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三年前の記事を供養する

オムニバス形式の映画『フォー・ルームス』の中に、クエンティン・タランティーノが監督をした『ハリウッドから来た男』という話がある
ティム・ロス演じるホテルマンとタランティーノ演じるハリウッド・スターのぐだりとした会話から始まって、一人の男の指を賭けたギャンブルで幕を閉じていく、そんな感じの映画だ
別に特別な余韻を残すようなエンディングでもないし、映画自体もあまり話題になるような物でもない
それでも、軽々しく大事な体を賭けようとする馬鹿な男の結末は本当に痺れたし、どこか憧れを持って観てしまっていた

銀行強盗やカジノ強盗映画にある「どん底の持たざるものたちの1発逆転」では無くて、それなりの仕事に就いてるしそれなりに頭も良いであろう男が、軽い気持ちで挑んだ賭けに小規模に打ちのめされるというのも良かったし、俺はアメリカンニューシネマのヒーロー達みたいに命や名誉、責任を賭けて勝負することは出来ないけど、こいつくらいの事は出来るんじゃないか? と身近に思わせてくれる部分も良かった

それから後々になって元ネタになっているロアルド・ダールの短編小説集『あなたに似た人』内の『南から来た男』を読んだ
指を賭けたギャンブルに固執する老人と、軽薄な若者の話だ


というところでこの記事は終わっている。
あまり覚えていないけど、3年前に書いた物ってことはデータで確かめられる。
『フォー・ルームス』も『南から来た男』も最後に観たり読んだりしたのは10年程前の筈だから所々思い出しながら書いて、多分飽きて途中で辞めたんだろう。
書くに至った経緯に関しても誰かのnoteかブログを読んで触発されたくらいの事だと思う。
何でこの映画を選んだのかはあまり思い出せないけど、多少の推測は出来る。

3年前、何度目かの無職から社会復帰しようとしてアルバイトを始めたけど上手くいかずに腐っていた。
まともに生きれず道を外れる事も出来ずあらゆる可能性が消え、感銘を受けてきたヒーロー達との距離を感じ、好きだった映画や本を見れなくなっていた。
クールハンド・ルークの笑顔もタイラー・ダーデンのぶちのめされる姿も吐き気がするほどに眩しかった。
彼らに到達する事がないと気付いてしまった。
そんなやけっぱちの気持ちで、せめて大作、名作とは言い難い作品の端役の人物になら、と共感したんだろう。
どうせそんなところだ。

まぁ弱ってた時の事なんて今となってはもうどうでもいいね。
そんなことよりドンキで美味しいお菓子を見つけた。
グミとキャンディが混ざったみたいのがグルグル巻きになって、先っぽを口にくわえて紙から剥がしながら食べるんだよ。
あんなお菓子がこの世に沢山あればいいなぁ。

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