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春日大社の神事に居合わせる

これまで幾度となく奈良に来たのに、なんとなく足が向かなかった春日大社へ。公園では鹿たちがのんびりと転がっている。

うとうとと・・
かわいい若い鹿
かゆいところを掻いてあげています

植物園を超えたあたりから急に神聖な神社の気が満ちた。明治神宮の気配に似ていて、おそらくその系統なのだろうと推測しながら歩く。

鹿たちもこころなしかキリッとしている。歳を取った感じの鹿が寄ってきて、案内するようにしばらく歩いてくれた。鹿のお尻が白いのは、先導の目印のためだった、と思い出す。

そこのアナタ!
こちらですよ!

本殿前の祓いを落とす社の前で、別の鹿が3度頭を下げて来たので、私もお辞儀をした。鳥居の外の鹿はあんなに間延びした顔をしていたのに。

本殿にお詣りすると、境内に巫女さんがふたり背中を向けて座っていた。その隣に笛と琴と拍子木の人も。奥から聞こえる祝詞が終わると、巫女達が立ち上がり、最初は扇で、そして鈴で舞を待った。現代箏の大きさに見えるが、筝の音は小さいらしく、ほとんど聴こえなかった。筝を弾く人の藤色の着物が美しかった。

毎月3回、宮中と同時刻に同じ作法で行われる神事に居合わせたらしい。いい時刻に来た。終わるとタイミング良く雲が晴れ、太陽が葉影をくっきりと落とした。

遠くから見つめ合う

神事は撮れなかったので鹿の写真ばかり。

(2024.03.01)