戦隊ものが書きた~い!

音色

音色
・気まぐれ
・怒りっぽい
・教卓の下で寝ていることが多い
・私立祭学園の生徒

桃香

桃香
・優等生
・高嶺の花
・一匹狼
・私立祭学園の生徒

陽菜

・元気
・音色とは昔からの友達
・私立祭学園の生徒
・どっちかと言うと不良
・私立祭学園の生徒

~第一話~ 目覚めた化け猫

私は音色。私立祭学園の生徒。
「音色!」
こっちは~、陽菜!陽菜は、私の幼馴染。こう見えて、お嬢様なの!
「陽菜っ!どうしたの?」
私の声が一トーン上がった。陽菜は
「実はね、桃香様に挨拶したら、挨拶が帰ってきたの!」
といった。
「えっ!あの桃香様が⁉」
桃香様は、皆の憧れの的。まさに、高嶺の花って感じ。陽菜とは違い、頭のいいお嬢様なのだ。私は、もう一言で表せば凡!平凡過ぎて小学生時代のあだ名はへーちゃんだった。
「元々は下級貴族と言われていた猫族が、人間様、ましては桃香様に挨拶されるなんて、ゲーテでも考え付かなかっただろうし。」
と陽菜。そう、私達人化した猫たちは猫族と言い、下級貴族だった。
「これも、毎日挨拶してた成果じゃない?」
と私は言った。陽菜は
「そだねぇ。」
といった。今日も、当たり障りのない話をしていた。桃香様に挨拶された、ただそれだけの話・・・・・・。

運のいい(?)音色

はぁ、私は今日も挨拶したけど、返されなかった。なんでだろう。はぁ、もう挨拶なんて無くなればいいのに。
「やっほ~、君は、、、音色だねっ!」
となんか戦い物では定番の、小っちゃいキャラ。
「誰⁉」
と私は聞いた。
「ぼくは白龍。」
と白龍。私は笑いをこらえて
「その名前と身体は一致しないねwww」
といった。白龍は
「ぼくだって元々は綺麗な白い龍だったよ。でも、君等人間─────────」
「私人間じゃなくて猫族。」
「そんなのどうでもいいじゃないか。
 君等人間が挨拶なんて無くなれば良いのにって思うから。
 元々ぼくは挨拶の神なんだよ。
 そして今日、挨拶なんて無くなればいいのにが352件目だよ。全くどうなってんだ。やっぱりアイツ達が動き出したのか・・・・・・?」
と白龍は説明をした。
「とにかく君は352件目の挨拶なんて無くなればいいのにって言ってる者だよ。おめでとう。」
全くめでたくない。
「中途半端な数字!」
と私は言った。白龍は
「何言ってんだ、ぼくの年齢だぞ?」
といった。あ、自己中の方ですか?事故中撲滅委員会の方、ここに、自己中がいますよ~!という冗談はさておき。
「おめでとうって?アイツって?」
と私は聞いた。白龍は
「あ、いけないいけない。
 ぼくの、パートナーになってくれませんか?」
といった。パートナー?
「了承してくれた、ラッキー!」
いやホントに自己中じゃ?
「アイツって言うのは、簡単に言うと敵だな。」
と白龍。
「ハッ!アイツが来る!」
と白龍は言って、身構えた。私も思わず身構えた。

敵様とご対面

「白ちゃん!どうしたの?」
と敵?敵にしては、親しげだけど。
「怨。」
と白龍は言った。怨?
「怨。それは、人間たちが挨拶をしないことで現れ、挨拶が嫌いで、人間たちが不仲になるのが目的と言う、全てが謎の集団だ。」
と白龍は説明した。
「白ちゃん?」
そう言った怨の顔はぐにゃりと歪み、
「挨拶なんて言葉、使わないで?」
と言った。白龍は
「マズいっ、今の僕の力じゃ勝てる相手じゃない。アイツは相当人間の心臓のキリを喰った怨だ。」
といった。キリ?ナニソレ。あれ?怨の顔をよく見ると、桃香様似だった。桃香様に似ているなんて、すんごい顔が良いねっ!白龍を見ると、
「撤退だっ!」
と言って私をテレポートさせた。
「私に、如何して欲しいの?」
と私は聞いた。肝心の事を聞き忘れていたのだ。
「毎朝、皆に挨拶を。グハッ。」
と白龍は言いながら口から血を吐いた。
「それだけ?簡単じゃん。」
と私は言った。
「なら、毎日挨拶を欠かしたことがないって言える?グハッ。」
と白龍は言いながら口から血を吐いた。
「言えない。ごめんなさい!簡単なんて言って、ごめんなさい!」
と私は言った。すると、白龍の吐く血が少なくなった。でもすぐに白龍の吐く血は酷くなった。
「ごめん、ぼくハ、もしかシたラそろそロ、おわりかモしれなイ。音色が挨さツをつづづづづづづケてくれたたたたたたラ、蘇れるとおモモモモモモモう。」
そう言って、白龍は姿を消してしまった。消滅と言えばいいのだろうか。パソコンがバグりにバグりまくって最終的にスリープをした、そんな感じだ。あ、挨拶しないといけないのか。明日、おはようって言ってみよう。

