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【今でしょ!note#79】 レゴブロックキャリア

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

最近読んだ「フリーエージェント社会の到来」。
共感しかないですし、人生選択におけるキーワードが幾つも散りばめられていました。

驚きなのは、これが書かれたのが2002年ということ。
2024年の今でこそ、在宅勤務やネットを使った個人のサービスで生計を立てることがある程度一般化して、在宅教育もチラホラ議論されはじめたくらいのステージですが、これらが20年以上前のアメリカで書かれていたということが信じられません。

まさに的中しまくりの未来予想図です。

今回は、この本に出てくるキーワードから着想した「レゴブロックキャリア」の考え方についてご紹介します。



ハシゴ型キャリア

レゴブロックキャリアをよく理解するために、対比的な概念として紹介されている「ハシゴ型キャリア」の話からします。

下から上に真っ直ぐ伸びるハシゴのごとく、かつてキャリアの道筋は画一的でした。
学校を卒業し、一つの会社で雇われて働いて、ある年齢で引退して老後を迎える、というキャリア設計です。

フォーチュン誌の編集者であったWilliam H. Whyteは、1956年に「組織のなかの人間 オーガニゼーション・マン」の中で、当時のアメリカの典型的な労働者の働き方を次のように紹介しています。

  • ほとんどが男性

  • 大組織のために個性や個人的目標を押し殺し、その代償として、組織は定収入と雇用の安定、社会における居場所を提供

  • 個人主義に陥ることなく、高望みせずに「悪くない給料とまずまずの年金、そして自分と限りなくよく似た人たちの住む快適な地域社会に、そこそこの家を与えてくれる仕事に就こうとする

組織に忠誠を誓うことが正しく立派な生き方と考えられており、20世紀の終わりまで、アメリカ経済を理解するためのキーワードでした。
アメリカでは、1980年代からこのような価値観に変化が表れ、1990年代からは、当時の経済事情により一気にレイオフが進みました。

フリーエージェント社会

フリーエージェント社会では、キャリアの歩み方が多様化しています。

「フリーエージェント」とは、大きな組織に縛られず自分の未来を自らの手で切り開く人たち、と定義されています。

フリーランス、臨時社員、ミニ起業家など、ネットを使って自宅で一人で働き、組織の庇護を受けることなく、自分の知恵を頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた人々です。

私が新卒で就職活動をしていた時には、大企業か中小企業か、会社に雇われるか自分で起業するか、みたいな画一的な選択肢しかない気がしていましたが、それよりももっと前から、選択肢はより柔軟でした。

  • フリーエージェント準備期間として、短期間会社勤めをする

  • フリーエージェントとして働いていたが、数年間、会社勤めに戻って、新しい技術を身につける

  • 会社で給料をもらいながら勉強して、新たに手にした技術やコネを自分のビジネスに活かす

  • 企業での高い地位を捨ててフリーエージェントに転身する

  • フリーエージェント経験を活かし、従来型職場で地位を高める

二者択一のキャリアではなく、従来型の職場とフリーエージェントを行き来して、双方のメリットを享受することが可能になっています。

レゴブロックキャリア

レゴブロックキャリアの考え方は、「キャリアのハシゴは崩れ去り、レゴの積み木のようになる」ということです。

技術、専門性、信頼関係、関心など、基本的なブロックを組み合わせ、仕事の形態を決めるようになるのが、レゴブロックキャリアです。

出来上がった積み木に飽きたり、安定が悪いと思えば、壊して新しく作り直す。

風変わりなブロックの組み合わせを試してみる人もいれば、安定した形を壊したがらない人もいる。組み合わせのパターンは無限大です。

手持ちのブロックが同じであっても、そのブロックをどのように積み上げ、キャリアを築き直すかは人それぞれ。
ハシゴ型キャリアは徐々に例外となり、レゴブロックキャリアが普通になり始めています。

ブロック作りと組立フェーズ

このように考えていくと、たとえ自分が企業に雇われて働いていても、独立して自分で事業をしていても、自分は今何のフェーズにいるのか、をよく意識しておくことが重要だと考えます。

コアとなるブロックを作るための行動をしているのか、ある程度ブロックは揃ってきて、自分なりの組み合わせを試しているのか。もちろん、その両方を同時に行うことも可能です。

会社員として働くことはネガティブに語られることも多いですが、給料をもらいながらブロックを作ることができると考えると、最高なんですよね。
給料をもらいながら、技術を磨き、実績を作り、新たな人間関係を構築できる場所と捉えるだけで、日々の過ごし方が変わると思うんです。

「ブロック作り」という感覚がないと、日々を漫然と過ごしがちですが、これではもったいない。
この仕事を通じて、こういうブロックを作ってやろうと意識できると、自分の中に色んなブロックが出来てくる実感があります。

ちきりんさんの「ゆるく考えよう」で紹介されている考え方ですが、お金を払うより、お金を稼ぐほうが学べるし成長できます。

学費を払って1年間学生として勉強するよりも、一定の講師料をもらい、1年間授業を任される方が圧倒的に多くのことを学べるとあります。

学びたければ金を稼げ、金を払っている場合じゃない。
好きなことは金を払ってやれ、もらってやるな。

この言葉は核心をついています。
今はお金を稼ぐべきときなのか、それとも払うべきときなのかを、冷静に見極める。
対価をもらってプロとして物事に向き合った時に、はじめて自分の中に面白いブロックが出来上がるのでしょう。

自分なりのキャリア作品を楽しもう

「フリーエージェント社会の到来」に書かれていないことで、今後より一般的になっていくと考えているのが、いわゆるパラレルワーク的な働き方です。

今はフリーエージェント、今は従来型職場、のように人生の時間が直列的な前提で書かれていましたが、真のレゴブロックキャリアでは、これらが並列的に可能になると思います。

「副業」というと、何となく本業以外で稼ぐためにサブでセコセコ稼ぐ、みたいなネガティブなニュアンスがあるので好きな言葉ではありませんが、全てが本業、あるいは色々やっててどれが本業か分からない、みたいな働き方が、無限大の面白さを秘めていると考えています。

「分割型労働の社会的共有」という観点でも理にかなっていて、人手不足で今後ますます供給側に制約がかかっていき、ある程度の作業は機械が代替してくれる時代においては、一人が一つだけの仕事に大半の時間を使うということが、社会全体のロスに繋がると感じます。
自分の知識・経験・時間を、複数の分野でちょっとずつ活かす、というほうが、社会全体の生産性向上という面でも貢献します。

もちろん、一つのことが大好きで、それを極めることこそ幸せという人は、それでオールオッケーですし、極めることこそ重要な仕事もたくさんあります。
ただ、私のように飽き性で、色々興味を持ってしまう人にとっては、仕事Aではこのブロックを組み合わせて、仕事Bではこのブロックを組み合わせて、仕事Cからは新しいブロックを得るために仕事する、みたいな働き方が合っています。

キャリア形成は、レゴブロック。
遊び心を持って、自分だけの作品作りを楽しみましょう!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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