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部分分数分解の公式の納得できなかったところ

 こんにちは。
 久々の記事になります。

 最近仕事と数検1級に向けた勉強に時間を全振りしていて、記事を書く時間を捻出できませんでした。
 これはいかん!!

 ということで、久々に記事を書きます。
 内容は、数学の「部分分数分解」というやつです。

 数検1級に向けた勉強をしていて、なぜ?と感じたところだったので自分なりにまとめました。

 もし、高校生で同じ疑問を持っている方がいらっしゃれば、一助になると幸いです。

1 部分分数分解とは?

 部分分数分解について、簡単に説明します。
 なんだか早口言葉にありそうな単語ですね笑

 部分分数分解とは、ある分数の式を2つ以上の分数の式に分解することです。
 言葉だけだと分かりにくいので、具体例を示します。


 $${\frac{1}{x^2-1}}$$を部分分数分解すると、

 $${\frac{1}{x^2-1}=\frac{1}{2}(\frac{1}{x-1}-\frac{1}{x+1})}$$

 左辺は1つの分数の式だったものが、2つの分数の式に分解できました。

2 なぜ部分分数分解をするの?

 なぜこんなことをするのか?と思いますよね。

 実は部分分数分解することで、積分ができるようになるからなんです。

 分数関数の積分に関しては、本題とずれてしまうので、この記事では取り上げません。

 もしご興味ある方は参考書で確認いただければと思います。

3 分母の次数と分子の次数の関係

 部分分数分解したとき、一般的には分母の次数より分子の次数が1だけ小さくなるように部分分数分解します。

 具体的には、下の例の通りです。

4 納得できない公式

 数検1級の参考書の問題と、公式を示します。

 問題 次の式を部分分数分解しなさい。

問題と、このタイプの分数を部分分数分解する公式

 この公式で納得できないところは、下の図1の赤で示した部分です。

図1

 一般的には、分子の次数は分母の次数より1だけ小さくなるように部分分数分解しますが、図の赤で示した部分は次数が2小さいです。

 これが公式で示されていますが、納得できませんでした。

5 公式を納得できるようにする

 では上の図の公式の納得できないところを解決します。

 まず一般的な形、つまり分母の次数が分子の次数より1だけ小さい形に部分分数分解したと考えます。(図2)

図2

 図2の右辺の第1項に注目して、次のような式変形をします。(図3)

図3

 図3の最後の行の第2項を見てください。
 分母は$${(x-1)^2}$$で次数は2、分子は$${A+B}$$で次数は0。(図4)

図4

 よって、公式のような形に変形できると分かります。

 公式を導きます。

図5

 図5の最後の式のA+B、A+Cを改めてそれぞれA , Bとする。
 またDをC、EをDにする。

公式

6 一般的に・・・

 今回は、分母が$${(x-1)^2}$$でした。

 では、$${(x-1)^2}$$が$${(x-1)^3}$$だったら、その部分分数分解したときの分子の次数はどうなるでしょうか。

 もし部分分数分解すると、次のような形のはずです。(図6)

図6

 右辺の第一項に注目して、次のような変形をします。

図7

 図7の最後の式の分子の次数は、すべて0です。

 この結果から予想できるのは、分母に$${(x+a)^n}$$($${a}$$は任意の実数)が含まれる式を部分分数分解をすると、分子の次数は必ず0だということです。

7 最後に

 今回は数学検定1級の勉強をする中で疑問に感じたところを解決できました。

 細かいところですが、1つ1つ納得しながら進むというのも大事だと思います。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

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