すばらしき世界

すばらしき世界、観てきました。

圧倒された…!何回も泣けてしまった。

もちろん暴力で物事を解決するのは良い方法ではないけど、でもそうしないわたしたちが生きている世界を「すばらしい」とも言い切れない。
腕力で生きてきた三上さんも、それをしない普通の人々も、誰もしあわせなんか感じていないのではないか。
暴力に怯えなければいけないかわりに同調圧力に押しつぶされそうになっているわたしたちが生きている「普通」って、なんて息苦しいんだろう。

普通に生きて、もう事件を起こさず、世間に馴染んで。三上さんにそう願っておきながら、終盤の彼が"怒らない"シーンがつらくて仕方なかった。わたしは三上さんにこうなって欲しかったのか、って。
わたしはこれを、自分の子どもにも望むのか?って。

しんどい中でも生き抜いて、支えてくれる人がいて。そういう普通の人生がすばらしき世界なんだよ、ってことかなぁと思ったけれど、もっとこの世が生きやすかったらいいのにと思わずにはいられなかった。
三上さんのような人だけじゃなくて、わたしたちみんなのために。

とはいえ三上さんのように腕力もないわたしには選択肢もなく、この世がすばらしかろうがクソだろうが、これからも「普通」に生きていくしかないのです。
だからせめて息子のことを大切にしよう。誰かを故意に傷つけるのはやめよう。なるべく優しくいよう。
この世界がちょっとでも、すばらしいものに近づくように。

映画館を出たら、お昼時の太陽と青空が眩しかった。
空が広いね、三上さん。