幸"服"論③
前回の続きから
第二章:クローゼット
号:花園
このワンピースはほんとうにわたしにとって思い入れの深い子だ。
何を隠そうこのワンピースはわたしが初めてミュージカル刀剣乱舞を現地鑑賞した記念の服だ。
話めちゃくちゃズレるけどきいてくれ!!
2022年ゴールデンウイーク、刀ミュの無料配信で見事に沼に引き摺り込まれたわたしは5月7日土曜日の夕方、笠松駅にいた。
「なぜわたしはここにいるのか、、?!」
当時のわたしは当日行ってその場でお金払うだけのライブハウスと、投げ銭形式の橋の下しか知らないムチムチの無知のにんげんだったので、コンサートのチケットの取り方など知る由もなく。
「わかんないな〜でもらぶフェス行ってみたいな〜村正ちゃんみたいよ〜」と連日ツイッターでほにゃほにゃ言いつつ、まあわたしはどうせこんなキラキラの場所なんて似合わないですからと、行きたい4:別に行かんでもいい6の割合の精神でいた。
ら、7日土曜日の仕事終わり、夫と唐揚げ定食をモリモリ食べている時にふいにDMがきた。
「今日のソワレの公演のチケットあるんですけど来ませんか?」(意訳)
ぜんぜんしらないひとからのDM、あまりにもわたしに都合の良すぎる話。
あまりの衝撃に残った唐揚げを夫に押し付けて、ガタガタ震える手でDMを何度も読み返し、公式サイトを確認する。
「あの、、刀ミュ行ってきてもいい、、?今日の夜」
震える声で聞くわたしに夫は
「行ってきなよ!好きなんでしょ?」
と当て馬ポジションの男みたいに優しく背中を押してくれたので行くことを決めた。
時刻は13時、開演時間まであと3時間ない。
急いで電器店でオペラグラス買って家戻ったらもうあと1時間で支度しなくちゃいけない、歌舞伎と能はみにいったことあるけどこういうキラキラコンサートに何着て行っていいかわからない、刀ミュの映像みてるとまわりの観客たちは割と無難な服を着ている気がする、じゃあ無難な服を着るか?無難な服がない、であれば自分の持ちうる服で最強の服を、、!
ということでわたしはこの花園を身に纏ってガイシホールへ行った。
なに持って行っていいかもわからなくて困った。
33色のペンライトと共に硬いパイプ椅子に座って2時間半くらいで人生で浴びる許容量を遥かに超えるキラキラを浴びてどうにかなりそうだった(どうにかなってしまった)
帰り道クソ重たい33色こんちゃんペンラを首から下げ、規制退場の列に呑まれて笠寺駅まで行く橋の上で三半規管も臓器もぐちゃぐちゃになって、なんとか自宅の最寄駅に辿り着いたわたしは家に帰る気力もなく、5月初旬のクソ寒い公園のブランコで泣きながら感想文書いた。
マジで寒かった。このワンピース天女の衣くらいの薄さしかねえから。村正ちゃんほんとうにかわいかった。
ミュージカル刀剣乱舞初現地という人生の分岐点みてえな体験をした時に着ていたこの花園にはもうひとつ、物語がある。
2023年9月に行った久能山総会の時のことだ。
なんかもういろいろあってソハヤノツルキという男にどハマりしてしまったわたしは、彼の実家の久能山の顕彰会に入った。
大したお金はないけど少しでもソハヤノツルキがこれからも存在し続けてくれるようにしたかったのだ。
会員になって1年経った頃、久能山から手紙が来た。
「総会のお知らせ」
ってことはつまりソハヤくんのご実家に挨拶に来いってコト…?!
そんなの一張羅で行くしかねえ!!!!
というわけで引っ張り出して来たのはこの花園だ。
残暑厳しい久能山の1159段の階段を駆け上がったこと、忘れない…
刀の話もたくさん聞けたし友だちもできたし、この旅はほんとうに素敵な旅だったのでノートにも書いたのでよかったら読んでみてね!!
