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【18】バズ記事が重要なのは、webでは「読まれないけどいい記事」なんていう言い訳が通用しないから。

つい先日。
「売れないけどいい商品」はあるかどうか、という議論があった。

ある商品開発者が
「この商品いいんだよー、あまり売れてないけど……」と
発言したのに対して、複数の人が
「売れてないなら、ダメな商品なのでは。」
と突っ込んだためだ。

その後の議論を省くが、結論としては
「売れてない「いいモノ」はあるけど、売れてない「いい商品」はない。」
という結論で概ね合意した。

「売れてない」なら、商品としての役割を果たしてないよねと、その場の多くの人が考えていたようだ。
せいぜいそれは「趣味」と呼ぶべきだ、とも。


売れない原因が商品のスペックに依るものなのか、マーケティングによるものなのか、地の利に依るものか、時勢に依るものなのか、それらは、ひとまずおいておく。

だが、確かに「売れなくても、良い商品」というのは、言葉の中に矛盾をはらんでいる。商売なのだから、何が何でも、売れなくてはいけないのだ。

これはサイゼリヤの社長の
「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」
という信念に通じるものがある。



さて、私は商品開発者ではないので、商品の定義については頓着しないのだが、上の議論を聞いて連想したのは「記事」の話だ。

同じように考えていくと、
「ページビューは少ないけど、いい記事」なんてのは存在しないのではないか。そう思ったのだ。

サイゼリヤ風に言えば、
「良い記事だから読まれるのではない 読まれるのが良い記事だ」
とでも言うべきか。

なぜそう言い切れるのかといえば、
「記事」という存在がそもそも、「人に読まれるため」に存在しているからだ。

特に、コストゼロで記事が拡散されるwebでは、「読まれなくていい」などと言えてしまうのは、記事ではない。それは「日記」と呼ぶべきものだ。


このように言うと、
「届く人に届けばいい」という人もいる。
100人でも、200人でも
「読まれたいと思っている人に届けば良い」という考え方だ。

もちろん、どう思うかは個人の自由だ。
だが、記事を掲載するメディア運営側は、少なくともこう思っているはずだ。

「読まれたいと思っている人が世界で100人しか居ないなら、100回読まれるだけでいいが、仮にそれが1000人いるなら、1000回読まれたほうがいいに決まっている。ビューは多いほうがいい。」


要するに
「読まれたい」と思っている人の最大の人数が何人なのか。
それに対してどのくらいの人が読んでくれたのか。

読まれたいと思っている人の数 > 読んだ人の数

ならば、これが等しくなるように、あらゆる手を使うのが、メディアとライターの責務だ。
そして、webではその活動に最も貢献する活動、つまり「バズ」こそが重要なのである。



だが、まだ納得しない方もいるだろう。
特に、紙媒体出身のライター諸兄にはなかなかピンときてもらえない事が多い。

これはwebと紙媒体の構造の違いのためである。
では具体的に何が違うのか。


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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

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