幸"服"論 ジンギスカン祭
ジンギスカン祭
世界でいちばんウマイ肉、羊肉。
ジンギスカンも美味しくて大好きだけど、実はわたしはシンプルな羊肉の串焼きが大好きだ。
ラムカレーも美味しい。
あの独特な風味がたまらない。肉はクサければクサいほどうまい…気がする…
シルバニアもヒツジファミリーがいちばんかわいい。
星座もおひつじ座がいちばんかわいい。
干支もひつじ年がいちばんかわいい。
なんかふわふわしてて穏やかだから!
そう、わたしにとってひつじとは、ウマイ上に、とにかくかわいい愛すべき獣だ。
「迷える子羊」、なんてかわいい言葉だろうか…
無垢で無知でか弱き存在。
日々強い女になるべく精進しているわたしも、許されるのなら、ひつじのようにのびのびとその辺の原っぱで何も考えず何も知らずに草食べて歌って踊って暮らしたい。
マッツミケルセンとかに導かれたい。
ひつじとは、ある意味でわたしの憧れだ。
わたしがひつじ好きになったのにはお洋服が影響している。
今回は最高にキュートなひつじ柄のお洋服をご紹介!
号:めーめーちゃん
前回のセーラー服の回でもご紹介したお洋服!
いっぱいのひつじ柄がとにかくかわいい!!!!!!!!
規則正しく並ぶひつじたち。美しい。
簡素化された羊のパターンだけど、みているうちにだんだん表情や動きがみえてくる。
原っぱでのびのびだらだらしていたひつじたちが、夕方、犬に追われてシブシブ並んで柵に入っていく光景に見える。
ひつじ達は「まだ帰りたくない〜」みたいな顔してるのかな?
犬目線になると「ちょっとひつじィ!ちゃんと柵入って!」みたいな、掃除をちゃんとしない男子小学生とそれを咎める学級委員の女子小学生みたいな感じのやり取りがあったらおもしろいな〜とか、このひつじはあのひつじのこと好きなのにそのひつじが間に入って邪魔してるがそのうち当て馬ひつじになるんだろうな〜とか、みてるだけでおもしろい。
これ、古着鑑賞の醍醐味です。
細部を見てみよう!
これはわたしの古着への感情のサビなので何回でもするけども、
タグというのは美術品としての刀剣の"銘"と同じだと思う。
作った人の名前だったり愛用していた偉人の名前だったり刀自身に付けた名前だったり、刻まれた"銘"(名前)はその"物"の持つ物語を表す…のだけど、わたしの手元に来る古着たちは人々の身近にあった名もなき庶民の服なので、作った国、作ったブランド、製造された年代、洗濯の仕方…運が良ければ使っていた人が名前書いてある、くらいでこれといった物語はわからないことが多い。
でも!!!!かわいいことはわかる!!!!!、!!想像することはできる!!!!!!!!つまり!!!!!自分で服の二次創作ができる!!!!!!ヤッタ!!!!!!!
古着をただの服、とみるのもいいけど、本や映画や音楽や絵画のように、鑑賞物として楽しむのもおすすめ!!!
話が逸れすぎたんだけど、改めてタグをみよう、見てください。
なんだと思いますか?
このさぁ…なんなんですかね…
ひつじの服だというのに…
なんか謎の獣おる…
インドにいる伝説の人面獣、マンティコアっぽいヤツなんだけど…
あまりにもユルすぎてなんもわからん、かわいい。
わたしの持ってる全てのお洋服のタグでいちばん、ふしぎかわいいと思う。
このお洋服はデッドストック(製造されて誰かの手に渡る前に倉庫とかに眠っていたある意味新品もの)だったので、わたしがこの子の初めての持ち主なわけだが、ビッチリきれいに編まれていた毛糸がところどこほほつれている。
わたしがあまりにも雑に着ているのがいちばんの原因なんでしょうが、実家の古着屋店主曰く、「この手のひつじ柄ニットはお土産品であることが多い」ということなので、もしかしたら作りはそれほどしっかりしてないのかな?と思う。
日本の安いプリント生地の浴衣みたいな、大量生産品の感じなのかな〜
でも今のところ壊滅的に破れてるとかはないので、まだまだ一生付き合ってもらいますよという気持ち!
背中もビッッッッッッッッチリひつじ柄!
こんだけいたら一生羊肉食って生きていけそう!
抜け目なくカワイイ!