音色、取り締まられる

「おはようございます、桃香様。」
と私はいつものように挨拶をした。そしたら心なしか、キッとにらまれた気がした。猫族風情が、人間様に話しかけるではない、そう言いたいのだろうか。確かに、私は猫族だ。でも、桃香様はそんなこと言う人じゃないと思っている。だから、
「桃香様っ!」
と私は言って近づいて言った。周りの人は驚いたようだった。そりゃあそうだ。高嶺の花の桃香様に話しかけるなんて、しかもそれがへーちゃんだなんて、誰もが目を疑った。私は変わる。周りの目なんて一切気にしない。目の前の人と向き合う!
「あら?どなたかしら?」
と桃香様。まぁ、桃香様に挨拶する人なんていくらでもいる。いくら桃香様でも、いちいち覚えていられないでしょうし。
「私は、」「音色さん?」
私が名乗る前に、桃香様が私の名前を当てた。えぇ、覚えてくれてたの⁉嬉しい。感激。死んでもいい!
「どうされました?」
と桃香様は冷静に言った。それに対して、私は興奮する大きな声で
「猫族ってどう思います?」
といった。その後後悔した。ヤバい、いきなりすぎたかなって。
「どう・・・・・・?あぁ、とても、、、何と言うか、努力しているんだと思いますよ。」
と桃香様は優しく答えてくれた。私は
「人間と猫族の心の隙間が埋まることはあると思いますか?」
と聞いた。これで、桃香様のホントの姿が分かる。
「それは、、、種族の違いって言うのは結構なもんだからね。」
そこで桃香様は区切った。そして、

””無いんじゃないかな?””

といった。脳内にこだます桃香様の声。私は
「そう、ですか。」
と私は言った。脳内で、桃香様の””無いんじゃないかな?””と言う言葉がエコー付きでループ再生をしている。
「まぁまぁ。そう気を落とさないで。では、私はこれで、失礼。」
と言って桃香様は歩いて行ってしまった。桃香様の、飾らないところが、素直なところが私は好きだ。でも、、、本音を言われるのは悲しいような気もする。私はすぐに教室に行った。
「おはよっ!ひ~な!」
陽菜がボケボケッとしていたから驚かした。陽菜は、
「音色?珍しいね、挨拶するなんて。」
といった。確かに。陽菜と一緒に居るのが普通になってて、挨拶なんてしてなかった。
「そだね、珍しいね。」
と私は言った。
「あ、私ねっ、桃香様と話したの!」
と私は続けて言った。元気に言った。
「良かったね。・・・・・・今日、ヤケに音色の野次馬が多いのはそう言う事か。」
と陽菜は言った。野次馬?
「音色、意外と可愛いじゃん?」
意外とは余計。
「ファンクラブあるの、気づいてなかったの?」
知んない。初耳だぁ。
「はぁ。まさか、音色が声かけた。。。なんてことはないよね?」
と陽菜は聞いた。私は目を逸らした。
「何やってんの?そろそろ取締隊が来るわね。じゃ、私はそろそろ先生が来ると思うからはけるわ。」
と陽菜は言って行ってしまった。

「音色さんでしたっけ?桃香様に自分から話しかけるのは条約違反よ。」
と取締隊のリーダーっぽい人。私は
「条約違反?」
と聞き返した。あ、そういえばここに入る時に書かされた契約書にそういうもの書かれてたような気がする。
「二度目は無いわ。」
とリーダー。私は
「はいっ!」
と不服ながらも返事をした。