話が逸れてしまったが、ここからは秋っぽい色味の服に変わっていく!
号:ならずもの
この服ほんと〜にかわいいんだ、みてくれ、
袖とかウエスト周りがとにかくわたしのために作られたんか?というくらい美しい、細く見える!!!
あとプリーツないし柔らかい素材だから座る時間多くても安心できるという実用性も愛してる。
号:マヤ文明
これもとっておきの一着!!!!みろ!!!!!
ボディが不思議な感じで、その日の自分の体形によって、似合う、似合わないが出てくる。
お洋服がきまぐれだから合わせてくれる合わせてくれないがあるのだと思う…
(この写真撮った時はあんまり機嫌良くなさそうなのでなんか似合わなく着用画をやめた)
ナスカの地上絵とかマヤの遺跡みたいなよくわかんねえ柄が最高にいい。
そういう不思議な柄を持つ国の人が作ったというより、不思議な柄に感動した西洋の人が作ったのかな?って感じがする服。
形が似合わないし色味も難しいしであんまり似合わないな…ということが多いから手放そうかなと思ったこともあるけど、もし手放すとしたら、この人なら!似合う!というひとに譲りたいと思う…まあかわいいので永年うちの子なんですがね?
美術品として手元に置いておきたい子のひとつ。
号:青江
このお洋服も思い入れ深い子だ…
2022年の9月に行った青江単騎桑名公演に行った時に着た服。
すっきりした品のある形に透け感のある袖。
凛とした胸元のリボンと繊細な刺繍が美しい。
青江単騎は自分で取った初めてのチケットだったのですごくうれしくてとっておきの服を着たかったからこれはぴったりだと思う。
号:桜小町
コメダの小豆小町っていう小豆となんかのやつがあるんだけど、小豆小町の桜(小豆とミルクティー)のやつめちゃくちゃおいしいからおすすめ。
画質悪⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️
このお洋服もめちゃくちゃ思い出ある、デート行く時もご挨拶行く時もこれ着て行った。
若き日のわたしの勝負服である…
最近着てないので今年はまた着れたらいいな。
号:タイエジプトチャイナ
母がタイ旅行に行った時のお土産の古着。
二の腕ムチムチでまともに着れないのだが…
タイで買ったのにチャイナでエジプト…?なのが謎すぎて大好きな服である。
2023年の橋の下に行った時も着ていったお気に入り!
この日はポートレートみたいなの撮っていただいてうれしくも恥であった。
号:赤いワンピース
これは今期最強の服だと思う。
本当にかわいいみてください。
シルエットが美しすぎる、、!
パリッとした布と赤、幾何学的な形。計算された美しさ。
子供の頃遊んだ着せ替え人形のお洋服みたいでめちゃくちゃかわいい…!!
以前古道具市で食器を売っている人が、美しいカトラリーを手にして「これは大人のガチのおままごとですから…」と恍惚とした表情で言っていたことを思い出した。
そうか、わたしは今大人のガチの着せ替え遊びをしてるんだ…
誰にも彼にも邪魔されずいつでもどこでも好きな服が着れるんだ…
なにも制限を受けずに思想を"纏う"
これがわたしにとっての服だと思う。
そういえば今年の春に名古屋城に十二単着に行った時、「日本の昔の人はお祝いやお悔やみや季節を楽しむ様々な気持ちを、衣服として纏っていた」という話を聞いた。
なるほど…これがそうなのかもしれない…
でも、思想を纏うということはそれだけひとの目に触れるということで、とげとげした感情をぶつけてくるひとにも出会ってしまう、ということをよく覚えておかないといけないな〜って思う。
ボタン、タグ、スカートの形、細部までかわいい。
1枚目ではお人形さんみたいな着こなしをしたけど、
かわゆい服にいかちぃアイテムを合わせるのが大好きでして…
とにかくこのワンピース見つけた時は絶対革ジャンマーチンにしようって決めてた。
これ着てライブハウスで暴れたいよーーーーーーッ!!!
歌仙に怒られそう。
幸"服"論 まとめ
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