着てみるぞ!
肉厚ニットがあったかい。
そうなんだよ、服って本来身体を守るためのものですからね?
かわいいだけじゃやってけねえんだ。
でもなこの服、かわいいだけじゃねえ、あったけえんだ!!
ジャストサイズな感じでかわいく着れる。
前を開けるとカーディガンとして着れる。
ブラウスを合わせるも良し、Tシャツで合わせるのも良し、ワンピースの上に羽織っても良し。
模様の中に草花も入っているので春の野原感ある色味のお洋服とも合わせてみた。
紺で重たい印象のある号:めーめーちゃんだけど、中に合わせるものをスッキリした色にするとまた表情が違って見える。
野に放たれたひつじのようでのびやかかわいい。
襟がある服との相性も良い。
柄がドカーーーン!という感じなのでメインに据えると楽しいアイテム。
モノトーンで楽しくなくても白タイツ履くとなんかいい感じ〜になる。
お次は!
号:ニュージーランド
みろ!!!!!
なんともいえないダサい感じの色形!!!!!、!おじいちゃんの服!!!!!!!!!
サイズ感も絶妙で、おじいちゃんからもらった服みたいにゆるっと着れる。
肩の落ち方とかちょうど良いし、デカすぎるゆえ一周回って華奢にみえる、ありがたい。
多分普通に男の人も着れるサイズ感なので好きな男に着てもらうのも良いですね。
「その服今日わたしが着ようと思ってたのに〜!」ってぶーぶー言いたい。
さっきのめーめーちゃんとは異なり、割と丁寧にひつじひつじしいひつじ柄。
歩いてるひつじ、振り返るひつじ、あそんでるこひつじが2頭。
ほのぼのしている…
大自然の中、湖の近くの草原で放牧されてるひつじ達を毎日なんとなく見て毎日なんとなくいいな〜と思ったひとが、その日常のささやかな美しさをある日ふとした瞬間に服に模ったのがこれ!!!!!!!!!!
さっきの号:めーめーちゃんのマンティコアタグとは違い、わかりやすくひつじさんの入ったタグだ。
ウーリージャンパース メイドインニュージーランド、英語によわよわなわたしにも読める親切なタグ。ありがてえ、、
写真撮ってる時に気が付いたんですが、このお洋服Sサイズなんですね?!ダメじゃん!好きな男着れないじゃん!!!ねえ!!
わたしの夢返してよ!!!!!
まあわたしだけが着れればいいんですが。
わたしはニットだけはど〜しても分厚いのが好きだ…
ニットの分厚さはかわいさに比例しますからね?
ムチムチであればムチムチであるほどかわいい!
もちろんファストファッションの薄いニットも重ね着のお手伝いしてくれるので大好きだ。
全てのニットを愛せよ。人類愛。
次!!!!!
号:ラパキマハナ
さっきまでのひつじ天国から一転、なにがあった?!ってなるくらいひとりぼっちのひつじ。
背面のデザインもなにもなく、ひつじが孤独に佇んでいる。
ほっこりとしたひつじの毛そのものの色と、灰色がかったくすんだ茶色たちだけで編み出されたこのお洋服。
これを作った人はなにを思ったのだろうか…
ひつじ柄のお洋服って大体これでもか!というくらい群れたひつじを出してくるのでこれはほんとうに珍しいデザインだと思う。
立体的なもっちりとしたひつじ。
号:めーめーちゃんのように簡素化されたひつじ像であれど、もちもちしているのでひつじの動きや毛並みがみれる。ぼんやり佇んでいる感。
「景色」とは違ってひつじの部分だけぷっくりと編まれている。
このひつじ1頭だけで勝負しにくる作り手の勇ましさにあっぱれ!!!天才!!!!!!
タグもかわいい。
「ラパキマハナ?」と調べてみるとニュージーランドの先住民族、マオリの言語で「暖かい土曜日」という意味だった。
なんて素敵なんだ…!
タグの情報をみて想像する感じだと、マオリのひとが手仕事として作ったものを素敵だ!と思ったイギリスとかの国の人がこのタグを付けて売ったのかなぁ〜
売りに出したイギリスのひと(仮定)とあえてマオリのひとたちの言語でブランド名をつけたのがすごく素敵だなと思う。
ちゃんと作った人もお給料もらっていたらうれしい。
ピュアニューウールって新鮮採れたてほやほやの毛玉ですよ!ってこと?!最高じゃん!!
