通して微力ながら
何かできてよかったです、チャリティーレタッチっていうのも考えたんですけど、
精算の証明とかいまいちわからなかったのでとりあえず今年はこれで。


早速やって行きますか。


元写真

ちょっと諸事情で今ソメイヨシノのレタッチ表に出せないので安業桜という、
時期的には河津桜とソメイヨシノの間に咲くのかな、色も中間的でレタッチは派手目も地味目も狙えるのでぼくは好きです。

撮影データ

135mm
ISO  100
F  2.0
SS  1/1600

カメラはCanon 5DⅣですね、たしかSONYには35mmArt付けてたので。
天気は曇り、雨の寸前くらいの曇りでした。

毎度のことなのですが、白とびする手前で撮影しています。

基本補正

基本補正のその前に

気でも狂っていたのでしょうか。色温度3900って。
何故にこんな撮り方してたんだろう…ちょっと本気で思い出せないのでここ補正します。

とりあえずベーシックな5000にしました。
微妙ですね、色温度は写真に与える影響が大きいのである程度の数値は最初の方に決めておくと安心です。微調整は後からでもできますが、ここを後から大きくいじるというのはつまり、レタッチを最初からやり直すみたいなもんです。

もう少し青みが欲しいけどこれは好みの問題なので暖色系で行きたい人はそっちの方がいいと思います、インスタとかでウケるのも暖色系ですし。

とりあえず4550で手を打ちました。緑の色みがこれくらいが好きなので。桜に変に影響しない範囲で緑の色が良いところ、が基準です。

では明るさを整えましょう。



ハイライトを抑えつつ、木の幹、髪の毛などは暗いままでいられる様に
シャドウ、黒レベルを調整しています。

まだ明るくできるんですがとりあえずこれくらいで置いておきます。

トーンカーブ

左から三つの点はシャドウ部を引き締めつつ濁らせる、VSCOなんかでよく使われてるカーブです。
右から二番目は中間部を持ち上げてます、ここ持ち上げすぎると白とびします。
お手持ちの写真で触る場合はこのカーブをそのまま適用するのではなく、明るさを見ながらコントロールしてください。

ちょっと緑がポップになってきましたね、もう少しだけ色温度下げてみます。
4550→4450にします。

良い感じです。
明るさもトーンカーブで調整したので良いところに落ち着きましたね。


色味を調整する

桜の色を少し濃くしました。色相で色そのものを変えられるので
よくここで色の調整をしています。

でこの機能を応用して被写体の存在感も少し盛ります。

イエローとブルーの数値を上げて明るく濃くしています。
HSLパネルはこの様に色の三要素にダイレクトにアプローチできるので
非常に優秀な機能である一方で、色が割れるリスクもありますので触る際は注意しながらコントロールしてください。
いきなり50とかにするととんでもない事になったりします。


さて、緑に合わせて色温度を決め、ハイライトに合わせて明るさを決めて、
HSLを使って嫁ちゃんの明るさと色をコントロールしました。
ここまで、桜にはほとんどフォーカスしてないので最後の桜に手を入れます。


桜のレタッチ

この様に段階フィルターで桜の密度が高い部分を選択します。

明るさと色温度を好みの値にして


比べてみよう

撮って出しと完成を並べてみます。

どんよりした天気で、しかも白飛びを抑えて暗めに撮ってますので、重い雰囲気から始まりましたが、最終的には明るくなりましたね。

基本的にレタッチは好みで決めれば良いと思っていますので、桜のレタッチの一つの例として捉えて頂ければ良いかなと思います。

では、検索してくださった皆さん、ありがとうございます。

平成のうちにもう一回記事が書けたら良いなーと思いつつあでぃおすです。



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