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白紙の名言集③

 こんにちは。柚子瀬です。

 今回は「架見崎」シリーズほか、河野裕さんの作品を中心に、私がこれまで読んだ本の中で心に残っている言葉を紹介しようと思います。メモが散逸してしまったりしているため、ここで紹介する以外にも少なくない数心に残っている言葉があります。そのところをあらかじめ留意していただけますと幸いです。

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。』(新潮文庫nex,2019)

生き抜くことにだけは、命がけでいい。
89頁

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。2』(新潮文庫nex,2019)

赤子は母親を信じて泣き声を上げる。それが、生きる術というものだ。
51頁
「無理に受け入れようとするから辛いんでしょ。嫌なことは、嫌なまま覚えていればいいんだ。上手いやり方がみつかるまで」
147頁
「なんにせよチームのみんながそう言うんだから、貴女は優しいってことにしておきましょうよ。自分の評価と周りの評価が嚙み合っていないなら、だいたい周りの評価の方が正しいものよ」
255頁

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。3』(新潮文庫nex,2019)

自然なことなのだろう。ある種の心の強さを持つ人間にとって、自分を忘れるのは。
244頁
彼は自分自身の強さを知っている。なのに、自分を信頼していない。それはなんて悲しいことなのだろう。
266頁

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。5』(新潮文庫nex,2021)

──どこまでだって歩くんだ。
喉が渇いたら水を飲み、腹が減ったらビスケットをかじる。雨が降ったら屋根の下に入り、疲れたらいくらでも休む。でも、必ずまた歩き出すんだ。
いつまでも鳴りやまない、その足音と鼓動だけが、生きるということの主題になる。
364頁

河野裕『さよならの言い方なんて知らない。7』(新潮文庫nex,2022)

「嘘と真実のあいだには壁がある。ぶ厚く強固な壁だが、ひとつだけドアがついている。そのドアを、物語と呼ぶんだろうね」
13頁

河野裕『つれづれ、北野坂探偵社 心理描写が足りてない』(角川文庫,2013)

「わからないことを素直にわからないと言えるのは美徳ですね」
200頁

河野裕『昨日星を探した言い訳』(KADOKAWA,2020)

相手が嫌がるところまで踏み込んで、問題が悪化することも、改善することもあるだろう。どちらが正しいのかなんて結果でしか測れない。ただ傍観している方が、責任を感じなくて気楽だ、というだけのように思える。
51頁
「うん。つまりそれを偏見という。自分とは異なる前提を持つ相手を、見下すことを」
67頁
「近づけば近づくほど、相手の色々な面がみえてしまうでしょう。歴史上の偉人を尊敬するのは簡単だけれど、知り合ってしまうと話が違う。教師を尊敬できても、友人になると難しい。恋人になるとなおさらで、もしも結婚なんてしようものならどうしようもない。みえないところを埋めていた幻想が、みんな誤りだったと証明されていく。だから身近な人を尊敬できるのは、本当に稀有なことだよ」
311頁
「一度許されたことを繰り返し謝まらない。素敵な大人になるための、大切なルールよ」
380頁

白石一文『ここは私たちのいない場所』(新潮文庫,2019)

「そんなふうに心が参ってしまったときは自分自身に治してもらうのが一番なのよ。というか、自分の心は自分にしか治せないの。病気や怪我だって実は同じなんだけど、心は特にそうなのよ。でも芹澤さんの心は弱ってるから、いまの自分に治療してもらうわけにはいかないでしょう。だから、過去の自分に会いに行って、その人に治してもらうしかないのよ」
56頁

白石一文『どれくらいの愛情』(文春文庫,2009)

自分にとって何が大切で、何が大切ではないか、それは自分にしか分からないのだ。誰かと競ったり、誰かとすこしだけ違うことをしようと思ったりしてはいけない。本当に大切な決断をするときは、決して競争や冒険を目的にしてはならないのだ。
259-260頁

白石一文『もしも、私があなただったら』(光文社文庫,2008)

「さみしさっていうのは、人間を少しずつ弱らせてく味も色もない毒薬だわ」
131頁

白石一文『火口のふたり』(河出文庫,2015)

「賢ちゃんには我慢が足りないの。いっつも斜に構えてて他人のことも自分のことも馬鹿にしてるの。投げやりなんだよ。頭のいい人によくいるタイプだね」
130頁
「賢ちゃんは、弱虫で投げやりなくせに、片方でヘンに自惚れ屋なのよ。自分だったら何だってうまくいく、うまくいかないのは努力が足りないせいだって思い込み過ぎてるの。だけどさ、人間なんて駄目なときは幾ら努力したって駄目なんだよ。そういうときは思い切って誰かに頼るのも手だと私は思うけどな」
162頁


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