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【今でしょ!note#87】 会議の勝率を決めるのは資料作成ではない

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

みなさんの仕事では、会議の機会はどのくらいあるでしょうか。
何かを決定するための会議、お客さんと何かを合意するための会議、決裁者に意思決定を伺うための会議・・と目的に応じて色んな会議があるかと思います。

今日は、会議の勝率、つまりそれぞれの目的に応じた成果を得るために必要なのは、資料準備ではない。それ以前のところでつまづいている人を多く見てきたので、何が大事なのか、というテーマで話します。


資料完成=準備完了だと思い込んでいる人が多い

例えば、会議の場で何かの決定や合意形成をするための準備、当日の説明を任せられたケースを想定します。
つまづいてしまう多くの人は、そこで付議する資料作りを仕事だと思って、資料が完成して事前に関係者に見せて、コメントがなくなった時点で完成だと思い込みます。

まず、この時点で点検すべきは、資料の文字数が多すぎないかということです。
とりあえず必要と思われる情報をただ羅列していくのは、報告の受け手に強いストレスを与えます。
作り手の論理では、書いておかないと何か聞かれた時に困る、と思いがちなのですが、そういう類の情報は別紙に移すなどして、本編では意思決定や合意形成に必要な最低限の情報に絞り込むべきです。

越川慎司さんの「科学的に正しいずるい資料作成術」では、「1スライド105文字以内」、「フォントサイズは24ポイント以上」が目安とされています。

文字が入らないと、フォントを小さくして入るように調整しがちですが、それは発想が逆で、フォントを小さくできない前提で入る文字数で説明を構成するところに頭を使うのが大事です。

それができていない状態というのは、資料を作った人の頭の中でも、本当に説明が必要な事項の構成立て、ロジック作りができていない状態ということであり、何が言いたいのかよく分からない説明になってしまいます。

とにかく書いておいた方が良いと思われることを書き、上司に見せてコメントがなくなったら準備完了!としてしまっているケースは、準備としてはまだまだ不足している状態です。

最も抜けがちなのが環境準備

私が見てきた、いわゆる仕事ができる人は、このステップを必ず押さえています。逆に、微妙だな・・と感じる人は、このステップを軽視している。

具体的には、最低限次のような環境の準備が大切で、これができているかどうかで、その人がどのくらい仕事ができるのか?ということがある程度分かってしまいます。

  1. その会議で話になりそうな資料を開いておく

  2. 投影資料は、パワポであればスライドショー(予めポインタ設定しておくとベター)、他の資料でも参加者が見えるくらいズームする

  3. 雑音などが入らないようなマイクを使う、あるいは静かな場所で参加する

1.その会議で話になりそうな資料を開いておく

私も以前の厳しい上司にかなり鍛えられたところですが、これから望む会議の中で話に及びそうな資料を事前に開いておけるかどうかは、どれくらい想像力を働かせられているか、が問われるので、非常に大事なスキルです。

そもそも、会議は同期的・強制的に参加者の時間を奪うので、できるだけ本筋の議論でない部分を短縮していくべきです。
しかし、何かの話に及ぶたびに、参加者全員で資料が格納されている場所まで移動して、ファイルが開くのを眺める時間が発生するというのは、何とも勿体無いです。他人の時間泥棒です。プロの仕事ではありません。

また、その会議で話が及びそうな資料を想像することは、自分のチーム以外の横の仕事の状況まで把握していないとできません。
どれだけ普段から横の仕事を意識して、自分の仕事ができているか。
横の仕事が見えているということは、全体の中での自分の仕事の位置付けを理解しているということなので、自ずと資料を作る観点も変わってきます。

自分が任された狭い範囲の中で、依頼されたことだけに答えてアウトプットを作る行為は、ただの作業であり、仕事ではありません。

2.資料投影は見やすさを意識する

これも受けて目線が欠けている人によくあるパターンですが、資料を投影しているのに、大事な部分がよく見えず、何が書いているか分からないケースです。

上述した文字数を減らす、フォントは24ポイント以上は資料作りの際の考慮事項として、それを投影する際には、見せたいところが最大限見せられているかの配慮が必要です。

例えば、パワポであれば(あえて残りページ数を見せたい時などは別にして)基本的にスライドショーモードが見やすいですし、エクセルやワード、PDFのような資料でも、フルスクリーンモードにするとか、上部のリボンと呼ばれる部分を非表示にすると見やすくなります。

こういう相手目線の配慮ができる人は、仕事の他のシーンでも様々な所作でそれができることが多いです。

3.雑音が入らないマイク、環境から出席する

これもしばしば見かけますが、説明者の声がよく聞こえないケースもあります。特にリモートを活用した会議が多くなった現代では、最低限のビジネスマナーと言っても過言ではありません。

せっかく良い資料を準備して、一生懸命説明していても、聞こえない、あるいは周囲の雑音の方が気になってしまうようでは、聞き手が説明内容に集中できず、何が言いたいのか伝わらなくなります。

よく「マイクの調子が悪くてすみません」という人がいますが、本当に一時的な故障などは仕方がないにせよ、毎回聞こえにくい人は、いい性能のマイクを使うとか、通信環境が良い場所に移動して参加するとか、対処をすぐにすべきです。

せっかく時間をかけて準備しても、通信環境が悪い、何を説明しているか聞こえにくいということは、かなりの損をしているということです。

これも、聞き手に強いストレスを与えるだけでなく、「聞こえないのでもう一度言ってもらっていいですか?」の応対時間は他人の時間を奪っていることになるので、プロ仕事とは言えないでしょう。

説明は、はっきり元気よく!

ではいよいよ説明する、となった時に最も心がけるべきは、大きな声でハキハキ話すということです。
当たり前のことですが、これも意外にできておらず、ボソボソ自身なさげに話す人が多い。

内容はきちんとしたことを言っていても、話し方に自信がなさそうだと聞き手に余計な不安を与えてしまい、せっかく上手く収まる話も収まらなくなります。

また、数年前に澤円さんが、声の音程は「ドレミファソ」の「ソ」を意識して挨拶するところから始めることをお勧めされていました。
これも本質を突いているな〜と感じましたが、やはり声のトーンを気持ち高めでいくだけで、議論にテンポが生まれますよね。

ポジティブな議論は、ポジティブな雰囲気から生まれます。
そして、そのポジティブな雰囲気を作り出すのは、自分自身なのです。
せっかく自分の時間を使ってその場に挑むのであれば、ポジティブな雰囲気の中で議論できた方が気持ちいいですよね。

このように、会議の勝率を上げるのは、資料作成自体よりも、説明時の環境作りにいかに配慮できるか、どれだけ堂々と元気よく説明できるか、ということの比重が高いのです。

以上、私が仕事から学んだ、会議におけるTipsでした。
それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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