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文系経理マンが応用情報技術者試験を受けてみた。

前回のnote記事↓の続きです。
2020年12月にITパスポート試験合格後、次のステップとして2021年4月に応用情報技術者試験に挑戦し、初回の受験で合格することができました。


受験のきっかけ

ITパスポートの勉強がそこそこ面白かったのと、コロナ禍で時間的余裕があったので、自然と上位資格へのチャレンジを考えました。

ITパスポートからのステップアップとしては、基本情報技術者試験→応用情報技術者試験と進んでいくのがセオリーっぽいのですが、基本情報はプログラミングの科目選択が必須とのこと。

一方で、応用情報は午前試験さえ突破してしまえば、午後試験は必須科目+
「文系科目」と呼ばれている選択4科目で勝負できることが判明しました。

参考書を見てみたら応用情報の方が内容が面白そうだし、「文系なら基本情報より応用情報の方が簡単」との情報も散見されたため、基本情報を飛ばして応用情報を目指した方が良いのではないか(というか基本情報の方がムズそう)という結論に至りました。

結果的にこの決断が功を奏したのですが、具体的に何を行ったのかについて記録を残しておきたいと思います。
バリバリ文系だけど応用情報技術者試験に興味がある」「最短経路で資格を取得したい」方のご参考になれば幸いです。

受験時のスペック

・私大文系卒(数学は中2で挫折)
・メーカー経理n年目
・IT業界、職種とは全く接点なし
・資格:日商簿記2級、ITパスポート、MOSなど

使用教材

応用情報技術者試験は、午前(選択式)と午後(記述式)の試験があり、それぞれ対策を考える必要があります。

教材は、ネットでオススメされていた以下の2冊を使用しました。

午前試験対策は「キタミ式」↓

午後試験対策は「緑本」↓

とりあえずこの2冊をやっておけば、問題なく合格レベルに辿り着けるかと思います。

試験対策(午前)

午前試験は80問の多肢選択式で、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野から出題されます。

テクノロジ系の問題が全体の6割を占めるため、特にテクノロジ系が苦手な文系の受験者にとっては、午前試験を乗り越えられるかどうかが肝になります。

また、過去問からの焼き回し問題が半分近く出題されるのが特徴。
問題の意味がわからなくても過去問を覚えておけば、半分近くは解答できるということです。

私の場合、得意な(文系チックな)ストラテジ系とマネジメント系で稼ぎ、テクノロジ系は過去問を覚えて逃げ切る戦略にしました。

午前試験対策で行ったことは主に次の2つ。

①「キタミ式」を通読
といっても、間違ってもこの分厚い参考書を1ページ目から読むようなことはしてはいけません。初っ端から「離散数学」やら「応用数学」やら全く意味不明なので、ばっさり切り捨てて読まずに飛ばしていきます。

一方で、午後試験で必須科目のセキュリティ関係+選択4科目の範囲はしっかり理解することを意識して進めました。(午後試験のことも考えつつ対策する必要があります)

また、テクノロジー系でも、頑張れば理解できそうな(暗記で対応できる)分野は結構あるので、自分で見極めて取捨選択するのが良いと思います。テクノロジ系を完全に捨てると多分受かりません。

②「過去問道場」をひたすら回す

無料で使えるWEBサイトです。
とにかく過去問道場を何十回分も回して問題と答えを覚えてしまうのが午前試験突破の王道だと思います。
もちろん、頑張れば解けそうな問題は、都度①に戻って周辺知識の理解を深めるのが大切です。

試験対策(午後)

午後試験は、記述式で、大問11問中1問が必須科目の「情報セキュリティ」+残り10問のうち4問が選択科目となります。
午前試験で出題されるテクノロジ系の問題には一切関わる必要がなく、自分が得意な分野の科目だけで勝負できる構成になっています。
特にITの素養がない方は、「経営戦略」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム監査」に絞って対策をするのがオススメです。

・問1 情報セキュリティ ←必須科目
・問2 経営戦略 ←文系向き選択科目

・問3 プログラミング
・問4 システムアーキテクチャ
・問5 ネットワーク
・問6 データベース
・問7 組込みシステム開発
・問8 情報システム開発
・問9 プロジェクトマネジメント ←文系向き選択科目
・問10 サービスマネジメント ←文系向き選択科目
・問11 システム監査 ←文系向き選択科目

