幸"服"論⑤

前回の続きから

第二章:クローゼット

ワンピース

号:エレクトーン

20代前半に着てた服。
とにかくかわいい!
ロリータはかわいすぎて着れないが、これくらいかわいい服はわたしにも着ていいだろ?!と思ってお迎えした。
深い紺色なので華やかなビーズバッグを合わせてみる。

号:エレクトーン

「ピアノの発表会というよりエレクトーンの発表会みたいな服だね」と言われたのでエレクトーンという号をつけた。
あまりにも甘々にかわいすぎてさすがに我もアラサーだしな…と封印していた服なのだが、今の方が似合う気がするのでうれしい、やったぜーおれは日々かわいいを更新し続けるんだぜ!

この服、なんと後ろまでかわいい
デカいリボンがついている
白タイツが映えるんだな〜!!

白タイツ大好きです。
なんかも〜ほんとにかわいい白タイツ、なんにでも合うわけではないのだが、上手く使えると一気におしゃれな感じになる。
ちゃんとおしゃれに着れるひとは白タイツかっこよく着るんだろうけど、わたしが目指しているのは古着が製造された当時のひとの着こなし方なので、なんかこう「今日わたしおしゃれすぎるな…」となった時に分厚い白タイツ履いてちょっと垢抜けない感じにするのが好きですね。
秋田藤四郎はいいぞ!!!!

平置きするとこんな感じ

平置きするとわかるとおもうけど、結構肩がしっかりしている。
スカートの裾もボリュームたっぷりなのでシルエットが美しい。
わたしはウエスト絞りしないと人権ないから後リボンの服ってベルトできないからちょっと困るな…となりやすいんだけど、これはリボンしめるとマジで形が最高で俺のオーダーメイドワンピース?ってなるくらい良い。

ダーツの入り方が最高

ウエストからスカートにかけてのガッッってなってる感じおわかりいただけるかな?
かなり150°くらいあるでは?計算ごとは苦手なのでわかりませんが…

後ろのデッケエリボンかわいい
結ぶの難しいんですが…
襟元も美しい

めちゃくちゃきれいなのに首元だけは結構きばんでるから、よそ行き服として何世代にもわたって愛された服なのかな?という気がする…
素晴らしい。愛じゃん。

襟と同じデザインの袖

本当にかわいい、何歳になっても着る。

号:チョコレート祭

これもかわいいんだな〜!
チョコレートみたいなこっくりとしたタータンチェックがかわいい、これで甘い香りの香水つけたらめちゃくちゃかわいいとおもう。
カジュアルなのでどこにでも着ていける服!ちょうどよい!
あんまり激しい印象はないのでにんげんに擬態しやすい。

号:チョコレート祭
ジャンパースカートなので
合わせるアイテム選びが楽しい

そのうち「古着の重ね着」の楽しみを解説するnoteを書く予定なのであまり今日はこのくらいにしといてやるか…みたいな気持ちに留めておくんだけど、ジャンパースカートというのはセットアップよりも制限された中でどれだけかわいくできるかで戦える最高に楽しいアイテム。

号:アショク

このお洋服、なんともいえない呪いがかかっているとおもう。
着た日大体悪夢見る気がする。イヌカレーみたいなやつ。

号はマジックザギャザリングのプレインズウォーカー、アショクから取った。

号:アショク

そんな呪いがかかっている(気がする)にもかかわらず、このお洋服は本当にかわいい。

布量が多い!!!!!

たっぷりと贅沢に布が使ってある。

ジャンパースカート!!!大好き!!!

これも例のジャンスカなので重ね着してたくさん遊べる。
結構サイズ余裕あるから分厚いニット着てもたのしい!
春夏秋冬全部いける。

無銘

お洋服て大体タグがあるはずなのに、この子はこんなにかわいいのにタグがどこにもついていない…
誰かが手作りしたお洋服なんだろうか?
それにしても布選びもボタン選びも最高だし、作りが素人には難しいくらいに美しい。

結構首元までボタンしまる

ボタンいちばん上まで締めると詰まった印象になるので

第3ボタンまであける

着る時は大体第3ボタンくらいまで開けて着る
これでブラウスの首元のデザインもみせられる!最高!!!
このジャンスカに合わせてるブラウスはさっきの号:チョコレート祭でも着てたブラウスと同じ子!
ほんとうにかわいくて優秀なブラウスなのでこの子を語るだけのnoteも書く予定。震えて待て。

号:村正

この子はほんと〜に、ほんと〜に…手のかかる子だ…

このお洋服との出会いは数年前の4月ごろだったと思う。先に紹介した号:餃子天国のワンピースを着てアフタヌーンティーに行って浜松餃子を山盛りに食べた帰り道のこと。
浜松駅?だったかなぁ、駅のすぐそばにある古着屋でみつけた。
鮮やかなピンクのような紫のような…ワンピースというよりドレスみたいな華やかさ。
一目惚れだった。


だがしかし、

号:村正
デデドン!!!!

ど〜しても!!!ど〜してもわたしの体型だと3割マシマシにデブにみえる!!!!
ウエストのところにきてほしい絞りがちょうど腰の上に来るので腰回りの肉付きが良いわたしにはキツすぎる!!!!!、
この写真ではブラウスとか他のアイテムで黒足してほんのり引き締めてみえるようにしているが、なにもせずに抜き身で着るとほんとうにみてられないくらいに着れないのだ…!!!!

