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お姫様雪乃、パーティーを開く


え?パーティーするの?

わたくしは、雪乃。姫らしい。ここは雪がたくさん降る国。
「雪乃お嬢様!お城に帰る時間です。帰りましょう。」
この人はわたくしの専属メイドのララさん。小さなころからお世話になっていたの。
お城に帰ると、執事が出迎えてくれた。執事は正直言って厳しい。
「姫様。こんな時間まで何をされていたのですか。そろそろ高校生になるのに・・・・・・。勉強してください。今は春休みだから、そんなに余裕があるんですよ。ララさん、これを姫様にやらせてください。」
とまた小言を言った。ララさんに執事が渡したのは、数え切れないほどのプリントだった。ララさんは、
「流石にゆ・・・・・・姫様でも、この量はできません。」
とかばってくれた。
「そうですか。それと、婚約者も決めといてください。」
執事は、わたくしの婚約者を早く決めてほしいようだ。ララさんは、
「流石に姫様でも、出会いがないと、ねぇ。」
とまたかばってくれた。
「出会い、ですか。なら明日、パーティーを開きましょう。」
は?
「ですから、パーティーです。」
パ、パーティー!どんな人がいるんだろう?
「姫様!何でそんなに乗り気なんですか!」
ララさんは私にツッコんだ。
「だって、パーティーってさ、母上に会えるんでしょ?」
母上とは今、離れて暮らしている。母上は私の7歳の弟と茨の森の城にいる。
「残念ですが・・・・・・婚約者の候補しか来ません。」
と執事。私は
「なら、行かない。」
「はやく結婚して陛下を安心させてあげてください。」
母上を、安心させる。
「そうね、たまには良いかもね。」
私は納得した。

パーティー

今日はパーティーの日。それより、コンニャクシャって何だろう?と思いながら、門の前で待っていると、
「こんにちは~。俺、朔(さく)って言いま~す。」
と見るからにも元気そうな男の子が来た。
「こ、こんにちは!雪乃です!え~と、さ、朔さん、よろしくお願いします。」
緊張した~。
そして、次に来たのは、
「お招きいただきありがとうございます。僕は、湊(みなと)と言います。」
湊さんは眼鏡をかけていて、落ち着いた雰囲気だった。
「ゆ、雪乃です!よろしくお願いします、湊さん!」
やっぱり緊張する~。
その次に来たのは、
「私、奈留(なる)!雪乃ちゃんでしょ!よろしくね~。」
可愛い女の子だった。親しみやすそう。
「よ、よろしくお願いします。」
と私も元気にできた。と思う。
「敬語は辞めてよ~。」
「な、奈留ちゃん?」
「そうそう!」
そして、私と奈留ちゃんは話した。仲良くなれたと思う。
「こんにちは。わたくし、沙希(さき)と言いますの。お誘いいただきありがとうございます。」
と次に来たのは沙希さん。なんだか、絡みにくそう。
「ゆ、雪乃です!来ていただきありがとうございます!」
と私。
「は?誰が喋って良いと言いましたの?」
なんか・・・・・・嫌われてる?そして、色んな人がやってきた。

