ズュータン氏消失と僕たちがマルチ側の人間ではないことの証明について

お久しぶりです。須田です。僕たちが前回ズュータン氏からDV被害を受けたことを警察に届け出てから、「なぜ著者は消えてしまったのか」という疑問と、依然として僕たちがマルチ商法側の人間ではないのかという疑問が残っていると思いますので、その証明(になるといいのですが)を以下に記載します。

1.1 まず、なぜ著者氏がネット上から消えてしまったかについて、一部ではマルチ商法側から圧力がかかったのではという言説が飛び交っているようですが、それは異なります。彼が語るのをやめてしまったため、流石に無駄な流言飛語に晒されるのも気の毒なので代わりに僕が語っておきましょう。以前、僕が記載したnoteにも書いた通りですが、知人と僕が「もういい加減マルチ関連に関わるのをやめてくれ」と長年懇願していたのと、当人もマルチ界隈からは離れたがっていた、というのがシンプルな理由です。

著者と連絡を取っていた方や著者の文章や行間をきちんと読んでいた方は肌感覚でわかるかと思うのですが、彼は特段熱血派でも普段は憤怒に駆られるタイプでもありません。元妻氏の事件がなければ、このような出版行為に出るような勇ましい、世に問題を提起してやるんだという行為に打って出る人間ではありません。むしろその対極にいる人間でしょう。

そもそもマルチ被害の聞き取りをする作業も、それに関わる情報に触れるのも彼の立場と心情を思えば大変です。自分の事件のことを思わずに入られませんし、元妻氏側に残された娘の存在も心配になるでしょう(著書もよくよく読むと彼自身も気持ちがかなり揺れ動いでいる様が読み取れます)。それに、彼はカウンセラーでもリーダー型ではないのですから被害者の声を聞き取り、マルチ被害者のシンボリックな存在を続けるのも心身的に負担であったのだろうと推察します(皆さんも特別な心理職・大企業のプロマネをお仕事にされていないのであれば、そのような作業は御免被りたいのではないでしょうか。プライベートであればなおさらです)。ですので、著書の宣伝のために渋々続けていたが、僕たちの命をかけての抗議もあって辞めたというのが真実です。

1.2 ここまで言っても、「とはいえ、須田という人間は怪しい。マルチ関係の界隈の人間ではないのか?嘘を吹き込んでいるのでは?」という疑問が残りますね。フォロワー0の人間を急に信用しろ、というのは土台、無理ですから仕方のない疑問でもあります。

もちろん、DV被害に関しては正式に警察に受理・処理されているので然るべき権限を持った方がちゃんと調査すれば僕たちの証言が嘘ではないこと、DVがあったことが証明できますが、一般のネットユーザーには追跡調査は不可能です。

また、マルチ商法の商品を持ってきて、金属バットでボコボコにする様をYoutubeに上げれば信用してもらえるかというと、逆に「そういう見せ方をわざとしているのだ。ただのディスプレイ行為だ」と疑うこともできるでしょう。実はこれ、みなさんが大嫌いな陰謀論者と同じものの見方をしている状態にあるのだと思います。

政治、水、空気、社会など社会的な根幹を成すインフラに疑問を持つ人間が陰謀論にハマりやすいように、特定の人物そのものを怪しく思っていると、その人が何をしても怪しく、罠が潜んでいるように見えるものです。

何より、僕および知人がマルチ商法側の人間ではないことを証明するのは「神の存在証明」に近い部分があります。何かの神秘現象に「神はいる。これは神の御技」と信用するのは簡単ですが、神の存在を否定するには、かかってきた疑問に対して全て否定する、という形でしか返せません。なかなかの難問ですね。(もしこれぞ!という疑義があればお寄せください。きちんとした形で否定しますので)

1.3 ではお前たちがマルチ側の人間ではないといえない記事じゃないか!と激昂する方もいそうですので、ここで少し思考実験をして見たいと思います。もし仮に僕たちがマルチ側の人間で、彼の名誉を傷つけ、出版を取り下げるには僕たちのやり方は最善だったでしょうか?実は、もっと有利な手があったはずです。考えられる手段は下記の通りです。

A:元妻氏が「本書に書かれていることは事実ではない」とクレームを出し、出版差し止めを求める。
B:民生委員のマルチの元締めが「本書に書かれていることは事実ではない」とクレームを出し、出版差し止めを求める。
C:本書で挙げられているマルチ商法企業が「本書に書かれていることは事実ではない」とクレームを出し、出版差し止めを求める。

これは僕の推測ですが、おそらく元妻氏はまだマルチ側にいるでしょう。彼女はマルチ商法側にとって最高の駒であるはずです。実は本書によって、元妻氏側も所属しているマルチ商法のグループの中で何らかの被害を被っている可能性があります。少なくとも「あの本に書かれていたのはあのグループの●さんだ」と同じマルチ界隈ではモロバレでしょう。著者はペンネームですし、マルチ関連の人間関係とは離れていますから社会的にはノーダメージですが、元妻氏には出版によってそれなりにマルチ界隈の人間関係等に打撃があったはずです。クレームを出すなら、彼女が最も最善でした。なぜ彼女を使わなかったのでしょうか?

可能性としては、彼女がマルチを実はいまは離れていたことも考えられます(この結論だといいのですが・・・僕が著者から聞いた限りの情報ではその可能性は低そうです)。しかし、民生委員で元妻氏を誘惑した元締めはどうでしょう。何年、何十年とマルチ側を続けてきたことが推察されますし、おそらくですがまだお亡くなりになる年齢ではありません。彼女も「この本に書かれていることは嘘だ」と真正面から言及し、裁判に持っていくことも可能です。

もし元締めが何らかの理由で話せなかったとしても、Cの選択肢が残っています。実は本書、どのマルチ商法なのか会社の名前が伏せられ、「マルチ自体は違法ではない」と著者がフォローしている記述が見られます。なぜこのような記述をしているかというと、間違いなくマルチ側からの訴訟を恐れてのことでしょう。マルチ側からすれば「会社の名誉を毀損した」「我々は違法ではない」と訴訟に持ち込むことも簡単でした。

特に著者は本書の中では伏せていますが、過去のtwitter投稿に遡るとどのマルチのことを言っているのかわかってしまうようになっていました。著者本人が呟いてしまっていたからですね。もちろん、鍋や油、サプリなどそのマルチのシンボリックな商品の情報から、どこのマルチなのかわかってしまうこともあったかと思いますが。

こんなに魅力的なカードが3つも手元にあるのに、使わなかった理由は何でしょうか。僕たちのようにフォロワー0の人間がDV被害を申し出るのは、彼の名誉を傷つける目的でも出版取り下げにたどり着くためにも、ほぼ最弱の手です。マルチ商法は人心掌握には長けているはずなのに、組織なのに、こんなに最弱の手しか使えないほど阿呆なのでしょうか。「マルチは結局阿呆だった」そんな結論だったら愉快でいいのですが、組織なのですからもう少しまともな手で反撃してきたでしょう。

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