わたしはこのお洋服大好きよ!!!
着てみる、
ほっこりとした形がいい感じ!
ゆったりすぎずぴっちりすぎず、ちょうど良いサイズ感。
あたたかみのある色や素材と合わせるとよりかわいい。
これからの季節たのしみ!
最後!
号:メーメーチャンウツスナリ
?!号:めーめーちゃん同じ?!
このお洋服に会った時、びっくりした。
お前!!!!みたことある!!!!!!!!!!!
知ってる!!!、!!!!!!!!!!!!!!!
ハァ…ハァ…ハーーーッ、ハァ…!!ハァ…!!!
同じ柄!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
古着を探し7年あまり、同じ形の服はたくさんみれど、同じ柄の服はみたことがない。
動悸息切れ眩暈。
しかもこの服、
作ったブランドがちがう(おそらく)
さっきの!!!マンティコアタグと違うところが作っているのだ(たぶん)
このひつじ柄は!!!!!!伝統的なパターンなんだ!!!!!!!!!(きっと)
このひつじ柄がニュージーランドの定番柄だとするとめちゃくちゃカワイイな…!
日本での千鳥柄みたいな感じか?
ひつじという生き物がニュージーランドでどれだけ親しみ深かったのかがみてとれる、
多分ニュージーランドのひとびとのなかでは編み物という文化は生活になくてはならない要素だったんだと思う。
だから、母から子へ子から孫へみんながこの模様が編めるように紡がれてきてたのかな…愛ですね…
それがわたしの手にふたりもいるなんて最高だありがとうニュージーランド!!!
号:めーめーちゃんとは違い、豊かな色合い。ピンクから青へ、青から緑へ、絶妙なグラデーション!美しい!
粛々とした編み目も素敵だね!
ニットの良さって裏にあるんだ…
この…美しい…美しい……!美しいぞ…!!!!
わたしは裏地フェチなので、刺繍もニットもとにかく裏地みてしまう、表に現れる美しさの裏に細かな努力や仕事を感じる、二重で美しい…。
みなさんニットをみるときはぜひ!!裏も見て!!!!
ダサいニットが大好きで集めているのでそれを紹介するnoteでもまた同じことを言うけど、ほんとにダサいニットほど裏がかわいい。ダサいニット、大好きです。
(この場合の"ダサい"とは"垢抜けない"ことを示します)
着てみるぞ!
かわいいッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この号:メーメーチャンウツスナリは大変かわいくオールシーズン着れそうなチョッキであることから、真作 号:めーめーちゃんの夏も着れる版じゃん!と思い、めーめーちゃんの夏の忘形見として写しと名付けたのですが…
謎に裾が長かったりしてなかなか着こなしが難しい…!
真作の号:めーめーちゃんよりも着こなしが難しいジャジャ馬服だった。
でも!合わせるものによればめちゃくちゃ壁をブチ抜いてくるかわいさがある!!!!!!!!!
合わせてるこちらは鳶職人の服。
働くためのひとの服なのでいらないはずの謎にカッコいい縫い目が美しい。
今日も仕事だけどテンション上げてこ〜!みたいな感じがする。
こいつもなかなかのジャジャ馬服で、デカめのメンズ服だからとにかく裾が長い!
ズボンに無理やり裾を入れるとムチムチなのがよりムチムチしてみえる…
ので、裾が長い号:メーメーチャンウツスナリでなんとなく腰回りを隠すことによっていい感じに着れるようになる。
ジャジャ馬とジャジャ馬のカップリングだ!!!!最高!!!!
ニュージーランドのニットに、フリフリのブラウス、鳶職人の服、カチューシャやらフリフリの鞄やらシンプルなデニムやスニーカーを合わせると、要素自体はゴチャゴチャしているものの色の調和が取れているのでまとまっておしゃれな感じに見える。
個性が強い服と個性が強い服を合わせても、仲良くしてくれるお洋服もあるのだ!
わたしのお洋服たちはラブアンドピースなんだぜ!
おしまい
ジンギスカン祭、最高!!!
きっと今年も実家の古着屋店主がとっておきのひつじ服をキープしてくれているはずなので楽しみにしている。
ひとに守られひとに消費されていく存在のひつじだけど、その儚い一生がギュッッと服に閉じ込められていると思うともっと大切にしようという気持ちになるね…!
幸"服"論 まとめ
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