踊り

大広間で私が立っていると、
「雪乃ちゃ~ん。」
と奈留ちゃんが私の方へよってきた。
「踊りって知ってる?」
「知ってるよ。それよりさ、コンニャクシャって何?このパーティーでそのコンニャクシャっていうのを決めるとかなんだけど。」
「コンニャクシャ?婚約者じゃないの?」
「そうそうそれ!」
「なんだろう?結婚する人じゃないの?」
「ええ?」
私は顔を真っ赤にした。
「今から踊るらしいよ。ということで、私と踊らない?」
「うん。」
そして、踊った。踊っていると、後ろから声がかかった。
「奈留?」
呼び捨て⁈それは、湊さんだった。
「み、湊!ど、どうしてここに?」
どうやら知り合いのようだ。
「どうしても何も・・・・・・誘われたからに決まっているじゃないか。」
そうしたら、奈留ちゃんは、私を見て、
「雪乃ちゃん、ちょっとだけ時間をちょうだい?あっちで話しましょ。」
と言った。私は、
「わかった。湊さん、失礼します。」
と湊さんに挨拶をして、奈留ちゃんと一緒に大広間を出た。
「雪乃ちゃん、どういうこと?湊が婚約者ってこと⁈」
と奈留ちゃん。
「違う違う。それよりもさ、奈留ちゃんと湊さんってどのような関係で?」
「あ~・・・・・・。小っちゃいころからの付き合い。でも、やめといた方がいいよ。湊、綺麗好き過ぎるから。」
「綺麗好き?」
「そう。部屋に一つでもゴミがあると怒り出すんだから!」
そっかぁ。そして、
「大広間に戻ろっか。」
と奈留ちゃんが言った。大広間に戻ると、曲が鳴っていた。私と奈留ちゃんが一緒に踊り始めて少し経つと、
「あら~。可哀そうに、モテないのねぇ。」
と嫌味を言うために沙希さんが声をかけてきた。
「じゃあ、そっちはモテるってこと?」
と奈留ちゃんが怒って言う。
「もちろんですわよ!後、雪乃さん?ちょっとだけ言いますけど、朔様に手を出したら許しませんわよ!」
と沙希さん。朔・・・・・・様?様って言わないといけないの?満足したのか、沙希さんは去っていった。
「ムキィ~。何なのよアイツ!」
と奈留ちゃんは怒った。ムキィ~っていう人、初めて見た。奈留ちゃんは
「ごめん、ちょっと私、他の人と踊るわ。アイツを見返してやる!」
と言った。私は
「オッケ~。」
と言って奈留ちゃんと別れた。

朔さん

そして、少し立っていると、
「あの~。」
と声を掛けられた。
「どうされました?・・・・・・あっ。」
朔さんだった。
「俺と踊らない?」
でも・・・・・・。沙希さんがねぇ~。
「拒否したら俺、泣いちゃうよ?」
嘘かもしれないけど。
「わかりました。」
と答えた。これも母上を喜ばすため。
「雪乃って呼んでもいいか?」
と朔さん。
「え、あ、・・・・・・はい。」
と私が答える。
「よろしくな、雪乃。」
と朔さんが言って、手を取った。そして踊り始めた。その曲が終わった途端、話しかけられた。
「雪乃さん?」
と。沙希さんだ。今すぐその手を離せって言っている。ように見える。
「誰?」
と朔さん。
「酷いですわね。わたくしは沙希ですわ。」
「沙希?わりぃ、覚えてねぇ。」
覚えてないみたいだ。
「ま、そんなこと良いから、踊りましょう、朔様。」
と沙希さん。そして、強引に踊りに行った。
「あ、ちょ、待てって!」
私はボウっと突っ立っていた。そしたら、
「雪乃さん。」
と声を掛けられた。

湊さん

「み、湊さん!」
湊さんだった。
「僕と踊りませんか?」
「はい。」
湊さんと踊ることになった。
「呼び捨てにしてもいいでしょうか?」
「はい。」
「ゆ、雪乃。よろしくお願いします。」
湊さんは敬語を使う。
そして、踊り始めた。

湊と雪乃ちゃん

私は奈留。さっき見たんだけど、朔さんをアイツが雪乃ちゃんから取っていったよ!ひっどいなぁ。そしたら、湊が雪乃ちゃんと踊り始めた。なんか・・・・・・胸がチクチクするような気がする。ごめん、湊。雪乃ちゃんには湊は似合わないよ。あんなに綺麗な子、湊には・・・・・似合わない。
そっか。私、嫉妬してるんだ。湊に。私だって雪乃ちゃんと仲良くなりたいのに、湊が取っちゃったから。


な~んていうのは嘘。でも、私は湊が好きというわけでもない。
雪乃ちゃんは私が、アイツから守る!雪乃ちゃんを絶対に守るんだ!
          ↑(沙希) 
「雪乃ちゃん、何かあったら直ぐに言ってね。」
と言って、雪乃ちゃんから離れていった。

そして

パーティーが終わるころには、夜の食事は終わっていた。奈留ちゃんと、私と、湊さんで食べた。朔さんと一緒に食べたかった・・・・・・かも。
「さようなら。お越しいただきありがとうございました。また来てくださいね。」
と皆様に挨拶をして、終わった。

「あのさ。」
と急に朔さんに話しかけられた。
「はい。どうされました?」
「つ、続きを踊らないか?沙希に邪魔されちゃったしさ。」
っ!
「いいんですか?」
「もちろんだよ。」
そして、私と朔さんは気が済むまで踊ったのでした。(owari)


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