テキトーを重視して─────────────

「それより俺、三回目の留年嫌だから帰りますっ!」
そう言って俺はそろりそろりと逃げた。
「待って!この旅の目的がまだ、、、」
とユマ・ヌイ。
「うるせえこっちは留年がかかってるんだ!」
流石に2年も留年したくねえよ。
「というか寸也斗!お前も2年留年してるくせになんでそんなに頭いいんだよ!」
寸也斗も留年していたというのは、事実である。
「え~だって俺~、社長が忙しくて学校行けてなかったも~ん。」
先生、質問です!コイツ、絞め殺して良いですか?
先生、質問です、コイツ、学校に行く意味ありますか?
先生、質問です、どうして俺ばっかり不幸なんですか?
「うるせえ自分で何とかしろ!」
先生の声がした。え?
「それより助けてくれええええええええぇ!留年回避させてやってもいいぞ、助けてくれたら」
声の聞こえる空を俺は見上げた。先生が落ちてきていた。俺は
「ふぇぇっ⁉」
と情けない悲鳴を上げた。
そして留年回避のため、先生の落ちる場所に奈衣乃さんの持っていたクッション(なんで持ってるんだ?)を置いた。先生はクッションにバフッと座った。先生は助かったのだ。
「俺より丈夫な奴いるか?」
先生は自慢げに言った。寸也斗が遠慮がちに手を上げ、
「居ます、、、」
といった。え?誰?そんな、地面に空から落ちても大丈夫な奴居ないだろ。
「ここに。」
なんで俺を指差すんだ?
「え?だって屋上から落ちてもへーきだったじゃん。」
辞めろ、それを思い出してしまったら、、、
「昴、中二病?」
そうじゃなくて!それを思い出したら寸也斗との仲が崩れる。
「あ、重度な中二病だ・・・・・・。」
誰のせいだと思ってるんだよっ!ていうか中二病じゃねえよ!
「え、お前、屋上から落ちてもへーきなのか、、、今までイキっててすいませんでした!お礼と言っては何ですが、留学回避させていただきます!」
やったああああああああああああああああああああああ!


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