基本的に午後試験対策は、「緑本」をやっておけばなんとかなります。

全9章ありますが、上記の必須科目+選択4科目に絞って対策を行いました。

「試験回によって問題の難易度に差があるので、選択科目は多めに準備しておきましょう」というアドバイスも見かけましたが、そんなことをしている余裕はない。というか問題見たら他の選択科目はどれも無理そう。ってことで、最低限の4科目以外は全く手をつけませんでした。

私は時間がなく、各パート1周しかできませんでしたが、2〜3周はしておいた方が無難かと思います。

ちなみに、試験当日のシステム監査の問題で、第8章の「新会計システム導入に関する監査について」と似たような問題が出ました。この参考書で対策しておいてよかったと思いました。

試験当日(午前)

たいして勉強してないし受けるわけないよなとか思いながら試験会場へ。

午前試験は出題数80問で、試験時間は150分。
マークシートで四択問題なので、計算問題を捨てている自分にとっては、かなり時間に余裕がありました。

本当に、過去問道場で何回も見た問題が出題されている。「これ進研ゼミでやったところだ!」的なやつ。
意味がわからない計算問題でも解答の番号を覚えているので自信を持って解答できます()

ただ、そうはいっても初見(焼き回し以外)の問題も半分あるわけで、そこは自力で対応しなければなりません。

午後まで結構時間が空くので一旦帰宅。
(自宅からかなり近い会場で助かりました)

解答速報が出ていたので、早速自己採点。
合格ライン(60点)を下回っていたら午後は受けに行かないつもりだったのですが、ギリギリ超えていそうだったので、午後も受けに行くことにします。

せっかくここまで来たら受かるしかないな、と自然とやる気になっていました。

試験当日(午後)

午後試験も試験時間は150分。
ハイペースで解答していく必要があり、時間いっぱいまで掛かりました。予想以上に時間がないので、時間配分は気をつけた方が良いです。

記述式と聞くと少し身構えますが、本文中のどこかに必ず答えが書いてあり、しっかり読み込めば解答できるように作られています。国語の問題みたいな感じです。
本当に、文系に優しい試験だなと思いました()

知識を問うだけの問題もあるので、そこは参考書で学習した内容を思い出せれば解答できます。

終わった時点では、あれ、これもしかしたら受かるんじゃないか、という感触でした。解答欄もなんとか全部埋められたし。

自己採点もできることにはできるのですが、いかんせん記述式なので採点基準が不明。だんだん不安になってくる。

合格発表まで2ヶ月以上、モヤモヤしながら待ちました。

合格発表

無事、合格しました!
得点は以下の通り。

応用情報技術者試験 成績照会

午前試験は自己採通りギリギリでした。あと数問落してたら終わってた。
ストラテジ系・マネジメント系で稼ぎ、テクノロジ系は最低限(過去問覚えておくだけ)という戦略が奏功しました。

午後試験はかなり余裕を持って得点できてました。
記述問題の採点はかなり甘めで、部分点も結構くれたのではないかと思ってます。

その後、証書が送られてきました。ITパスポート試験とほぼ同じ。

応用情報技術者試験 合格証書

おわりに(まとめ)

あくまで「ただ資格が欲しいだけ」「受かるためだけ」であれば、上記の戦略が有効になるかと思います。

個人的に、「午前試験さえ突破すればなんとかなる」試験だと感じました。午前試験に通っていないと、午後試験は採点すらしてくれませんので、努力が水の泡になります。

取得したメリットは今のところ特に感じていませんが()、もともと趣味の範疇で始めたので、まあいいでしょう。
テクノロジ系は最後までちんぷんかんぷんでしたが、ストラテジ系・マネジメント系の分野は勉強していてなかなか面白かったです。

情報処理技術者試験は更に高度試験(ITストラテジスト、システム監査技術者など)があり、応用情報技術者試験に合格すると一定期間高度試験の午前I試験が免除になります。このあたりは更にステップアップを目指す人にとって非常に良い制度だなと思いました。
(私もこのまま高度試験を目指そうかなと魔が差しましたが、難易度が段違いで取得したところで今後に活かせる見込みもないのでやめときました)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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