試着室で唸った。
めちゃくちゃほしい、この色、この形、しかもなにより100%絹のきらめきがわたしの心を掴んで離さない。

美しい光沢、地獄の底の花のようだ…!

この色は絶対色白のひとが着ないと映えないし、形もほんとうに自分に合ってないとおもう

試着室でめちゃくちゃ悩んだんだけど、「わたしが着ると似合わないんだけどそれでもこの子が許してくれるのなら」と、結構いいお値段だったけどお迎えした。
だって一回袖通したんだからさぁ?浜松まで来たんだぜ?いいだろ??

しかしこれが戦いの始まりだった…

まずこの服、ノースリーブである。

ムチムチの腕が!!!世に晒される、、!!!

今はいくらかマシになったけど20代前半のわたしはほんとうにムチムチで、
しかもアフタヌーンティーでいちごのパフェとケーキとスコーンと紅茶食べて餃子までたらふく食べた身体は今のわたしの3倍くらいデカかったと思う。
そんなムチムチの腕を晒したくない…!
そう思ったわたしは寝かせた。
服を。
服を寝かせた。

わたしより似合うにんげんが山ほどいる中で、それでもどうしてもこの子がほしい!とお迎えしたはずなのに、わたしはこの子から逃げた。
最低だ…!!
着こなせないことを悔しく思いつつも、毎月単位で他にもどんどん新しい服がやってくる。
その子たちを着るのに忙しい、というのを言い訳にして、この子は一度も日の目を見ることなく2年ほど眠り続けた。

転機が起きたのは2022年5月初めのこと。
ゴールデンウィークの無料配信が終わり、らぶフェス2022の初日配信を購入したわたしは、衝撃がすごくて「刀ミュいきたい…チケットわからない…」と呻いていたところを、親切なフォロワーさんにお誘いいただいたのでらぶフェス2022東京公演に行けることになった。
(これは名古屋公演が始まるより前の話だぜ!)(今思えばこれが地獄の始まりだったので新規を囲い込む先人達の狩の上手さに敬服する、ありがとうございます)

思ってもいなかったうれしいお誘い、わたしは真っ先に当日着ていく服を考えていた。

その頃のわたしは大典太光世という概念を知らなかったので、らぶフェスに行けるのはめちゃくちゃ楽しみだけど、大好きな村正ちゃんがいないので「村正ちゃんいないのか…」としょんぼりしていた。
だがわたしには蜻蛉切さんがいる。
村正ちゃんはいないが「やぁやぁ我こそは!!!村正派の女なり!!!!」とやりたい。世に知らしめたい。

このワンピースしかない

2年眠らせてきたこの子が目を覚ます時!!!!!この美しい絹のきらめきでペンライトの光増幅させたい!!!!!!!!!


無理

6月はかなり暑いので長袖着れないのがかなりキツい。二の腕はもちろん、足元に黒を持っていっても重苦しくなってしまうので頼れない。

ベルトをしてみる
スカートの形に納得いかない…
お腹の部分で調整してスカートの裾の形を整えてみる
これならまだまあ、着れるかな…?
だがちょっと動いただけで布まで動くので常に美しい形を保てない

やはり上半身がもたつく!
たゆんとしたシルエットは美しいが!!!わたしにはどうしても似合わない!!!!!!!!!!!
ベルトどうこうで解決できる問題ではない!!!!!骨格!!!!、!!

葛藤しながらいろいろ組み合わせているうちに、スカート部分だけはかわいい、とか、上の部分だけならかわいいとか、上下ともに「これなら着れる!」という瞬間が出てきた。
なのに上下揃うと歪になる。なんなんだ…?!

わたしはまた諦めた。

こんなに村正派の色と雰囲気をした服でありながらわたしに似合わないなんて、!
チクショウ!!お前らバラバラにしてブラウスとスカートに仕立て直してやろうか?!?!?!

思わず裁ち鋏をいれようとしてしまうくらいこの服が似合わなかった。
悔しかった。
この強い色の服を着れないことも、このかわいい服をベストな状態で着れない自分の身体にも、許せなかった…
かわいい村正ちゃんに鋏をいれることなんてしなくて済むように、これを着て蜻蛉切さんの横で堂々と立てるようになれるように、戒めと同じくらい願いも込めて号:村正と名付けた。

似合う似合わない服問題をわたしも抱えている!だが!この服を愛しているのでわたしはこの服を手元に置き続けている!!!!
服は美術品なんだから!!!!!タンスのこやしなんて言うんじゃない!!白雪姫のようにめざめを待ち続けてるだけなんだよ!!!!!!!

このnoteを書くにあたり、めちゃくちゃ久しぶりに眠っていた号:村正を取り出してきた。

ウーン…
後ろのシルエットはいい感じかもしれない
やはりこの組み合わせが"マシ"な気がする

お迎えした時よりは格段に似合うようになってて安心した。
"マシ"なのであって、まだ納得はできていませんが…
今年の冬の村正双騎までにこの子がよく似合うような大人の女になれるようにがんばろうと思う。

ワンピース編終わり

幸"服"論 まとめ

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