陽菜の予想通り、リーダーが出て言った直後に先生が来た。最悪なことに1時間目は私の苦手な算数だった。そのうえ、私が難しい問題に当てられた。アンラッキーデイだなぁ。

狙われた音色

学校が終わり、帰り道。私はちゃんとさようならを言った。
「音色ちゃん!」
誰?まさか、怨⁉
「私だよ、私。」
あぁ、りうな?
「おはよっ!あぁ、こんにちはかなぁ?」
と私は言った。そしたらりうなは嫌な顔をした。
「挨拶ってなんでするの?」
りうなの無邪気な声が私の頭の中で回った。
「挨拶なんて無くなってよくない?言わなくてもよくない?」
とりうな。りうな、もしかして怨?怨が言いそうなこと、言ってるよ?
「怨なんかじゃないよ。」
とりうな。ん?りうなって、怨の事知らないよね?と言うか、りうなって誰?
「、、、貴女は、だぁれ?」
と私は聞く。りうな(?)は
「気づいちゃったかぁ。」
といった後に、最初に会った怨のように、ぐにゃりと顔が歪み、桃香様に似た、何かが出来た。
「バレたら、仕方ないね。痛いかもしれないけど、ごめんねぇ。」
ごめんねぇ、と言う怨だけど、反省している様子は全くなかった。そして、私の髪をグイッと引っ張って進んでいった。ズズズズズズズズズ……と、地面を引きずらされた。
「痛いっ!」
と私は叫んだ。
「無駄だよ、誰にも聞こえない。」
と怨は不気味に笑った。私はひたすらに奇跡が起きるのを願った。
「フッカァァァツ!」
と突然、後ろで声が聞こえた。
「あ、ちっこいのじゃん!」
と私は言った。ちっこいの=白龍。
「白ちゃん。封印されたまんまでいてよ。ねぇ、お願い。」
と怨は言った。白龍はキッと怨を睨んだ。
「それは無理なお願いだね、君ら怨がいる限りは。」
と白龍はかっこつけて言った。かっこつけすぎじゃない?怨は
「そう。なら、力づくで……。」
と言って白龍に攻撃した。白龍は
「やっぱり今の力じゃ無理か?」
と言いつつ、怨の攻撃をふさいだ。白龍が私に、
「音色!君も戦うんだよ。」
といった。どうやって?出来るわけない。私はただの猫族だし。
「何言っているんだ、君は化け猫だろ?」
といった。化け猫?確かに、猫が擬人化してるから、化け猫なのかも。なんか起これっ!私は自分の手に力を込めた。

””死人の民よ、我に従ひ、我あはれがり。宴の始まりは、これよりなり””

口が、、、勝手に・・・・・・喋った⁉すると、周りの霊たちがガタガタと動き始めた。
「このまま、怨を、倒すのだ!」
と私は言ったが、反応してくれなかった。白龍は
「こういうんだ!かくて、怨を、倒すなり!って。」
とアドバイスをくれた。私は白龍の真似をして、

””かくて、怨を、倒すなり!””

といった。そしたら、皆、怨に向かって突撃していった。怨は
「化け猫が目覚めたッ⁉これは予想外だ。撤退っ!」
と言ってどこかに行ってしまった。

化け猫って何?

「で、化け猫って何なの、白龍?」
と私は白龍を見た。白龍はギクッとしたように、
「化け猫……?ハテ、何の事かなぁ?」
と誤魔化した。私は睨んだ。白龍は
「化け猫って言うのは、簡単に言うと、1億分の一の確率で生まれると言われている、伝説の猫族なんだ。その化け猫は、能力を使うことが出きる。それが、君だ。君は、死人を操ることが出来るらしい。でも、死人は昔の人だから古の言葉……古文で伝えないといけない。」
といった。古文?あぁ、なんか昔の文か。
「なんて言えばいいの?」
と私は聞いた。何故か私、古文が好きすぎて言えるようになったんだよね。
「じゃあ、自己紹介お願いします!」
「我はねこ族の音色なり。恋しき物はねこまじゃらし、憎きものは白き龍なり。」
と私は言った。白龍は
「遠回しに僕の事嫌いって言ってるじゃんか!何?そうなの?嫌いなの?いいよっ、もうっ!最後に、これを翻訳して。白き龍恋し。」
といった。
「白い龍が好きですって、何言わせてんのっ!まぁ、さっきのは冗談なんだけどねぇ。」
と私はのんびりと言った。白龍は急に、苦しそうに心臓を抑えた。
「大丈夫ッ⁉」
と私は白龍の背中をさすった。白龍は
「ごめめめめめん、むリしすギたみたいぃぃぃぃぃ。もうすこシだケ、挨拶を続けててててててててててテ。」
と言って消滅した。あぁ、定期的に消滅するんだね、白龍って。

この時私は、白龍の消えることが定期的に起こり、そしてそれがとてつもなく大変なことだと、思っていなかった。

end

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