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最近増えた撮影、起きてる現象

今日もハードでしたねぇ〜
たまには撮影の話をすることにします。


最近増えた撮影、起きてる現象

うちの写真事業はウェディングの撮影をメインに置いていて、人員が空いているときのみ家族撮影や企業案件をお受けする、というスタイル。

コロナがやってきて、一時はピタッと止まったものの、その対処法がわかってきて世の中が動き出したとき、「結婚式の前撮り」が例年の倍ほどに増えました。


「結婚式はしないことにした、だけど写真だけは残しておこう」


「たくさんで集まれないから、前撮りを機会に両家で集まろう」


そういうケースが増え、前撮りに結婚式の要素が含まれることが多くなった。撮影のあとに両家で食事会をするからと、広い料亭での和装撮影も人気。

親子、兄弟の関わりが雰囲気に出て、温かいです。

ただし、間違いなく人数が多い撮影はエネルギー消費が大きい。
気を配る人数が増えるのと、360度自由に使いたいロケーションで、220度くらい占拠されてしまう。これはあきらめの境地。

限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮したいところを、「コミュニケーション」や「家族がスマホで撮る時間」、「家族と一緒に撮る時間、場合によっては集合写真だけでなくひとりひとり順番に撮る時間」となる。
もちろんそれもいい写真だし全力で臨むのだけど、意識としてそれを「時間外のサービス」で行っている、というのが実情。(それに不満はないです、もちろん)だから人数が多ければ多いほど、時間はおします。イコール美容師さんににらまれます。どうかわかってほしい。(そんな美容師さんばかりじゃないよ)


だけどそういう事情をネガティブには考えてなくて、前撮り自体の、時代のスタイルが「クオリティ重視よりも家族との思い出」に変わった、と思うようにしています。

ただそれは自分が勝手に思ってるだけで、新郎新婦さんからすれば「いやいやクオリティ!」って場合もあるから、そこはお二人の性格や考えをうまく見極める必要がある。

スタッフがどこまでできているかこれはまだ話し合えてないけど、前撮りを10年以上やってきている自分からすると、「今からこっちの背景を使うことにするから(本当は常に全方向自由に使いたい)、皆さんこっちへ先に移動しておいてくださいね、」と全体の動線を見て誘導して、のスキルも必要。

「今からこっちの背景を使いたいけど、あっちにおばあちゃんが行っちゃって写っちゃうからこっちはあきらめてこっちにしよう、」これが若干のクオリティダウン、という意味です。

参加してくれているご家族に何度もあっちこっち言うのも気が引けるので、そしてみんながみんなスマホを持って近距離で撮りたがるので、”全体誘導の号令”を100回したいところを、50回以下にとどめるでしょう。

「本当はその場所をゆずってほしい」という内心を、「大丈夫です大丈夫です、(他の作戦でなんとかします)」と、場の雰囲気や新郎新婦さんの気持ちを読み取りながら、頻度を気にしながら、使い分けていきます。

ここに10~20%の体力を使うとすると、それがクオリティダウン、ということになります。ただしこれもネガティブではなく、「写真の本来の意味」「記録と思い出」があるのだから、みんなが楽しければ、新郎新婦さんが満足してくれる写真が残るのであれば、僕たちも満足です。

ここでいうクオリティは、単に品質ではなく、「クリエイティブのこだわり度合い」ということですね。この一連を書いてみて、頭の中の整理ができました。

前撮りの様相が変わってきて、大変にはなってきているけど、これがきっとスタンダードになる。「クオリティを出したいがために家族の参加禁止」というスタイルは、これからより時代にそぐわなくなるかもしれない。

お読み頂きありがとうございました。



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