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【今でしょ!note#30】 オーディエンスシップのススメ

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

「オーディエンスシップ」という私の造語があります。職場の後輩には何度か伝えてきた言葉で、直訳すると「聴衆力」みたいなニュアンスで使っています。

何かのセミナーや研修に参加したときに、全く質問もなく、参加者のリアクションもないような寂しい時間を過ごしたことはないでしょうか。
特にオンラインセミナーなどでは、どうしてもその場の臨場感や空気感に制約がありますから、講師の人が一方的に話しているだけ、のような構図が起こりやすいのだと思います。

私は、できるだけ人生の中で「死んだ時間」を過ごしたくないと考えています。
せっかく生きているのに、何故誰も発言もしない打ち合わせや、得るもののないセミナーに参加しなくてはならないのか?と感じてしまいます。
だからこそ、強制的にでも自分が参加したセミナーでは、できるだけ「時間対効果」を回収してやろう、何か一つでもポジティブな影響をその場に提供したい。

今日は、私がセミナーのような場に参加したときに心掛けている3つのオーディエンスシップについてご紹介します。


オーディエンスシップの3つの考え方

1 オーディエンスシップは、おもいやり

誰でも人前で話すのは緊張するものです。
人前で話すのにあまり慣れていない人も、百戦錬磨で毎日人前で話している人も、人前でプレゼンとするとなったら程度の差はあれ「聞き手のリアクション」が気になると思います。

その人が、昨日の晩からどのような想いをして、今目の前に立っているのか。
そのことに少しでも想いを馳せれば、聞き手としては、少しでも「ちゃんと聞いてますよ。安心して話してもらっていいですよ」と伝えてあげたいものです。

話をしてもらった後に、気持ち少し大きめに拍手してみるとか、目を見て頷きながら聞くとか、ノートにメモをしながら聞くとか、オンラインであればいいねボタンを飛ばしてみる、チャット機能でコメントしてみるとか、何でもいいから、話し手に対して「安心してください!聞いてますよ」(安村風)と伝える手段は沢山あります。

自分の子どもが発表会で精一杯何かを発表していたら、嬉しくなるじゃないですか。自分の家族が、知り合いが、友達が、何かを伝えようとしていたら、一度手を止めて、耳を傾けようとしますよね。
話し手がその日初めて会う人であっても、その人にも同じように、その人のことをよく知る人がいるはずです。

オーディエンスシップとは、人と人の間の緊張感を和らげるものであり、その場の安心感を形成するための「おもいやり」です。
セミナーを聞いているのに質問もリアクションもしないということは、目の前の相手が挨拶してくれているのに、堂々と無視しているのと同じくらい冷徹な態度をとっています。

いいねボタンを押すだけで、話し手だったり、他の聞き手がほっこりしてくれるのであれば、やらない手はないですよね。
人として、おもいやりのある空間を作りましょう。

2 誰かに紹介するつもりで聞く

次は、何か質問したいけど何を質問してよいか分からない、という人のために、私が普段意識していることをご紹介します。

それは、「直後にセミナーの内容について誰かに説明するつもりで聞く」ことです。
以前、“#27「書く」ことの効用“の回でもお伝えしましたが、話し手の話をそのままメモしていくというよりも、話の内容を紙の上で構造化しながら書いていくと、自分が誰かに伝える時に不足する情報や、補足が必要な情報が見えてきます。

不足情報や補足してほしい情報を質問することは、大抵の場合、話し手にとっては「よくぞ聞いてくれた!」という情報であったり、「本当は伝えたかったけど、伝えられていなかった」情報であることが多く、他の参加者にとっても「私もそこが聞きたかった」という情報であることが多いです。

話し手の言葉を「聞こう」とすると、どうしても受け身になってしまいますし、話し手の言葉を一言一句メモしようとすると、どうしてもメモすることが目的化してしまい、質問する余裕がなくなってしまいます。

そうではなく、セミナーが始まる前から、先にアウトプットのシーンを思い浮かべて、自分の言葉で今日のセミナーの内容を誰かに伝えることを意識すると、話を聞いている時から、自然と気になるポイントが次から次に出てくるようになります。

口癖のように話してますが、「アウトプットのないインプットは無価値」ですし、自分の言葉で話せることが、真の意味で理解したことになるので、アウトプットシーンを心がけることで質問力が身に付いてくると思います。

3 「時間対効果」を意識する

冒頭でも述べたとおり、人生の時間は有限で、誰しもその終わりがいつ来るか分からないですから、自分が投下している時間は、できるだけ「活きた時間」にしたいわけです。
(これは別に学びだけの時間ではなく、家族とのゆったりした時間や、好きなことに没頭する時間も含めて)

仮に、1日のオンライン研修に参加しているのであれば、365日しかない1年の貴重な1日を差し出しているわけです。
そう考えると、一つでも多くのことを学んで帰ってやろうという気になります。

一つでも多くのことを学んでやろうという気になると、オーディエンス力が自然と上がってきます。話し手の人に出来るだけ気持ちよく話してもらったほうが、より深い話をしてもらう確率が上がりますから、出来るだけ気持ちよく話してもらうために自然とリアクションするようになります。
オフラインでの会場であれば、少しでも前の席に座って、投影資料がより見える場所に行こうとします。
会場の前の席が埋まらずに、ファシリテーターの人が「前の席が空いてますから前にもどうぞ」と声をかけないと前の席が埋まらない集団は、正直レベルが低いと感じます。
ジャンボリーミッキーが少しでもよく見える位置を競うように、前から席を埋めていきましょう

また、「時間帯効果」の「効果」とは、セミナーが終わった後に「こんなに多くのことを学べた」「感動しました!」というような実感ではなく、あくまで個人の行動変化です。

おそらく、「感動しました!」という人でも、その後の行動を変えて行けるのは、そのうち5%に満たないでしょう。
行動が変わって、何かのポジティブな変化を起こせた時に、ようやくそのセミナーの効果があったと言えますので、トコトン変化と効果に拘りましょう。

良いセミナーは、オーディエンスシップで決まる

良いセミナーというのは、終了の時間が来ているにも関わらず、まだ全ての質問に回答しきれず、タイムアップになってしまうセミナーです。
オーディエンスシップを発揮すれば、その場の時間がよりポジティブなものに変わりますし、参加者が得られるものも大きくなり、企画者にとってもやりがいが大きくなります。

オーディエンスシップは、誰でもタダで発揮できます。
どうせ参加するセミナーや打ち合わせであれば、少しでも良い時間が過ごせるように、小さなところからで良いのでオーディエンスシップを発揮していきましょう!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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