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大事なことは人生のレールを外れて挫折した時に教えてもらった #しくじり先生

24歳に大学を卒業して、放送局の営業職に就職しました。

27歳の時に転職をして、念願の人事の仕事に就くことができた。そこからの6年間は本当に「カオス」という言葉がしっくり来るぐらいの怒涛の日々だった。

・鬼のように来る応募者(年間6500人以上)

・同僚が倒れていなくなるも増員なし

・朝の9時に会社に行って、夜の21時に自分の席に座る。その間はひたすら社内外の人と会い続ける。面接に来客に研修にフォロー面談に。21時から自分の仕事が始まる。

でも、充実していて、とても楽しかった。

土日もずっと仕事のことを考えて、時間があれば出社して仕事をしているほどに。

それを6年間をやり切って、ある程度の達成感と自分への自信を感じました。

34歳で独立。人事コンサルティングを行う事業を立ち上げました。

以前からお世話になっている数社が「仕事を発注するよ!」と言ってくれていたので、まあ、大丈夫だろう、と思っての独立でした。

まさかそこから地獄の日々になるとは・・・。

「なんちゃって起業」

今から思えば、私がしたのは「なんちゃって起業」でした。

・自分は「できる」という思い込み、過信

・向こうから来てくれるという「カッコつけ」(何も実績もないのに案件が来るわけがない)

・戦略がない

失敗して当たり前な状況でした。

独立した直後に発注すると言ってくれていた会社から次々と見送りの連絡がきました。

「ごめんねー!また連絡するから」

当然二度と連絡が来ることはありませんでした。

ツテなんてありません。今のようにTwitterでの発信もしていないから繋がりもないわけです。

焦りました。Facebookで毎日何通もメッセージを送りました。そして、お断りの連絡が次々と返信されてきました。

そうこうしているうちに生活費が尽きてきました。2011年の年末、テレビで紅白を観ながら、来年のことなんて考えたくなくて、苦しくて、年始に親に挨拶に行くことを拒みたくなるぐらいの心境だったことを覚えています。

まだ「カッコつけ」たかったのでしょうね。

年始に妻と話をして、「頭で稼げないなら、体で稼ぐしかないよね」という結論に至り、年明け早々に近所にあるヤマト運輸の営業所と、ドミノピザに駆け込み、「アルバイトをさせて下さい!!!」と頭を下げに行きました。

そこからの10ヶ月、は朝から昼まではヤマト運輸で配達をひたすら、夕方から夜までドミノピザで配達をやっていました。

真夏のヤマトでの荷物の配達は、本当にキツくて、ほんの数ヶ月ですぐに痩せて、「お金をもらいながらライザップに行っているみたいだね」とか言ってるぐらいでした(苦笑)

でも、働くことを通じて、お客様と接することができて、対価としてお金を頂ける。本当に久しぶりにその感覚を体験することができました。

しくじりから学んだこと

ある意味、独立するまでは人生のレールの上を無意識に走っていたのだと思います。

それを「行ける」と思い込んで外れてみた時に、自分一人の無力さを痛感させられました。

でも同時に今まではなかったような体験をたくさんできました。

☆目の前のお客様にモノ・商品・サービスを届けることの達成感

お客様が求めているものを持っていって手渡しをすると「ありがとう」と言われるのです。

その言葉に何度救われたことか。

時にはお客様から「あなたは今、素晴らしい仕事をしているのよ。誇りを持って仕事しなさい」と激励されることも。暑い日には飲み物や塩飴を頂くこともありました。

お客様が欲しいモノを届けること。この達成感は一生の宝物になりました。

☆小さな仕事でも、とにかく一生懸命にやっていると相手に通じる

営業所から荷物をボックスに入れて、お客様のところまで運ぶ。

ピザ屋でキッチンからピザを回収して、お客様のところまで運ぶ。

やっているのはそれだけのこと。ミスもする。たまに怒られる。でも一生懸命にやっていると、その思いは相手に通じる。褒められることも応援されることもある。

どんなに小さな仕事でも、思いを込めてとにかく一生懸命にやると道が拓ける。相手に思いが通じる(こともある)。

☆人の人生に向き合って、寄り添って、解け合う

バイトの休憩時間のふとした時に、真夏の空を眺めながら、「自分の人生はどうなっていくんだろう」と何度も思いました。

妻や数少ない親友には何度も話を聞いてもらいました。みんなが私の人生に対して、私以上に考えてくれていて。それがどれほど嬉しかったか・・・。

今は日々たくさんの方と採用面接をさせてもらっています。一人一人と接する上で、常に「人生に向き合って、寄り添って、解け合う」ことを意識しています。

このスタンスは私の原体験から行っているものになります。誰が何と言おうとも、このスタンスがブレることはありません。

タイトルは「大事なことは人生のレールを外れて挫折した時に教えてもらった」と書きましたが、本当は挫折なんてしてなくて、むしろ私の人生には欠かすことのできない原体験そのものだったと、今でも思っています。

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