見出し画像

メリットには優しさがある

少し前のこと。

内定先であり、今のインターン先でもある会社で、僕は、人事の方と、僕が配属される予定である部門を管理されている方を交えた面談をした。

入社後についての話を聞いたり、僕の方から話したりする場だった。雰囲気はかなりカジュアルで、僕は特段何の準備もしていなかったけれど、それでもなんの問題もなかった。話もしやすい空気感だった。

その時に最後、「なにか気になることとかありますか?」と聞かれて、僕は、「専門用語とかがよくわからないです」という意見というか、質問をした。

以前、会社の会議に参加した時、全然ついていけなかったから、そのことが気になっていたのだ。

すると、僕の配属される部門を管理している人が、「スプレッドシートか何かに専門用語を書いてくれたら、僕が解説しますよ」という提案をしてくれた。

ただ、初め、僕は申し訳なかった。あくまで現時点で気になっているくらいの温度感だったし、自分で調べるべきだとも思っていたからだ。

もちろん、向こうが提案をしてくださったのだから、快くお願いすればいいのだけど、相手にわざわざ手間や時間をかけさせてまで、そんなことをお願いしてしまうのは、かなり気が引けた。

それで、初めは断った。「ありがたいですけど、申し訳ないですから、いいです」と。

すると、その方はこう返してきた。

「こちらも無意識でそういうワードを、社内だけでなく、取引先の人に対して使っていることもあると思います。

なので、そういう自分たちの言葉が伝わるのか、伝わってないのかを知ることが出来る点では、こちらにもメリットがあります。
社外の人との話の時に、どういう言葉が伝わらないかが、わかりますから。だから全然いいですよ!」

その時に、僕はすごいなと思ったし、その方の優しさを感じた。

相手にもメリットがあれば、こちらが一方的に得する訳ではなくなる。そうなれば、お願いするのにも、あまり気が引けなくなる。そういう気遣いみたいなものを、相手がしてくれたのだと思った。

もちろん、本心としてそういう目的があるのは事実だとも思うけれど、伝え方としてそう言えるのはすごいし、このやり取りには気遣いや優しさもあったはずだと、僕自身は感じた。

無闇矢鱈に頼るというのは、難しい。ただ、どちらにもメリットがあるなら、それは片方が頼るだけではなくなる。

メリットを見出すこと、そしてそれを相手に伝えること。これらは、優しさにもなりうるんじゃないかと、僕はこのことから感じた。

お願いされた時、相手が困っている時、頼りにくいと思われていることがわかったのならば、僕は自らのメリットを見つけ、伝えられる人間でありたいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?